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日経テクノロジーonline SPECIAL

第2黎明期を迎えた半導体産業の将来は

半導体の微細加工技術、ノイマン型コンピューターといった半世紀にわたって電子産業を支え続けてきた基軸技術の効能に陰りが出てきた。半導体産業は、電子産業のさらなる成長を支える革新的基軸技術を生み育てる第2の黎明期の真っただ中にある。どんなに強大な力を持った企業でも、1社だけでは新時代を切り開くことはできない。時代の要請に応えるグローバルコンソーシアムの躍動に期待が集まっている。

 IoTや人工知能(AI)の利用の本格化、そして自動運転の実現など、これから電子産業が取り組むべき技術開発のテーマは数多い。そこでは、こうした応用の実現を支える新たな半導体技術の登場が渇望されている。

時代は新しい基軸技術を求めている

 現在の半導体産業では、これまでの進化軸の延長上にとどまらない、革新的基軸技術の登場が求められている。ムーアの法則を裏付ける微細加工技術、あらゆるIT機器の基本原理であるノイマン型コンピューター。IoTやAIをフル活用する時代では、こうした従来の基軸技術に代わる技術が必要なのだ。

 その開発と実用化には、世界の半導体産業のトップ企業や先進的技術を保有する大学が共創し、自由闊達に新時代を切り開くグローバルでオープンな場が欠かせない。ただし、各社の事業の源泉となる知見や知財を無条件にさらした状態では共同開発できない。本気の共創を進めるためには、各社の利益を守るクローズな部分も必要だ。

 オープンとクローズ、二律背反する要請のバランスを取りながら、世界では様々なかたちのコンソーシアムが生まれ、多くの成果を上げている(下の表)。

 例えば、ベルギーのIMECでは、ASML社のEUV技術による世界最先端微細加工技術を核にして、次世代半導体プロセスの開発で数々の成果を上げている。また、米ニューヨーク州のAlbany Nanotechでは、IBM社の技術資産を核にして高性能LSIの開発を進めている。日本でも、つくばのTIAにおいて、新材料の潜在能力を引き出すナノテクノロジーを開発している。各コンソーシアムの目的は似ているが、それぞれの機能には違いがある。

東北で世界のイノベーションを牽引

 そして、時代の要請に応える、新たな機能を持ったもうひとつのコンソーシアムが日本にある。東北大学に拠点を置く「国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)」である。

 MIRAIやASPLAなど、これまでにも日本の半導体産業の再興を目指して、数々のコンソーシアムが生まれ、消えていった。こうした過去の日本のコンソーシアムとCIESの決定的な違いは、日本企業のみならず、世界のトップ企業が続々と集まっている点にある。それは、CIESでは、世界の半導体産業が直面している技術的課題のブレークスルーを探ることを目的としているからだ。日本の半導体産業の再興だけが目的ならば、世界中から企業が集まるはずがない。

 さらに、従来の大学との共同研究とは異なり、CIESの参加各社は、東北大学が運営する世界レベルの300mmウエハー対応プロセスラインを駆使しながら、将来の自社ビジネスの柱となる技術を本気で開発している。IMECやAlbany Nanotechと並び使い分けられるコンソーシアムであると、世界がCIESを認めているのだ。

 CIESは、2016年の取り組みと成果を報告する「3rd CIES Technology Forum」を、2017年3月21日と22日、東京駅に隣接するステーションコンファレンス東京で開催する。ここでは、次の時代を支える半導体技術の脈動を感じることができるだ ろう。(日経エレクトロニクス企画チーム)

半導体関連技術を扱うコンソーシアムの特徴
[画像のクリックで拡大表示]

世界の半導体産業のトップ企業は今、なぜ東北に集結しているのか
――東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)センター長 教授 遠藤哲郎氏