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日経テクノロジーonline SPECIAL

積極的な発言とコミュニケーションが課題解決と新製品開発の源泉

高度な印刷技術を発展させ
4つの事業を展開

 1929年に創業した日本写真印刷(以下、NISSHA)。プラスチックや金属の表面に機能・意匠を印刷する「産業資材事業」、フィルムベースのタッチセンサーを主力製品とする「ディバイス事業」、欧米市場で医療機器を生産・販売する「ライフイノベーション事業」、印刷物やWebソリューションを提供する「情報コミュニケーション事業」という、高度な印刷技術を発展させた4つの事業を展開している。

 中でも同社の売上の5割を占めているのがディバイス事業だ。主力製品であるタッチセンサーは、薄さや軽さ、高い視認性、正確なセンシングでストレスのない操作を実現し、タブレット端末やスマートフォン、ゲーム機、産業用機器などに幅広く採用されている。

IoT市場でソリューションを提供
事業の次の柱を生み出す

 同社は高度な印刷技術をタッチセンサーなどの多種多様な分野に進化させることで大きな成長を遂げてきた。この流れを汲み、次の柱となる事業を生み出すための研究開発に取り組んでいる。その1つがディバイス事業部に設置された新製品開発部である。

 部内では、様々な新製品が検討されているが、着実に成果を上げつつあるのが、IoT市場に向けて開発した「無線センサーネットワークシステム」だ。

 これは、同社がタッチセンサーなどで培ったセンシング技術と無線通信技術を組み合わせたシステム。単に機器を提供するだけでなく、トータルソリューションとして提供する。センシングした情報を無線で送る技術をコアとしているため、センサーの組み合わせと制御ソフト、アプリケーションの開発によって、様々な可能性が広がるのが特長だ。

 例えば、人感センサーや温湿度・CO2センサーを用いて室内の状態を見える化する「室内環境モニタリングシステム」は、オフィスの会議室運用の効率化に利用されている。

 「この他にも、トイレの利用状況を見える化した製品『トイレモニタリングシステム』(図1)を海外の商業施設に導入するなど、国内外のニーズに対応しています。またライフイノベーション事業部と連携し、高齢者の見守りを行うシステムの開発も行っており、介護市場など成長が見込まれる分野に対応を拡大しています。海外の営業メンバーとの連携や、事業部を越えた開発がスムーズにできるところも当社の強みの1つですね」と新製品開発部副部長の柴田淳一氏は話す。

図1 トイレモニタリングシステムの概要
人感センサー、ドア開閉センサーで個室トイレの利用状況をモニタリングすることで、リアルタイムで空室状況の表示や、清掃スケジュールの最適化などに役立てられる
[画像のクリックで拡大表示]

コミュニケーションを活性化し
技術と技術の融合を加速

 様々な可能性を追求するため、新製品開発部には、機械系、電気系、情報系、化学系など多種多様なスキルを持つエンジニアが在籍している。

 その1人が、入社7年目の角谷栄二氏だ。角谷氏は、昨年までは無線センサーネットワークシステムの電気回路の設計・評価を手がけていたが、新たに前述したトイレモニタリングシステムを開発するプロジェクトのリーダーに抜擢された。

 「以前は自分の課題を解決することが仕事の中心でしたが、今は課題の解決に取り組むメンバーたちをどうサポートするかを考えています。その中で気がついたのが『コミュニケーション』の大切さです。若手でも『こんなことを言ってもいいのか』と気後れせず、積極的に発言できるような環境であれば、いろいろな解決の道筋が見えてきます。エンジニアがコミュニケーションを重視するのは、もともとNISSHAの社風の1つですが、その理由を改めて感じています」と角谷氏は言う。

 一方、角谷氏のチームに所属し、ソフトウエア開発を行っているのが入社3年目の大場芙美氏だ。昨年までは、制御系ファームウエアの開発を行っていたが、このプロジェクトで初めての経験となるWebアプリケーション開発を任された。「プログラミング言語も含め、一からの勉強となりました。ファームウエアとは異なり、Webアプリケーションはユーザーインタフェースの開発も伴うため、どうすれば使いやすい画面になるかといった新しい視点が求められますが、1人で考え込むのではなく、先輩たちからアドバイスを受けることで視野を広く持って開発を行い、スキルアップできました」と大場氏は、今回のチャレンジについて語る。まさにNISSHAの社風であるコミュニケーション重視の姿勢が、プロジェクト推進の大きな原動力となったわけだ。

図2 NisshaテクノロジーセンターKYOTO(仮称)の完成イメージ
2018年2月に完成予定。NISSHAが持つ多様な技術、製品のさらなる進化に加え、他分野への応用なども促し、中長期の成長を見据えた次世代製品の開発を加速する拠点となる
[画像のクリックで拡大表示]

 このようにNISSHAのものづくりの根幹は、市場ニーズを読み取り、保有するコア技術を巧みに応用・活用して、独自の製品・サービスを具現化していく姿勢にある。同社は、このものづくりの価値創出プロセスを“Nissha Technology Vision”として制定しているが、その実現に向け、新たに約40億円を投じて、新しい研究・開発拠点NisshaテクノロジーセンターKYOTO(仮称)の建設に着手した(図2)。

 建設されるのは京都市内の本社構内、都市型の研究施設だ。ここに各事業部で新製品や新技術の開発に携わっているエンジニアを集約。技術と技術の融合を促し、新しいイノベーションが生まれることを期待している。

 もちろん、若手エンジニアに対する期待も大きい。特に「提案力」を持つエンジニアに育ってほしいと柴田氏は言う。「若手エンジニアの『こんなことをやってみたい』『こんなことができるのではないか』という積極的な提案が新製品開発の源泉となるのです」。

 同社ならではのエンジニアのコミュニケーションの輪に若い力を加えることで、Nisshaブランドをさらにグローバルに発信していこうとしているのである。

Corporate Data
会社情報 【資本金】 56億8,479万円
【社員数】 809人(連結5,087人/2016年12月末現在)
【創業】 1929年10月
【事業内容】
<産業資材事業>独自技術で様々な素材の表面に意匠や機能を与える製品や印刷関連資材を扱う事業
<ディバイス事業>フィルムベースのタッチセンサーを主力製品とし、精密で機能性を追求したディバイスを提供する事業
<ライフイノベーション事業>医療機器やその関連分野において、高品質で付加価値の高い製品を提供し、世界中の人々の健康で豊かなライフスタイルへの貢献を目指す事業
<情報コミュニケーション事業>印刷メディアとコミュニケーション戦略全般をサポートするサービスを提供する事業
採用情報 【採用職種】
技術系:技術開発・製品開発、技術・生産技術、R&D、品質管理・品質保証、生産管理・購買など
事務系:営業(海外・国内)、管理部門、生産管理・購買など
【採用実績大学】 全国国公立私立大学
【採用実績学科】
技術系:電気・電子、機械、情報、化学、材料、バイオ、物理など
事務系:全学部全学科
【勤務地】 京都、東京、大阪、石川、兵庫、滋賀、三重
【2017年入社予定数】 技術系:17人 事務系:7人
【初任給】
修士了:月給 228,700円
大学卒:月給 209,500円
お問い合わせ
  • 日本写真印刷株式会社
    日本写真印刷株式会社

    人材育成部

    〒604-8551 京都府京都市中京区壬生花井町3

    TEL:075-823-5120

    URL:http://www.nissha.com/recruit/

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