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新たに獲得したワイヤレス製品を生かし IoT 関連市場への展開を加速

2015年3月に旧スパンションとの合併を果たし、製品ポートフォリオや開発リソースの大幅な拡大を図った新生サイプレス。2016年7月にはブロードコムのIoT事業部門を買収し、ワイヤレスコネクティビティ関連のソリューションも強化した。米国では弱冠37歳の新CEOが就任し、次の時代に向けた新しいビジネスモデル構築を進める。日本法人社長の長谷川夕也氏に新生サイプレスの展望を聞いた。

――2016年を振り返ってください。

長谷川 サイプレス全社として大きな変化が2つありました。まず、当社の創業者の1人で創業以来34年間にわたってCEOを務めてきたT.J.Rodgersが退任したことです。新たな時代に向けたビジネスモデルの構築を目指していこうとの考えのもと、プログラマブルシステム事業部の上級副社長を務めていたHassane El-Khouryが37歳の若さで新CEO 兼 社長に就任しました。

 もうひとつがブロードコムのワイヤレスIoT事業部門の買収です。IoT化が加速すると、多くの機器がワイヤレスでつながるといわれていますが、Wi-FiやBluetoothなど、ブロードコムのワイヤレスコネクティビティ ソリューションおよびIP資産が追加されたことは、当社の今後にとって大きな価値があると考えています。

 業績はきわめて好調で、日本市場の売上高は2ケタに近い伸びを得ることができました。

――重点的に取り組んでいる分野を教えてください。

長谷川 新CEOのHassaneが就任後に示した企業方針において、システムレベルでのソリューション提供の強化が掲げられました。会社のロゴのタグラインも、組み込み技術をシステムレベルで提案していこうという意味を込めて「Embedded In Tomorrow」に変更しました。

 マーケットとしては、グローバルには自動車とインダストリアルを2本柱とし、この分野のアプリケーションに対してIoTを横串でカバーしていきます(図1)。

図1 サイプレスのソリューションでカバーするIoTアプリケーション
[画像のクリックで拡大表示]

 一方、日本のマーケットは、IoTセグメントに加え、売り上げの半分近くを占める自動車分野に引き続き重点的に取り組んでいきます。加えて、日本のお客様が得意とするゲーム機分野およびOA機器分野にフォーカスしていきます。

 これら分野に、ワイヤレス関連のソリューションが一層充実したコネクティビティ、マイコン、メモリー、USB、タッチセンサーなど、当社が持っているさまざまな先端テクノロジーを提供していきます。

事業統合でシナジーを生み出す

――旧サイプレスと旧スパンションとのシナジーや、ブロードコムのIoT事業の統合について教えてください。

長谷川 当社は、既に実績のあるIPをプラットフォーム化し、これを活用して最適かつ迅速な製品展開を実現するという設計思想を持っています。新生サイプレスでは、合併後の全製品にもこの設計思想を活用しています。これによりさらに多くの製品が迅速、かつ安定してお客様に届けられるようになりました。

 また、複数の自社工場を保有することで、より選択肢が広がり、お客様のBCP 対応を含め、広がるニーズによりきめ細かく対応できるようになりました。 統合の最大のメリットは開発力の向上です。旧スパンションの強みだった電源などのアナログ技術と旧サイプレスの強みだったプログラマビリティ技術などは補完関係にあります。しかもおよそ500人のソフトウエア・エンジニアを擁することになりました。こうした特徴を強みとして、システムレベル・ソリューションの強化やツール類の共通化を進めています。

 ブロードコムのIoT製品に関しては、「WICED(Wireless Internet Connectivity for Embedded Devices:ウィキッド)」というブランドおよび製品を継承します。加えて、デバイスドライバやライブラリを含むソフトウエア開発環境「WICED SDK」を提供して、お客様のIoTアプリケーションの短期開発を支援していきます。

新しいビジネスモデルを目指す

――長谷川社長は若くして就任したと話題になりました。日ごろどのような考えで経営に当たっていますか。

長谷川 残すべきはしっかり残し、しかしながら、変えるべきは柔軟にかつスピード感をもって実行していくということを常に念頭に置いています。例えば、自動車関連のお客様と、ゲーム関連のお客様では、求められるニーズやスピード感が異ります。そのため、それぞれのビジネス特性に合わせた人材配置や事業戦略を進めています。

 実は本社のCEOに就任したHassaneと私は同い年です。「会社を将来こうしていきたい」と会話する中で、5年後あるいは10年後のビジョンにコミットできることが私たち若い世代の役割という認識で一致しています。HassaneのCEO就任後、「Cypress 3.0」という新しい会社のビジョンを掲げました。

 そこには、目先のビジネスだけではなく、もっと先を見据えて、今までにない新しいビジネスモデルの創出も視野に入れていくことが含まれています。

――2017年の取り組みや業績目標を教えてください。

長谷川 2017年は国内で2ケタ成長を見込んでおり、2020年までに売上高1000億円を目指します。なかでもIoTは、今後大きく成長が見込める市場と考え、ブロードコムから得たワイヤレスコネクティビティをベースに、既存の組み込み技術のシステムレベル提案を加速させます。

 そのなかで重要になるのがシステムレベル提案に不可欠なソフトウエアの人材で、さらなる増強を図ります。

 今後、サイプレスはCypress 3.0という新しいビジョンの下、創業者のT.J.Rodgersが構築してきたビジネスモデルをベースに、新しいサイプレスにふさわしい次の時代のビジネスモデルや価値の創造に努めていきます。

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