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イノベーションで起死回生を狙う技術者を、確かな先進技術の提供を通じて支え続ける

画像処理や携帯電話のベースバンド処理などに用いる超低消費電力なDSPコアを提供する日本シーバ。応用市場が、ディープラーニングやIoTに沸いた2016年のニーズを敏感にとらえ、対応ソリューションの提供をいち早く始めた。最新技術を今、活用できるかたちで提供できることが、同社の最大の強みだ。日本シーバ代表取締役社長の日比野一敬氏に、2016年のトピックスと、新しい応用市場の創出とさらなる成長が期待される2017年に向けた取り組みを聞いた。

――2016年の状況はいかがですか。

日比野 発表済みの業績を四半期ベースで見ると、過去最高を更新しました。しかも2015年よりも、売り上げベースで17%、利益ベースでは50%以上と伸び幅が大きくなっています。

 新しいお客様へのDSPコアのライセンスでは、画像処理にかかわる案件が順調に伸びました。同様に、製品の数量に応じたロイヤルティー収入も、スマートフォンなどのベースバンド処理向けを中心に順調に伸びました。「iPhone7」に搭載されたベースバンドチップにも採用されています。

――画像処理でのライセンスでは、どのような用途が多いのでしょうか。

日比野 2016年の顕著な傾向であり、最大の成果でもあるのが、ディープラーニングです。画像認識に向けた引き合いが急増し、多くのライセンス先を獲得でき、現在30社近くのお客様で使用されています。当初シーバでは、画像処理用の第4世代DSPコア「CEVA-XM4」を用いたパターンマッチングによる画像認識の応用拡大を目指していました。これが、一気にディープラーニング、具体的には畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた高度で高精度な像認識が求められるようになったのです。応用は、デジタルカメラ、ドローン、アクションカメラ、監視カメラ、先進運転支援システム(ADAS)、多機能プリンターなど多岐にわたり、より認識が困難な環境下でも高い認識率を実現できる性能向上が望まれるようになりました。

 こうした要求にいち早く応えるため、2016年6月には第2世代のディープラーニング・ソフトウエア・フレームワーク「CDNN2」(図1)を、9月には新型のベクトル・スカラ演算ユニットを搭載した第5世代DSPコア「CEVAXM6」を投入しました。CDNNは、リリースの約1年前からお客様に紹介していたので、既にライセンスも始まっています。

図1 シーバが提供するディープラーニング・ソフトウエア・フレームワーク「CDNN2」
[画像のクリックで拡大表示]

今すぐ動くCNNはシーバだけ

――ディープラーニングは、多くのベンダーが競合する激戦になっています。

日比野 確かに、多くのベンダーが、それぞれ強みをアピールした提案をしていると聞きます。しかし、実際に評価できる開発環境をすぐに届けられるのは、シーバだけだと自負しています。既に、デモを見せられる状態にあり、お客様のシリコン上でも動作しています。

 シーバの画像処理用DSPは既に第5世代となり、時間を掛けて画像処理分野での経験を積みました。ここに至るまで大成功した取り組みばかりではありませんでしたが、ニーズを真摯に受け止め、柔軟に対応できる力が養われました。これが、ディープラーニングに、いち早く対応できた理由です。

――競合に対する技術の特徴は。

日比野 ケタ違いに低い消費電力で、高度な画像認識を実現できることです。例えば、ディープラーニングを実装する手段としてGPUに注目が集まっていますが、画像認識では、20Wといった莫大な電力を消費してしまいます。発熱も大きく、空冷は当たり前で、水冷が必要になる可能性さえあります。これでは、組み込み用としては用途が限られます。

 シーバのDSPコアを使えば、同じ機能をGPUの1/5以下に当たる3W程度で実現できます。DSPコアだけならば、200mWにすぎません。加えて、必要とされるメモリーのバンド幅を、認識の精度を落とさず、数十分の1に圧縮する技術も提供しています。もちろん、3Dグラフィックス処理には適用できませんが、画像認識は極めて高い効率を実現できます。

 こうした強みの背景には、DSPコアのアーキテクチャーの潜在能力を引き出すプログラミングツールの存在があります。「TensorFlow」や「Caffe」のような標準的なディープラーニング・フレームワークを活用して、画像認識システムを開発する時、学習したニューラルネットワークの実装先となるコアの特徴に合わせて、プログラムを最適化する必要があります。例えば、32ビット浮動小数点型の技術を採用しているCaffeで開発したプログラムは、CEVA-XM4 に実装できる16ビットの固定小数点型に変換します。シーバが提供するソリューション「CDNN」では、一連の変換をワンタッチで済ませます。

飛躍を狙う日本の技術者を支援

――IoTにも注目が集まりました。

日比野 シーバは、2016年10月にIoT向けプロセッサーコア「CEVA-X1」を発表しました。DSP命令とCPU命令を兼ね備えることで、さまざまな通信方式に対応した汎用性の高いコアです。もちろん、低消費電力化や低コスト化にも貢献できます。LTE CAT-M1(旧eMTC)やCAT-NB1(旧NB-IoT)、将来のFeMTC/5Gに対応できるほか、802.11n/ac、Bluetooth/BLE、Zigbee/Thread、LoRa、SIGFOX、ナローバンド音声、GNSSやセンサーフュージョンなどのハブを構築する際にも利用できます。これまでIoT関連機器では、特定の通信方式の専用チップが採用されることが多かったのですが、これからは複数規格のコンボチップが多く使われると考えています。

――ディープラーニングとIoT、楽しみな材料が多いですね。

日比野 その通りです。2017年は、ディープラーニングのユーザーが、アーリーアダプターから、マジョリティーへと拡大していきます。とても楽しみにしています。また、IoTの応用では、思ってもみなかったような分野で、斬新なアイデアが次々と生まれることでしょう。DSPコアのライセンス供与は、製品開発サイクルの極めて初期の段階が対象になります。どのような応用が広がるのかとても楽しみです。

 お客様と対話していて感じるのですが、日本の電子産業の企業の中に、ここしばらく続いた停滞感を打ち払うべく、起死回生となる斬新な機器開発に取り組む方々が出てきています。こうした志の高い方々の武器となる最新技術を、すぐに利用できる状態でお届けするのが、私たちの使命だと考えています。シーバは、日本の技術者を支え続けていきます。

お問い合わせ
  • 日本シーバ株式会社
    日本シーバ株式会社

    〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-6-5 SK青山ビル3 階

    TEL:03-5774-8520

    URL:http://www.ceva-dsp.com

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