• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
日経テクノロジーonline SPECIAL

アナログ・デバイセズ TOP INTERVIEW

――リニアテクノロジーの買収が完了しました。統合作業の進捗をお聞かせください。

Roche 3月の買収完了後、精力的に統合作業を進めています。そもそも両社は互いをよく理解していましたし、高性能なテクノロジーに特化しているなど、似通った部分も多かったのです。今は、最大限のシナジーを出せるよう研究開発、製造、基幹システムなどの統合を集中的に進めています。

統合は時代の要請

――そもそも、なぜ両社を統合しようと考えたのでしょうか。

Roche 統合を考えた時点での両社の経営状況は極めて良好だったため、短期的視野からは統合は不要と見えたかもしれません。しかし長期的視野においては、補完性の極めて高い両社の力を結集することで、将来のお客様にさらに高い価値を提供できるようになると考えたのです。

 製品設計において最もクリティカルなのはアナログ回路設計の部分ですが、近頃、顧客企業のアナログ回路設計技術者が減少し、外注化する傾向が高まっています。われわれにも、製品単体の供給のみならず、(複数製品の組み合わせにより1つの機能を実現する)サブシステムの提供が求められています。このような中、2社が統合することで、この最もクリティカルな設計課題に応えるソリューション、つまりパワーマネジメント部を含めた包括的なアナログシグナルチェーンを提供できるようになります。

 両社は、産業機器、オートモーティブなど、特に高度な技術が求められる分野で共に強みを持っています。一方で、アナログ・デバイセズは応用分野に深く入り込むビジネスモデルだったのに対し、リニアテクノロジーはより幅広い顧客層をカバーする、という違いもありました。この2社のベストな部分を組み合わせれば、「1+1>2」ともなり、より広い分野のお客様に専門性の高いサービスを提供できます。

現実と仮想世界を仲介する架け橋

――本格的なIoT 時代の到来が間近に迫る今、圧倒的なアナログの技術力を持つに至った企業として、どのような価値を提供していくのでしょうか。

Roche 現実世界とデジタルの仮想世界をつなぐアナログ技術の重要性は高まる一方です。具体的にはアナログ世界の事象を正確に検知するセンシング技術、検知したデータからその意味を解釈する技術、そして、デジタル世界に信頼性の高い形で伝える技術であり、これらこそがわれわれが提供できる価値です。

――IoTの利点は、事象の検知や解釈のみならず、機械学習やAIによって将来予測ができるようになることにあり、賢いAIを育てるには、膨大かつ高品質な学習データが欠かせません。AIの成長は、アナログ・デバイセズの技術の進化と共にあるように見えます。

Roche その通りです。センサーエッジをインテリジェントにすることで、音、動き、温度などさまざまな物理現象を、高い忠実度でデジタル世界に再現し、AI が学べるデータに変えて伝える。そうしたスマートセンシングの発展への貢献は、アナログ・デバイセズの重要なミッションです。

 IoTシステムを構築するICTベンダーは、現実世界の物理現象を扱うことに慣れていません。専門性は、デジタルな世界でよりよい価値を生み出すところにあるのですから当然です。高度なアナログ技術を包括的に扱うことができる新生アナログ・デバイセズは、画像、無線、光、超音波など、現実世界を満たすさまざまなアナログ信号を自在に扱う力を提供します。いわば、現実世界とデジタル世界の高精度な架け橋なのです。

新生アナログ・デバイセズの会社概要
[画像のクリックで拡大表示]

日本と共に困難な課題に挑む

――日本の産業界は、民生機器から産業機器、インフラ、自動車などへとビジネスの軸足を移しています。アナログ・デバイセズはどのように日本の産業の発展に貢献するのでしょうか。

Roche 日本は、科学技術でのブレー クスルーを次々と生み出し、社会が抱える難しい課題にも果敢に挑む希有な国です。私たちがお手伝いする中で見てきた、日本のお客様が生み出す医療用診断装置や産業機器、自動車などは、世界をリードするすばらしい製品ばかりでした。これから日本企業が注力する分野は、アナログ・デバイセズが最も得意とする応用分野でもあり、とても期待しています。

――過去の日本企業は、国内で成功した製品を海外に販売していました。今では、最初から世界で求められる製品を開発する必要性に迫られています。

Roche 20年ほど前ならば、ほとんどの企業が垂直統合型の事業の強みを生かしたビジネスをしていました。自社だけで高度なイノベーションを生み出そうとしていたのです。しかし、そのような時代は終わりました。世界の市場は多様で、しかも刻々と変化し続けています。迅速に、かつ継続的にイノベーションを生み出すためには、エコシステムを形成し、世界中の技術、知恵を取り入れ、今までにない新しい形で組み合わせていく必要がありますし、われわれはその取り組みを進めています。たとえばヘルスケア分野において、予測的な生体信号モニタリングを臨床用途に生かしたいというお客様の要望を受け、計算生物学のエキスパートに関わってもらっています。世界で磨かれたアナログ・デバイセズの技術は、日本の産業のさらなる発展に必ずや貢献することでしょう。

 お客様による製品開発の初期段階から私たちが関与し、お互いの技術を擦り合わせることで、一歩進んだ製品を開発できた成功例が数多くあります。日本のお客様には、新生アナログ・デバイセズを、高度なアナログ技術を提供する最も信頼できるリソースと考えていただければと切望しています。世界をリードする製品を生み出し続ける日本は、アナログ・デバイセズが技術を磨くうえでもとても重要なのです。

――日本のお客様にメッセージを。

Roche 新生アナログ・デバイセズは、日本企業と共に最も困難な課題に挑戦していきたいと考えています。それがあらゆる産業の発展と一つひとつの製品の進化につながると確信しています。

お問い合わせ
  • アナログ・デバイセズ株式会社
    アナログ・デバイセズ株式会社

    〒105-6891 東京都港区海岸1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル10F

    TEL:03-5402-8200

    URL:http://www.analog.com/jp/