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高度なモーター制御を手間いらずで実装 ターンキー・ソリューション「iMOTION」

インフィニオンのIPM
高度なモーター制御を手間いらずで実装
ターンキー・ソリューション「iMOTION」
Frank Grobe氏
Infineon Technologies AG
Head of Digitalization and Systems Senior Director Industrial Power Control

家電機器や産業機器さらにはロボットなど、モーターで駆動する機器は無数にある。そんな現代社会には欠かせないモーターの駆動を高効率化して、エネルギーの有効活用を図ろうとする取り組みが世界規模で広がっている。その実現の鍵となる技術が、モーターを最適な条件で駆動するインバーターである。ただし、機器メーカーは、できれば手間を掛けずに高度なインバーター制御を実現したいというのが本音。こうした要求に応えるのが、インフィニオン テクノロジーズのモーター制御プラットフォーム「iMOTION」である。Infineon Technologies AG Head of Digitalization and Systems Senior Director Industrial Power Control
Frank Grobe氏が、iMOTIONが求められる背景と提供する価値について解説した。

 日々の生活、社会やビジネスの動きの中で、モーターによって動く機器や道具を使う機会は驚くほど多い。洗濯機やエアコンといった家電製品や産業機器だけではなく、近年ではロボットやドローンのような1台に数多くのモーターを搭載する新しい機器も市場に出てきている。

 こうした機器を開発するメーカーでは、インバーター制御によるエネルギー利用効率の向上が至上命題になっている。これまでインバーター化の動きは日本市場が突出して先行していたが、今や米国、欧州、中国と世界中の市場へと広がっている。IHS Matkitの予測によると、2015年から2020年にかけての洗濯機の世界市場の成長率は年率3.4%だが、インバーター化した製品に限ってみれば、その伸びは年平均で17.1%に達するという。同様の傾向は、冷蔵庫や食洗機、エアコンでも見られる。2020年には、モーターで動く家電製品の2台に1台は、インバーター化すると予想されている。

インバーター化は不可避の負担

 ただし、モーターのインバーター制御は、機器メーカーの新たな悩みの種でもある。

 機器をインバーター化すると、モーター駆動に要する部品の点数が確実に増える。制御用のコントローラーや複雑な駆動回路、それらの信頼性を確保するための保護機能も必要になる。その結果、機器は大型化し、部品コストも増大する。さらには、システム設計の難易度も上がる。インバーター制御では、駆動するモーターの仕様や利用条件に合わせて、制御条件や制御回路を最適化する必要があり、開発の負担は重い。

 その一方で、機器の開発期間は、民生用と産業用を問わず短くなる一方だ。しかも、小型化、軽量化、静音化といった実現すべき開発要件は多い。当然、さらなるコストパフォーマンスの向上を求める声も大きく、高度な信頼性、安全性やセキュリティー、最近ではIoT対応に向けたコネクティビティも求められるようになった。例えインバーター化によってエネルギーの利用効率を上げても、それだけで機器の付加価値として訴求できる状況ではない。

 こうした悩める機器メーカーの負担を軽減する手段として、ソフトウエアによるモーター制御の重要性が高まっている。インバーターの制御回路の機能をソフト化することで、迅速かつ柔軟に、様々な機器を動かすモーターの駆動条件に最適化した制御を実現しようとするものだ。

 ただし、制御のソフト化は、コストの低減や開発負荷の軽減にはつながっていない。それは、機器のシステムコストの分析結果に明確に表れている。大手産業用ロボットメーカーによると、産業用ロボットのシステムコストのうち、ソフト開発に関する費用が、40~60%も占めているという。そして、産業用ロボットには、1台当たり6~12個のモーターが搭載されているため、その多くの部分をモーター制御用に費やしている。インフィニオンによる産業オートメーション用インバーターのコスト構造調査でも、20%を占める開発コストのうちの80%をソフト開発に費やしていたという。

 インバーター化は、もはや必須の機能であり、機器の付加価値にはならない。このため、「モーター駆動機器を開発するお客様は、最小限の開発負担で確実にインバーター化ができる、ソフト開発とハード開発を一貫した動作確認済みのターンキー・ソリューションを求めています」とGrobe氏はいう。

高度な制御を簡単・迅速に実現

 インフィニオンは、モーターのインバーター制御を効率よく、かつ効果的に実現するためのターンキー・ソリューション「iMOTION」を提供している。これは、2015年に買収した旧International Rectifier社が2006年に開発したものであり、現在30種類以上の製品を市場投入している。iMOTIONは、大きく2つの価値を複合的に提供できる点が特徴である(図2)。

図2 モーター制御のターンキー・ソリューション「iMOTION」が提供する2つの価値
[画像のクリックで拡大表示]

 1つは、様々な用途のモーター制御を、より簡単かつ確実に実現するための「Motion Contorol Engine」である。アーキテクチャーの異なる2つのコントローラーを用意している。独自仕様の「MCE 2.0」と、ユーザーが開発した制御用ソフトの利用に向けた「ARM Coretex M0」である。両方を併用することも可能だ。MCE 2.0向けには、動作状況を検知するセンサーの有無といったモーターの違いに応じたドライバーや動作確認済みソフト、シミュレーションモデルなどを用意している。そして、制御対象となるモーターを数回まわして動作条件のパラメーターを測り、ソフトを最適化するだけで量産対応できる状態に仕上げることができる。

 もう1つは、ハードの集積である。制御回路を構成する部品を統合することで、部品点数を減らし、機器の小型・軽量化や信頼性の向上、コストの削減ができる。また、サプライチェーンを単純化する効果も期待できる。部品の集積のレベルは3段階ある。最も集積レベルの低い製品「iMOTION Controller」は、ソフト開発の効率化だけに焦点を絞ったコントローラーだけの製品である。そして、ゲートドライバーも集積した製品が「iMOTION Smart Driver」、さらにインバーター向けパワーステージまでを1パッケージに搭載した最も集積レベルの高い製品が「iMOTION Smart IPM」である。

  ルームエアコン向けのファンのモーターを制御する回路をiMOTION Smart IPM構成して、従来のIPM製品を利用する場合と比べると、回路基板の大きさを大幅に縮小できると共に、システムコストを約30%削減できる。IoTへの対応を見据えて、モーター制御にも新しい技術的な要求が突きつけられるようになってきた。Grobe氏は、「モーターの動作状況のモニタリングやセキュリティーの確保など、新しい機能への対応を進めていきます」という。

お問い合わせ
  • インフィニオン テクノロジーズ ジャパン株式会社
    インフィニオン テクノロジーズ ジャパン株式会社

    URL:www.infineon.com/jp