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日経テクノロジーonline SPECIAL

日立ソリューションズ「IoTによる保守サービスの業務改革で売り上げが伸びる」

効率改善とともにビジネスを革新

 ここで八巻氏が、ソリューションのプラットフォームとして紹介したのがマイクロソフトの 「Connected Field Service for Microsoft Dynamics® 365」(以降 「Connected field service」 )だ(図1)。機械の停止を防ぐための保守のタイミング通知と、保守作業が必要な機器の抽出や作業に必要な情報の提供などを統合的に実施するシステムである。「慣例的なスケジュールに基づいたメンテナンスから、実際の利用状況に基づいた効果的なメンテナンスに移行することを支援します」(八巻氏)。

図1 「Connected Field Service」で予防保全とサービスエンジニアの管理を統合
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 保守の必要性の判断は、機器に取り付けたセンサからの情報と機械学習による予測モデル、BIツールなどを使って行う。それをもとに、保守部門の管理者が、顧客情報、製品の修理履歴、確認が必要な項目一覧など、保守に必要な情報を取りまとめてサービスエンジニアのモバイル端末に提供。こうして一度の訪問で必要な作業を完結できるようにすることで、保守の業務効率を高めることができる。

全国やグローバルに商品を展開しているベンダの場合は、自社のサービスエンジニアだけでなく、パートナ企業のエンジニアの活動も管理する必要がある。その対応も可能だ。さらに実際に保守作業の結果などエンジニアのパフォーマンスも、現地からモバイル端末などで登録できるようにすれば、エンジニアのスキル管理と同時に、エンジニアのアサインの最適化や教育プログラムにも生かすことができる。

Connected Field Serviceは、業務効率向上を実現するだけのものではない。サービスに必要なコストの低減や、さらには製品そのものの売上拡大にも貢献しうると八巻氏は強調する。

自社部品の販売機会を拡大

 例えば生産ラインで使われている様々な機械は安定的な稼働のために、計画的なメンテナンスが必要だ。だが、メンテナンス作業中は、生産を中断し、機械を止めざるをえない。稼働率を厳しく管理している多くの生産現場では、機械が壊れるギリギリまで機械を動かし続けたいと考えがちだ。だがその結果、予期せぬタイミングで機械が壊れて、逆に稼働率を低下させることになる。メーカーに急遽修理を依頼するという事態を招くことになるが、修理の依頼を受けたメーカーが、必要な部品をすぐに手配できるとは限らない。急いで取り寄せるとしても、大型の部品になると特別な輸送の手配も必要になる。そうなると短時間で入手するのはかなり難しい。

 復旧を優先させるために代替可能なサードパーティ製の部品を使い、その場を取り繕うことができるかもしれない。だが純正部品ではないため耐久性や信頼性に乏しく、純正部品使用時より早く壊れてしまう可能性がある。その結果、稼働率をさらに低下させ、売り上げダウン、コスト増大を招いてしまうばかりか、メーカーへの信頼低下につながりかねない。

 Connected Field Serviceを活用して、予防保全を徹底することで計画外の停止を免れることができれば、こうした不安を払拭できる。メンテナンスが計画的なものになれば、必要な部品も計画的に仕入れておくことができる。これによってユーザーが緊急避難的にサードパーティ製部品を使うことがなくなり、サービスコスト低減と同時に、純正部品の販売機会を増やせる(図2)。

図2 計画的な保守で純正部品の売上拡大
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 またConnected Field Service導入は、サービスエンジニアの「セールスパーソン化」による売上拡大も期待できると八巻氏は指摘する。「サービスエンジニアは、販売目的で訪問する営業担当者より顧客を訪問しやすい。顧客と話をする時間も長く、顧客のシステムとニーズをよく知っている」(八巻氏)。

八巻美紀代氏
日立ソリューションズ 産業イノベーション事業部 Dynamics推進センター 技師

 それら情報をCRMで統合管理すれば、従来営業担当者だけでは聞きにくかった情報も集約できるようになり、効果的な提案に結び付けることが可能になる。Connected Field Serviceで適切な予防保全の体制が確立できれば、セールスエンジニアは有能なセールスパーソンになりうる。