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日経テクノロジーonline SPECIAL

アナログ半導体のリーダーとして顧客の難問解決に挑む

アナログ半導体分野をリードしてきたAnalog Devices社(以下、アナログ・デバイセズ)とLinear Technology 社(以下、リニアテクノロジー)が2017年3月に経営統合を果たし、新生アナログ・デバイセズが誕生した。業界でも話題になった両社の統合は顧客に何をもたらすのだろうか。アナログ・デバイセズ日本法人の代表取締役社長である馬渡修氏と、旧リニアテクノロジーの日本法人を率いてきた望月靖志氏に話を聞いた。

――アナログ・デバイセズとリニアテクノロジーの統合からおよそ半年が経ちました。

馬渡 統合は順調に進んでいます。両社を合わせて、ワールドワイドのお客様は13万社に、製品は4万3000品種に増えました。もともと売上高も利益率も優良な会社同士でしたので、スケールが大きくなったことで、お客様に提案できる価値をこれからさらに高められると考えています。

 企業の文化や仕組みのところでは互いに学ぶことが多く、リニアテクノロジーが持っていたベンチャー気質やスピード感などは、私自身とても勉強になっています。製品などのハード面だけでなく、文化などのソフト面での融合の効果が思いのほか大きいと感じています。

望月 今回の統合によって、アナログ・デバイセズのシグナルチェーン製品とリニアテクノロジーの高性能な電源ICが一つのポートフォリオに揃うことになります。また、リニアテクノロジーは汎用品を多数のお客様に提供してきた一方で、アナログ・デバイセズは各アプリケーション・セグメントのリーダーを中心に革新的なソリューションを提供してきた流れがあります。つまり両社は製品もビジネスモデルも補完関係にあるのが面白いところなのです。X軸とY軸とが組み合わさってより強い提案ができるようになる。私はそこを強調したいと思います。

自動車を中心にシナジーを提供

―― 日本で注力するマーケットや方針に変更はあるのでしょうか。

馬渡 大きな変更はありませんが、オートモーティブ市場は注力分野の一つです。特にリニアテクノロジーは日本のオートモーティブ市場で多くの実績を積んでおり、品質管理への対応力も高いので、そのビジネス基盤を活用しながらさらなる強化を図っていきます。また、FA(ファクトリー・オートメーション)などのインダストリー分野で、アナログ・デバイセズのアナログシグナルチェーンとリニアテクノロジーの電源ICを組み合わせたフルラインアップを提案していきます。もちろん、ヘルスケアやコンスーマなど、日本のお客様が世界をリードしている分野は、本社や他のリージョンからの期待も高く、継続して取り組んでいきます。

望月 オートモーティブ分野では多くの半導体ベンダーがビジネスの拡大を狙っていますので、相手と似たような製品を作ったのでは価格の叩き合いになってしまいます。そうではなくて、例えばセンシングの鮮明度や探知できる距離のように、機能や性能ではるかに上回らないといけません。そこはチャレンジですが、私自身が驚いたほどアナログ・デバイセズは基礎研究を含むR&Dに力を入れていて、さらにソフトウエアの開発拠点も持っています。お客様のニーズが多様化していく中で、先を見据えた解を提供できるところは新生アナログ・デバイセズの強みの一つだと思います。

―― 両社の統合を活かした新たな提案の具体例はありますか。

馬渡 分かりやすい例で言うと、ADASや自動運転に使うミリ波レーダーやLiDARシステムが挙げられます。アナログ・デバイセズは高周波やベースバンドのソリューションを得意とする一方で、センシングシステムに適したノイズの少ない優れた電源ICはリニアテクノロジーが得意としています。両社を組み合わせることでサブシステム全体を実現できて、性能に優れ、設計もしやすく、開発期間も短くできるといったメリットをお客様に提供できるようになります。

拡大するアナログ・デバイセズの事業領域
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顧客の難問の解決に取り組む

―― 先ほどインダストリーにも力を入れていくというお話がありましたが、IoTに関してはいかがですか。

望月 IoTもいよいよ実効につながってくる時期だと思っていますが、集めたデータをAIを使って分析するにも、データに精度があってこそ正しい判断が得られますので、現実世界のアナログ量をいかに正確かつスマートにセンシングするかが重要です。アナログからデジタルに変換するところ、それからセンシングデータをワイヤレスで集めてくるところ、こういったあたりで我々の役割がすごく重要になると思っていますし、IoTの関連技術はオートモーティブなどにも展開していきます。

―― リニアテクノロジーは、古い製品も原則として製造中止にしない、といったスローガンを示してきました。

馬渡 あまり声には出してきませんでしたが、アナログ・デバイセズも製造中止が少ない会社です。産業機器やオートモーティブ、ヘルスケアなど、どの分野でも最低15年は供給保証することが求められていますから、必然的にそうなるわけです。やむを得ず製造中止する場合も、1年以上前にお客様にお伺いを立てると同時に、最適な代替品提案も行っています。

―― なるほど、そこは安心してくださいということですね。最後に、これからの展望をお聞かせください。

望月 実はこれまでも両社のメッセージは一緒だったのです。それは「お客様の技術的難問に対して解を提供し、産業の役に立つ」ということで、互いに文化の違いはありますが、同じスローガンがあるから統合がうまく進んでいるのだと思っています。馬渡とともに、お客様の難問を解決できるよう、これからも取り組んでいきます。

馬渡 新生アナログ・デバイセズが目指すのは高性能なアナログ半導体のグローバルリーダーです。センサー、アナログシグナルチェーン、電源など、アナログのフルソリューションを通じて、お客様のイノベーション実現に役立つサプライヤーになりたいと願っています。「1+1>2」という新たなスローガンの下、統合から多くの価値を生み出せるように努めていきます。

お問い合わせ
  • アナログ・デバイセズ株式会社
    アナログ・デバイセズ株式会社

    〒105-6891 東京都港区海岸1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル10F

    TEL:03-5402-8200

    URL:http://www.analog.com/jp/