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優れた製品を提供するのは大前提、 お客様が市場を勝ち抜く解を共に創りたい

高性能なアナログ半導体と組み込みプロセッシングを中心に、約10万種類の製品を保有するテキサス・インスツルメンツ。その豊富な品ぞろえを駆使した使い勝手のよいソリューションと、使い手の目線に合った技術支援体制を生かした、どこにもまねできない提案力を誇る。その強みは、自動車、産業機器、医療、農業など多様な分野で本格化するIoT活用で真価を発揮しそうだ。同社日本法人 代表取締役社長の田口倫彰氏に、2016年の事業状況と今後の展望を聞いた。

――2016年の事業状況は。

田口 2016年第3 四半期のワールドワイドでの総売り上げは、前年同期比で7%成長となりました。応用市場別に見て、注力している車載分野と産業機器分野が成長を牽引した点は、好材料です。特に車載は、ここ数年2ケタ成長を続けています。かつてのTIは、民生機器での売り上げが大きな割合を占めていました。現在では、車載と産業機器の合計が、総売り上げの約半分を占めています。

 自動車と産業機器は、いずれも世界をリードする企業が日本に数多くあります。世界市場で通用する製品やサービスを生み出すうえで、日本市場には大きな価値があります。

顧客目線での支援体制を整備

――車載と産業機器では、市場特性が大きく異なるように思えます。

田口 その通りです。車載は、上位メーカーの占有率が高く、焦点を絞った顧客開拓や製品開発が重要で、技術支援も顧客に近い場所できめ細かく対応する必要があります。それに対し産業機器は、お客様の応用分野と扱う機器が多様で、幅広い品ぞろえが欠かせません(図1)。さまざまな技術支援要請に応える体制も求められます。こうした市場特性の違いを把握し、戦略的な顧客開拓、製品開発、技術支援を行っていることが、功を奏しています。

図1 テキサス・インスツルメンツの産業機器向け分野の主要注力市場
[画像のクリックで拡大表示]

 例えばTIでは、数年前からサポート拠点の展開を、ワールドワイドな規模で積極的に推し進めてきました。世界中に業界最大の170カ所以上、日本にも9カ所あります。各拠点のチームの半数がフィールド・アプリケーション・エンジニア(FAE)であり、お客様の近くで技術的な課題を共に解決します。

 一方、オンラインでの情報提供サービスの充実・拡大にも継続的に取り組み、24時間、365日、どこからでもTIのサポートを受けられる体制を整えています。オンラインでのサポート依頼やデータシートのダウンロードの件数は、昨年比で20%増加しました。とても手応えを感じています。

――約10万種もの製品を持っているわけですから、その活用を促すのにも工夫が必要になりそうです。

田口 迅速かつ確実に機器を開発するためのリファレンスデザイン・ライブラリ「TI Designs」の充実に注力しています。既に産業機器向けだけで約1600種類用意しています。BOM、回路図、シミュレーションデータ、テストデータ、基板のレイアウトデータ、設計ガイドなど、開発に必要な情報をパッケージ化して公開しています。回路動作は、シミュレーションで確認済みであり、設計案として安心して利用できます。

 機器に欠かせない要素機能でも、機器の差異化に直結しない非競争領域の機能が多くあります。TI Designsを、こうした部分に活用することで、お客様には競争領域での開発に集中していただくことができます。

IoT時代の要請に応える

――IoTの活用が、車載と産業機器でも盛んに検討されています。

田口 IoT関連の応用を広げるためには、TI Designsのさらなる充実と、エコシステムの整備が欠かせません。

 2016年にセンサーを活用するTIDesignsの数を、前年比で約2倍に増やしました。振動や温度などを検知するセンサーを、プラント設備のモーターやファクトリーオートメーション機器に搭載し、故障の予知保全などに利用することを想定したものです。産業機器メーカーがIoTを活用する目的は、収集したビッグデータを分析して価値の高いサービスを提供することにあります。IoTシステムのハードやソフトの開発の省力化を支援します。

 さらに、10種類のセンサーとBluetoothを搭載した「センサータグ」を開発し、オンライン・ストアで販売しています。スマートフォンから、温度、照度、加速度、角速度などの推移をリアルタイム監視できる製品なのですが、大ヒット商品となり、IoTの活用法を検討したい多くのお客様を獲得しました。また、収集データを分析する仕組みを提供するクラウドパートナーも増やしています。クラウドパートナーである富士通のIoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud ServiceK5 IoT Platform」など、全世界で46社のベンダーと連携しています。

――2017年以降の目標は。

田口 アナログと組み込みプロセッシングの売り上げが占める割合を、さらに高めます。ひとつの製品で広範な応用をカバーすることで、特定市場の市況に左右されない、強靱な事業体制を構築します。お客様にも、タイムリーな供給体制と万全のBCPを提供できます。

 また、これから注力したい製品もいくつかあります。まず車載分野に向けて、高精細な画像データを遅延なく伝送するSer/Des「FPD-Link Ⅲ」の販売増に期待しています。現在のクルマは、安全運転に向けたドライバー補助や制御に画像データを利用するようになりました。安全性を確かにするため、この製品のリアルタイム性が生きます。

 加えて、パワー半導体にも注力していきます。例えば、2016年に、動作電圧600VのGaN FETとドライバーICを集積した新製品を発表しました。FETとドライバーICの間の配線に気を使わず利用できる使い勝手のよい製品で、GaNの潜在能力を最大限引き出せます。シリコン製品を置き換えて、発熱と消費電力の少ないロボットなどへの応用を期待しています。

――お客様に向けてメッセージをお聞かせください。

田口 半導体メーカーであるからには、優れた半導体製品を提供することは大前提です。でも、それだけでは足りないと考えています。TIは、開発期間の短縮、コストの削減に貢献できるサービスを通じて、お客様が市場での競争に勝ち抜くためのシナリオを提供していきたいと願っています。幅広い品揃えの製品と、サポート拠点、オンラインを通じて、ぜひTIの力を使ってください。

お問い合わせ
  • 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
    日本テキサス・インスツルメンツ株式会社

    〒160-8366
    東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル

    TEL:03-4331-2000

    URL:http://www.tij.co.jp/