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日経テクノロジーonline SPECIAL

Adlink:社会や産業を革新するIIoTの実践技術セミナー

産業用コンピュータや小型コンピュータ基板COMを提供する台湾のADLINKは、2017年9月26日に、秋葉原コンベンションホールにて「ADLINKインダストリアルIoTセミナー」を開催した。同社が提供するインダストリアルIoTの各ソリューションや展望を概説。合わせて、インテル、ソフトバンク、印ZOHO Corporationが、IIoTに対する取り組みをそれぞれ紹介した。

ADLINKジャパン 代表取締役社長
服部幹雄氏

 冒頭でADLINKジャパンで代表取締役社長を務める服部幹雄氏が挨拶に立ち、これまではCOM(Computer on Module)と呼ばれる小型コンピュータ基板をテーマにしたセミナーを2013年から4年間にわたって開催してきたが、実質的に第5回目となる2017年からは、インダストリアルIoTをテーマに据え、セミナー名称も「インダストリアルIoTセミナー」に変更して、ADLINKの新たな取り組み(図1)を説明していきたいと、開催の主旨を述べた。

図1. インダストリアルIoTに対するADLINKのビジョン
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 続く基調講演では、インテルでIoTセールス 北アジア事業開発マネージャを務める安齋尊顕氏が「ソフトウェアデファインドマシンとエッジコンピューティングが開く産業IoTの未来」と題して、同社のIoTに対する取り組みや展望を紹介した。

インテル
IoTセールス
北アジア事業開発マネージャ
安齋尊顕氏

 安齋氏は、「当初はバズワードだったIoTも、センサーやデータ処理のコストが下がったことで価値が生まれるようになりつつあり、データ分析を通じて正確な意思決定や未来予想が可能になってきている」と指摘した。インテルはこうした変化を踏まえて、従来のPCカンパニーからデータカンパニーへと転換を進めており、IoT関連のデバイスやデータ処理向けサーバーに資源を集中しているという。また、IoTが今後自律化へと進化していく過程において、エッジやフォグの部分でのインテリジェント化が不可欠であり、ソフトウェアデファインド(ソフトウェア定義)可能なインダストリアルPCが重要になるだろうと述べた。

 インテルは、FPGA(旧アルテラ)、リアルタイムOS(ウインドリバー・システムズ)、セキュリティ(マカフィー)など、自社が持つ幅広いソリューションの活用と、ADLINKを含むエコシステムパートナーとの協業を通じて、エッジからクラウドまでカバーするテクノロジーやリファレンスプラットフォームを提供していく考えである。

エッジコンピューティングを実現するソリューション

 テクニカルセッションは7件が設けられた。

 まず、ADLINKのJason Ng氏が、「IIoTで実現するスマートファクトリー ~コネクテッド・マニュファクチャリングの実践~」と題して、スマートファクトリーの実現や最適化の障壁となる「接続」にまつわる課題とソリューションを紹介した。同氏は、スマートマニュファクチュアリングの実現には、既存の設備や機器をIoTネットワークにいかにつないでいくかが重要と指摘。ADLINKでは「データ・エクストラクタ」(型番DEX-100)と呼ぶソリューションを提案する。設備の表示器(ディスプレイ)のビデオ信号経路に挿入して、画面に表示されるステータスやアラートをキャプチャし上位に上げる仕組みである。OPC-UAや機器ベンダーのAPIなどの従来手法に比べて設置が容易でデータを補足しやすい点などを訴求した。

ADLINK
Director Boards & Modules
Henk van Bremen氏

 Henk van Bremen氏は「最新のCOMを活用したIIoTシステムの高効率開発手法」と題して、ADLINKの主力事業であるCOM製品について説明した。同社は、業界標準の「COM Express」、「SMARC」、「Qseven」、「ETX」といったフォームファクターのコンピュータボードを幅広く展開しているが、顧客のIoTシステム開発を支援するために、Corebootソースコード、各種OSに対応したBSP(Board Support Package)、デバイスモデルの抽象レイヤー(PICMG Embedded API)、IoTインタフェース(SGeT SDT.04)なども提供する。COMのロードマップとしては、インテルの「Atom E3900」(コードネームApollo Lake)を搭載した製品(図2)などをラインアップしていく。

図2. Intel Atom E3900プロセッサを搭載したCOMの新製品
[画像のクリックで拡大表示]

 Zane Tsai氏からは、「エッジコンピューティングを支えるADLINKの組み込みシステム」と題して、エッジコンピューティングに関するソリューションの紹介があった。インダストリアルPCのラインアップに新たに「MVP」シリーズを追加。また、表示器(ディスプレイ)にCPUを組み込んだ「Smart Panel」も展開中である。合わせて、同社のボードコンピュータやインダストリアルPCに搭載されているシステムマネジメント機能「SEMA(Smart Embedded Management Agent)」の概要も紹介した(図3)。

図3. ADLINKのすべてのボードに搭載されるシステムマネージメント機能「SEMA」
[画像のクリックで拡大表示]

スマートマニュファクチャリングに適するROS2

 ロボット関連の講演は2件で、同社のRyan Chen氏は、「最新ソフトウエア・フレームワーク『ROS-Industrial』をベースにした次世代スマートマニュファクチャリング」と題して、ロボット制御用オープンソースソフトウェアプロジェクト「ROS-Industrial(ROS-I)」が展開する「ROS(Robot Operating System)」の動向と同社の展開について説明した。Chen氏は、スマートファクトリーでのロボットの管理には、マスターノードを必要とするROS1ではなく、マスターノードが不要でいずれかのノードがダウンしても通信を維持できるROS2が適すると説明。また、ADLINKの子会社であるPrismTech社が開発した、ROS2ベースの自走式小型ロボットのデモ動画を見せた。ROS2は2017年12月にROS-Iから正式リリースされる予定である。

 「次世代ロボット向け分散通信基盤『DDS』」についてはPrismTesch社のCasper Wang氏が講演した。DDS(Data Distribution Service for Real-time Systems)は、業界団体のOMG(Object Management Group)が提供するミドルウェアサービスで、分散型通信基盤としてROS2で採用されることが決まっている。PrismTechは同社のデータシェアリングプラットフォーム「Vortex」においてDDSを実装しており、IIoTにおけるリアルタイムデータシェアリングに適すると述べた。合わせてユーザー事例として、仏Thales社の防衛関連機器、富士通の光伝送システム「1FINITY」、米NASAの宇宙ロケット打ち上げシステなどを紹介した。

エッジコンピューティングを通じてIoT時代に貢献

 社外スピーカーによるテクニカルセッションは2件である。

ソフトバンク
法人事業開発本部
コンサルティング推進室 室長
吉田政人氏

 ソフトバンクで法人事業開発本部 コンサルティング推進室 室長を務める吉田政人氏は、「ひろがるIoTの世界とソフトバンクの取組み」と題して、IoTに対する同社の取り組みを述べた。吉田氏は、2016年はIoTで何をやればいいかといった漠然とした相談が多かったが、2017年になってから顧客の取り組みがより具体的になってきていると説明。一方で、IoTは複数の技術レイヤーで構成されていてベンダーが多岐にわたるため、顧客が自分たちだけで取り組むのは難しいとも指摘した。

 ソフトバンクでは「データの価値化」をIoTの本質と捉え、データ収集等に役立つネットワークサービスを展開するほか、今後はセキュリティを含め提供範囲の拡大を目指す。LPWANや5Gを使ったIoTの実証実験も進めているという。

印ZOHO Corporation
Program Head-WebNMS IoT
Karen Ravindranath氏

 ネットワーク管理ソリューションなどを提供する印ZOHO CorporationのKaren Ravindranath氏は、「コネクテッド・エンタープライズを支えるIoTソリューション ~スマートな世界の実現を目指して~」と題して、IoTの統一プラットフォームを実現するネットワーク管理/監視システム「WebNMS」を紹介した。「ManageEngine」などの既存のソリューションは世界12万社以上への導入実績があり、そうした技術力と実績を活用しながらIoT事業の強化を進めていく考えである。

 最後にADLINKジャパンの営業部長であるGeorge Chen氏が挨拶し、「ADLINKはエッジコンピューティングを通じてIoT時代に貢献していく」との展望が示された。

 また、セミナー会場のロビーではテクニカルセッションで取り上げられたADLINKの各ソリューションが展示され、来場者がADLINK説明員に積極的に質問している場面がそれぞれのコーナーで見られた。

お問い合わせ
  • ADLINKジャパン株式会社
    ADLINKジャパン株式会社

    〒101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町3-7-4 ユニゾ神田鍛冶町三丁目ビル4F

    TEL:03-4455-3722(代表)

    FAX:03-5209-6013

    URL:http://www.adlinktech.com/jp/

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