• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP
日経テクノロジーonline SPECIAL

独自技術を磨いて生み出した価値ある製品で IoT時代の多様なニーズに応える

高精度なアナログ技術によって設計されたパワーマネージメント製品に強みを持つインターシル。パソコンやサーバー、ディスプレイ、車載など、さまざまな分野で使われている機器の安定動作に向けて、その技術が大いに貢献している。そして、本格的なIoT時代を迎えつつある今、産業機器や通信インフラ機器、医療などへと、応用市場を広げようとしている。同社 代表取締役社長の大久保喜司氏に、2016年の総括と2017年以降の注力製品と取り組みを聞いた。

――2016年の事業状況をお聞かせください。

大久保 2016会計年度 第3 四半期のワールドワイドでの総売上高は、1億3900万米ドル、前年同期比で8%成長しました。応用市場別に見ると、Consumer & Computing(C&C)領域は前年同期比9%、Industrial &Infrastructure(I&I)領域は同8%それぞれ伸びました。特に車載向けで、同16%と大幅に成長しました。売上総利益率は60.7%、営業利益率は25.7%と高い水準を達成しています。

インフラ向け電源製品が成長

――日本市場ではいかがですか。

大久保 日本市場も好調です。2015年から進めてきた代理店との拡販キャンペーンと、新製品の積極的な拡販が実り、新しいお客様を多数獲得できました。C&Cでは、ノート型パソコンのコア電源とバックブースト・チャージャーの拡販によって、2017会計年度は前年比で約40%伸びる見込みです。I&Iでは、サーバーや通信機器などでの電源制御を行うデジタル・コントローラー「DMP」とパワーステージ「SPS」のチップセットが、日本の大手3社のIntel VR13プラットフォーム向けとして採用されました。注力していた電源モジュールでも採用が数社決まりました。これら2製品の売り上げが、I&Iの売上高増加に貢献しそうです。

 一方、車載製品では、インフォテインメント向けを中心に同40%伸びそうです。一例を挙げると、2018年に市場投入される海外の大手自動車メーカー向けのアラウンドビュー・システムへの採用が決定しました。また、RS485などのインタフェース製品も同20%伸びそうです。

――応用市場が拡大していますね。どのような販売戦略を実践しているのでしょうか。

大久保 まず、販売カバレージの拡大と製品戦略を練るうえでの専門性を高めるため、営業担当が注力市場の潜在顧客を中心に積極的に拡販しています。また、主要代理店の営業と技術の窓口との連携も強化しました。

 さらに、新製品の投入からプロモーションまでを迅速化し、日本で実績のある市場だけではなく、産業機器、通信インフラ機器、アミューズメント、事務用複合機、パワーモジュール、医療、計測機器系のトップメーカーへとターゲットを広げて、次世代の主要顧客になっていただく素地となる密な関係を構築しています。

独自の価値を持つ製品を提供

――2017年以降、どのような製品に注力していくのでしょうか。

大久保 2017年は、インターシル設立50周年の年となります。ルーツである航空宇宙産業向け製品を扱っていたRadiation社の時代から一貫して、ほかにはない独自技術を磨いて価値ある半導体を作ることに注力してきました(図1)。現在でも売り上げの20%以上を継続的に研究開発投資に割いています。長い実績と最新の技術開発の成果を生かした、価値ある製品を提供していきます。

図1 インターシルの技術革新の歴史
[画像のクリックで拡大表示]

 まず、ユーザーの電源設計を支援する環境を整備していきます。インターシルでは、デザイン・ツール「PowerCompass」を提供しています。ここは、弊社の製品を、ユーザーの設計事案に合わせて紹介する窓口となります。2017年前半には、機能を強化した最新版を投入するとともに、デジタル電源のパラメータを簡単に調整できる「PowerNavigator GUI」や負荷変動特性などを検証するシミュレーター「iSim Design Tool」との連携を図り、使い勝手と機能を一層向上させます。

 そして、DMPとSPSを組み合わせたチップセットの販売に注力します。「ISL681xx」「ISL691xx」などDMPは、独自技術である「シンセティック・カレント・コントロール」によって、遅延なく個々のフェーズ電流を制御するマルチフェーズ・デジタルDC-DCコントローラーです。急激な負荷変動があっても迅速に追随できるため、通信インフラ機器やデータセンターのサーバーなど、高速動作かつ大電流のアプリケーションを安全に運用する用途に最適です。また、SPS「ISL99227」は、60A電流駆動のパワーステージです。低BOMコスト、省スペースにも貢献します。

――まさにIoT時代の要請に応える製品ですね。

大久保 電源モジュールでは、業界最高レベルの出力電流80Aに対応したPMBus制御のデジタルモジュール「ISL8273M」を推していきます。パッケージと放熱技術の進歩によって高密度のパワー出力を実現した、POL電源への利用に適した製品です。3A対応品から業界最高レベルの80A対応品まで、幅広い製品を取りそろえています。また、本格的な普及が始まったUSB Type-Cに対応した昇降圧バッテリ・チャージャ「ISL9238/A」の需要がこれから高まると考えています。USB3.1 Type-C OTG機能(5V-20V)をフルサポートする製品です。

 車載向けでは、ADASでドライバーに視認性に優れた情報を提示するレーザー・ヘッドアップ・ディスプレイに向けた高速4チャネル・レーザー・ダイオード・ドライバー「ISL78365」に期待が掛かります。この応用で車載対応にできているのは、インターシルだけです。RGBの中で、輝度が低くなりがちなGを駆動するチャネルを増やすなど、応用を熟知したうえでの工夫を盛り込んでいます。また、欧州のハイブリッド車で採用される48Vシステムに向けた6相双方向PWMコントローラー「ISL78226」の販売にも注力します。

――お客様に向けてメッセージをお聞かせください。

大久保 ご存じの通り、弊社はルネサス エレクトロニクスとの事業統合に向けて動いています。スムースかつシナジー効果を最大化させる統合を目指して、取り組んでいきます。事業統合後も変わらず、製品の供給と新製品の開発を続けてまいります。引き続き、ご愛顧いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

お問い合わせ
  • インターシル株式会社
    インターシル株式会社

    〒108-0073
    東京都港区三田3-11-36 三田日東ダイビル6 階

    TEL:03-5439-2311

    URL:http://jp.intersil.com/en.html