• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP
日経テクノロジーonline SPECIAL

千葉県最多の企業数を誇る白井工業団地

菊川工業

メタルアーキテクトの先駆け、83年の歴史が建築美を支える

写真
デビアス銀座ビルディング
品名:ステンレスカーテンウォール
材質:ステンレス
仕上:パールバイブレーション

建築物の金属製品の設計、製造、施工を個別受注生産で行う菊川工業(本社: 東京都墨田区菊川2-18-12)。建築物のファサードや内装、インテリア等に使われる金属建材を造っている。TOKYU PLAZA 表参道原宿、デビアス銀座ビルディング、フジテレビ本社の球体等、デザイン性が高く、高度な技術が求められる物件を数多く受注している。

売上は現在、国内と海外が半々。世界のApple店舗に外装、内装のステンレス建材を納入する4社のうちの1社が菊川工業だ。

金属建材の設計は、建築事務所の基本設計をもとに、金属として施工可能な設計図を作り上げていく。菊川工業は1933年の創業以来、幾多のトライアルで確立してきた技術や設計方法を礎に、常に新しい作品に挑戦している。「Never say no.」がモットーで、建築家がイメージしたデザインを実現可能な形にする技が菊川工業の強みだ。デザイナーからの依頼には、まず参考図を提案し、現物モックアップを作ってディテイルを詰めていく。設計者は菊川工業が作った現物モックアップを見ると安心するという。金属を加工するノウハウに長けているので、設計者への提案力も高い。

写真
フジテレビ本社(球体)
品名:外装パネル
材質:チタン
仕上:ダル

手掛ける案件は、先進的なデザインが多いため、既存の技術がそのまま役に立つことは少ない。しかし、実績の積み上げが新しい技術の実現性を高めている。誰も見たことのない意匠を支えるため、社内では技術情報をシステム化し共有。また、教育プログラムで技術の継承を続けている。そのうえ、設備投資にも積極的で、工場では常に最新の機械を導入。新しい加工技術をいち早く習熟することで、対応力を上げている。

12月2日の見学会では、今まで制作した現物モックアップの展示と、工場見学を計画中だ。

時代の空気を体現する革新的な建築は、菊川工業の技術が牽引している。

ミマス

最大1200mmの基板の設計から実装までワンストップで提供

写真
実機による基板動作確認等、各種調整を行う

1969年、東京都新宿区で銘板加工業として創業したミマス(本社:東京都江戸川区大杉3-22-13)。電化製品に貼られている注意書きのシール印刷やカッティングが主な事業だった。1984年からはプリント基板の生産を東京都江戸川区の工場でスタート。白井工業団地でアセンブリを行っている。

一般の基板と違い、最大1200mmという大きな基板を実装するには、マシンのカスタマイズや、海外調達が必要になり、ノウハウが重要になってくる。ミマスは大型基板の調達のために香港に事務所を設立。設計事務所は新宿区に構えており、顧客が起こした回路図を基に基板の設計をしている。設計、制作、実装までをワンストップで担えるのがミマスの強みだ。医療機器を中心とした産業機器を少量多品種扱うEMSとして活躍している。医療機器を製造するため、薬事法の認定工場にもなっている。

写真
プリント基板の設計から量産までをワンストップフルサポート

ミマスはものづくりのフェーズにおける提案力も高い。既存の基板から、さらに高効率、低コスト、高品質にするための提案を強化している。基板設計に特化した3次元CADの導入により、設計の機動力を上げ、上流工程での精度を上げることで、手戻りを抑えるよう、顧客と連携することもある。QCDを高める努力を怠らないのだ。

新規事業への展開にも積極的で、大型基板を中心とした直管LED実装の量産体制を取っている。

12月2日の見学会では、希望者にアセンブリ工場の見学を行う予定だ。

創業以来、「顧客のニーズに対応する商品を安定供給する」ことを掲げるミマス。これからも電子機器の進化に貢献していく。

中村塗装店

塗装全般をカバーする先進の技術で歴史を繋ぐ

写真
三井本館の特殊塗装では、ハジキ仕上げ、コンビネ-ション、木目書き、大理石模様かき、金色仕上げ、ブロンズ仕上げと多様な技術がつぎ込まれた

1870(明治3)年、新橋~横浜間の汽車塗装を機に創業した中村塗装店(本社: 東京都品川区上大崎3-6-4)。現在では建築事業本部で都内のオフィスビルや商業ビル等の内外装塗装を、エネルギープラント事業本部でプラント、発電所、橋梁、高速道路の塗装を、マンション改修事業本部でマンションの改修工事を行っている。さらには鉄物等の重量物専門の塗装を手掛ける袖ケ浦工場、アルミのカーテンウォールの焼付塗装を専門とする白井工場もある。塗装専門に行う工場を持つ会社は国内でも数少ない。ここでは塗装面積5000平米以上の大型物件を数多く手掛けている。

白井工場は超耐候性塗料(熱可塑性フッ素樹脂塗料)の焼付炉を持つ国内最大規模の塗装工場で、焼付塗装ロボットは自動制御の特殊ガンで特許を取っている。通常の塗装ロボットは縦に動くが、独自設計の中村塗装店の塗装ロボットは横に動く。そのため複雑な断面でも均一な塗膜精度で仕上げることができる。自動生産ラインにより、前処理、下地処理、素地調整、塗装まで一貫した生産が可能だ。アルミの前処理では、クロメート処理、リン酸クロメート処理、ノンクロメート処理をカバーしており、欧州のRoHS/ELV指令(有害物質規制)にもいち早く対応している。

写真
自動制御の特殊ガンで塗膜精度を±5ミクロン以内に仕上げる塗装ロボット

145年の歴史で培った技術が継承されており、手吹き塗装でも均一で美しい仕上がりが特徴。常温金属溶射により50年は錆びない超重防食工法を手掛けられるのも、技術力の表れだ。お台場に立つガンダムのエイジング塗装も同社が手掛けた。これも職人技が要求されるものだ。

歴史と技術力と大型物件を数多く手掛けられる設備を保有する中村塗装店。林立するビル群はの多くは、中村塗装店の手によるものなのだ。

竹森工業

大型のタンクや製缶品で社会に貢献

写真
8500KL軽油タンク

タンクや圧力容器の設計、製作、施工を専門とする竹森工業(本社: 千葉県鎌ケ谷市東道野辺7-18-25)。高圧取締法で扱う一圧、二圧、ボイラー、熱交換器のほか、規格外の圧力容器、タンク、サイロ等も扱い、都市ガス、石油化学プラント、自衛隊、米軍基地、上下水処理場等で使われている。各種製缶装置(ごみ処理、排水処理、バイオマス発電)も行い、幅広い分野で数多くの納入実績を誇る。

創業当時は都市ガスの有水式及び球形ホルダーを中心に実績を積み上げ、技術を磨いてきた。溶接技術の高さには定評があり、顧客が溶接部分のきれいな処理に感心して、写真を撮っていくことも多い。手直しの少なさはコスト削減にも繋がり、顧客満足度にも貢献する。

技術と安全性の向上のために、従業員には各種資格の取得を推奨しており、全社員が持つ資格は78を数える。白井工業団地内で行われる研修にも積極的に参加し、専門知識の習得と技術の研鑽に努めている。

写真
白井工業団地工場内

規律を守ることにも注意を払っており、工場での毎日のラジオ体操は始業10分前に行い、定刻の8時には全員揃って作業を始める。こうした教育が、労働安全でも効果を発揮。安全パトロールは代表を決めて危険物のチェック、作業具の整理整頓、ヒヤリ・ハット事例の報告等を行っており、不具合撲滅対策委員会で各班がそれらの情報を共有している。これらの積み重ねにより約3割のロスを回収。コストを下げる要因になり、さらに精度が上がり、納期厳守にも役立ち、競争力を高めることとなっている。顧客の信頼に応える高品質な一品生産を46年間続けているのには確かな理由があるのだ。

発電所、化学工場、食品工場、ガス会社、浄水場と様々な施設で活躍する竹森工業の製品群。地域社会は竹森工業の高い技術に支えられている。

シラヤマ

設計者の思いを形にする精巧な技術

写真
東京スカイツリーは第1展望台で480、第2展望台で77のバックマリオンを使用

創業67年を迎えるシラヤマ(本社: 東京都江戸川区平井2-1-8)は、日本初の超高層ビルとして知られる霞が関ビルディングのカーテンウォールを皮切りに精度管理、品質管理を徹底してきた。近年、デザイン性の高い立体的なカーテンウォールが増える中、意匠材であり構造材となるガラス枠を、金属に熟知した溶接とひずみ取りの加工技術により実現している。

超高層ビルのカーテンウォールを主力製品とするシラヤマの代表製品といえば、東京スカイツリーの第1展望台、第2展望台のバックマリオン(ガラスを留めるためのスチール枠)である。第1展望台は高さ350m、第2展望台は450mという高さの建築構造物であり、設計は上方に向かって18度の角度で開いていく逆台形で、非常に特殊な構造だ。強度計算は風速120mの風圧実験、震度7の耐震実験、暴風雨を想定した水圧でガラスに水をぶつける高圧実験等、設計会社、施工会社、ガラスメーカー共同で行った。製品の要求事項は、「10mのバックマリオンを精度2mm程度の誤差内に収めること」だった。シラヤマは要求事項を満たす、非常に精度の高い製品を作り上げ、東京スカイツリーは完成したのだ。この成功以降、高度な技術を要する建造物では、設計者や施工現場への技術提案を行い、協力して問題を解決し新しい建造物を完成させている。

写真
市道鳥の巣線(大分県)橋梁補修工事の補修前(上)と補修後(下)

シラヤマは、橋梁の土木製品も製造している。古い橋の歩道と車道を広げる拡幅工事を、通行を止めず行う工法を独自に開発。25t大型車対応道路拡幅工法「ブリッジプラスアルファ」は 軽量化、短工期施工が可能な上、メンテナンスしやすいという特徴を有しており、特許および国土交通省のNETIS、東京都の新技術情報に登録されている。

東京スカイツリーを見上げる時、日本の技術力の高さに誰もが驚くだろう。そこにシラヤマの技術はある。