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幅広い製品を強みに車載とIoTに攻勢 アプリケーションレベルでの強化も図る

車載半導体における30年の実績を基に、クルマのデジタル化および電動化に向けた取り組みを強化しているSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)。また、32ビットマイコンSTM32シリーズや各種のMEMSセンサーをはじめとした業界随一の幅広い製品ラインアップを強みに、IoTアプリケーションに必要とされる広範なデバイスを提供していく。これまでの日本と韓国に加え、中国を含むアジア全体を統括するようになったマルコ・カッシス氏に聞いた。

――2016年のビジネスを振り返ってください。

カッシス 2016年第3 四半期(2016年7月~9月)の売上高は前期比で5.5%成長し、売上総利益率も増加しました。第4 四半期は、さらなる成長が期待され、全体的には上期から下期にかけて成長基調にあると見ています。地域別では、私が担当しているアジア・パシフィック地域の伸びが最も大きく、第3 四半期の売上高は前期比で12.7%、前年比で5.6%増加しました。また、日本の業績は、自動車関連をはじめ、良好に推移しています。

 全社的には第1四半期に製品事業の再編を行い、車載半導体とパワー製品、アナログとMEMSセンサー、汎用マイコンとデジタルASIC、イメージング製品の4部門に分けて、それぞれでシナジーを狙います。また事業地域に関しても、日本・韓国とグレーターチャイナ・南アジアを統合しアジア・パシフィック地域を新設。アメリカ地域、欧州・中東・アフリカ地域の3地域に再編しました。特にアジア・パシフィック地域は、全社売り上げの59%(2016年第3 四半期)という最大の売り上げを持つ地域ですので、極めて重要であると認識しています。

――注力している分野は。

カッシス 年初に「スマートドライビング」および「IoT」という2分野に注力するという戦略を発表しました。スマートドライビングは、「Safer」「More Connected 」「Greener」を実現する技術に注力します。一方のIoT では、「Smart City」「Smart Home」「Smart Industry」「Smart Things」といった分野に取り組んでいます。

「Smart-X」とも総称できるこれら分野に関連する半導体の市場規模は、市場全体の50%を超える1500億米ドル規模に達すると予想され、市場平均に比べて成長も速く、当社の強みや成長戦略にも合致します。

スマートドライビングとIoTに積極展開

――最初にスマートドライビングに対する取り組みをお聞かせください。

カッシス ご承知のとおりクルマのデジタル化と電動化が急速に進んでいます。この背景には交通事故の撲滅やCO2排出の削減を目指す社会的な要請があり、半導体市場はますます拡大していくでしょう。

 STは、高度運転支援システム向け半導体でトップシェアを獲得しており、先進的なFinFET技術を採用した画像処理プロセッサーの共同開発をMobileye社と進めています。レーダー用ICでは長距離用製品を新たに加えて製品群を強化しました。さらに、Autotalks社とは、車車間・路車間通信用ICを共同開発しており、STの衛星測位技術と融合させたソリューションも発表しました。

 また、電力損失がIGBTに比べて約1/4と小さいSTのSiC(炭化ケイ素)パワーMOSFETにも注目が集まっており、ハイブリッド自動車や電気自動車に使用すれば、同じ容量のバッテリーで走行距離を20%も延ばすことができます。STのSiCパワーMOSFETは、接合部温度が200℃で、機電一体型の車載システムに向けた新たな一歩になっています。

 STは、製品の優位性、自動車市場の経験とノウハウ、業界トップクラスのシェア、グローバルな自社生産体制による安定した供給継続性などの特長を生かしながら、取り組みを強化していきます。

図1 マイコンや各種センサー、通信用IC、モータードライバーで構築したスマートホームのデモ
[画像のクリックで拡大表示]

――IoTはいかがでしょう。

カッシス これまでSTは、マイコン、センサー、通信IC、アナログICなど、幅広い製品ポートフォリオを展開してきました。以前は対象分野が広すぎると指摘されることもありましたが、IoTの時代になり、このポートフォリオの広さが、強みとして認められるようになりました。

 ARM®ベースの低消費電力・高性能32ビットマイコンSTM32ファミリ、幅広いセンサー群(モーション、環境、測距)、さまざまな規格に対応する通信IC、セキュアICから、アナログIC、パワー製品までを広範に取り揃えています。IoT機器の主要機能の多くを、当社製品を適切に組み合わせるだけで構築することができます。

 さらに、開発リソースが限られているお客様でも、簡単かつ速やかに低コストでシステム開発ができるよう技術サポートにも力を入れています。STM32 ODEと呼ばれる開発環境もそのひとつで、STM32を搭載したマイコン開発ボード「Nucleo」(29 種類)、各種センサーや通信ICなどを搭載した拡張ボード「X-Nucleo」(29種類)、ソフトウェア開発ツール「STM32Cube」を継続的に拡充しています。11月に出展したET2016では、STM32の開発環境を駆使し、より安全で快適なスマートホームのデモを実演しました。

イノベーションを顧客価値に変換

――2017年の展望を教えてください。

カッシス 2017年はここ数年のさまざまな取り組みが具体的な成果として結実すると期待しています。重要な日本市場では、既存顧客との関係強化だけでなく、マスマーケットへの展開をこれまで以上に拡大したいと考えており、アプリケーションレベルでのサポートをさらに強化していきます。また、32ビットマイコンのプレゼンスを今まで以上に高めていきます。これにより、マイコンと組み合わせて使用される製品のビジネス創出につながると期待しています。

 STはイノベーションをお客様の価値に変えることを目指し、安定した経営を背景に、研究開発への投資を継続して行ってきました。日本のお客様から信頼していただいているのもその証と考えており、感謝を申し述べたいと思います。これからもイノベーションに努め、さまざまな製品やソリューションを通じて、さらに信頼される企業を目指していきます。

お問い合わせ
  • STマイクロエレクトロニクス株式会社
    STマイクロエレクトロニクス株式会社

    TEL:東京:03-5783-8200 大阪:06-6397-4130 名古屋:052-259-2725

    URL:http://www.st.com