• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP
日経 xTECH Special 日経 xTECH 日経 xTECH Special

税公金滞納に関わる口座照会事務を変革する画期的ソリューション

税公金の滞納者に関する預金口座の照会や差し押さえに関わる業務は、かねて自治体においてITを活用した合理化が切実に求められてきた領域の1つだ。金融と行政、双方の分野でビジネスを展開してきた日本ATMが提供する「預貯金照会ソリューション」は、まさにそうした要請に応えるものであり、同業務に携わる作業負荷の軽減、コスト削減に寄与するものとして大きな注目を集めている。

日本ATM株式会社
地域創生本部 創生事業企画部 部長
田島定尚 氏

 政府が打ち出す「デジタル・ガバメント」構想のもと、自治体においても、住民サービスの向上や庁内業務の効率化を念頭に置くかたちで、デジタル技術の活用を前提に、行政の仕組みそのものの見直しを図っていくという取り組みが急加速で進んでいる。そうした中で、多くの自治体において、デジタル化により速やかに合理化を進めるべき業務領域の1つとして捉えられているのが、税公金滞納者に関する預金口座の照会や差し押さえをめぐる業務である。

 現在のところ自治体では、住民税などの滞納者について、銀行など金融機関に問い合わせを行い、当の住民が保有する口座の有無、取引状況などを調査し、必要に応じて差し押さえを実行するという手順で処理を行っている。

 「ところが、そうした口座の照会業務は、ほとんどのケースで自治体と金融機関の間での個別の協定などに基づいて、基本的には紙ベースで、書面を郵送でやり取りする方法で行われています。加えて、そこでの書面の仕様も、自治体ごと、金融機関ごとにばらばらで、そうした処理が、自治体にとっても、また金融機関にとっても、コスト面を含めて業務上の大きな負荷となっている状況です」と日本ATMの田島定尚氏は指摘する。

金融・行政の双方にまたがる
豊かなノウハウに基づく新サービス

 こうした課題の解消に向け、日本ATMでは「金融・行政 共同BPOソリューション」として、「預貯金照会ソリューション」を提供する。

日本ATM株式会社
地域創生本部 創生事業企画部 課長
岡本ゆかり 氏

 日本ATMは、銀行など金融機関の本支店や出張所に設置されたATM(現金自動預け払い機)の監視・運用サービスを提供するベンダーとして知られており、国内に設置されているATMの半数以上が同社のサービスをベースに運営されているという実績を持つ。また同社には、そうしたサービスを通じて築いてきたノウハウに基づき、自治体など行政のコールセンター業務を請け負うアウトソーシングサービスを展開してきたという経緯もある。

 日本ATMの預貯金照会ソリューションでは、これまで各自治体が個々の金融機関に対し行ってきた口座照会業務を一括受託する。それによって自治体は、LGWAN-ASPとして提供されるサービスを通じて、同サービスに登録されている金融機関すべてに対する照会業務をワンストップで行えることになる。「サービスの立ち上げに向けて当社では、かねてこの業務のオンライン化を阻んできた、問い合わせ・回答フォーマットの標準化、さらには法制上の問題のクリアなど、様々な課題の解決に取り組んでいます」と日本ATMの岡本ゆかり氏は言う。

各金融機関への口座情報照会業務を
オンラインで一括して行える

 同ソリューションでは、具体的に「口座確認」「取引明細取得」「差し押さえ予約」という3つのプロセスをサポートしている。口座確認について、まず自治体はLGWANに接続された端末で日本ATMのサービスにアクセスし、滞納者の氏名、生年月日、住所をキーに、その保有する口座の有無、および該当する口座があればその残高を各金融機関に照会。同サービスは、問い合わせ内容を金融機関ごとに仕分けして、問い合わせ情報をファイル化し、IP-VPN経由で各金融機関に送信する。

 ファイルを受け取った金融機関側では、勘定系システムにアクセスする仕組みを通じて、該当する口座情報の抽出が行われ、その結果が日本ATMのサービスへと返信される。サービス側で自治体ごとの仕分けが行われた後、自治体から画面上で照会結果を確認できるようになるという流れだ。また、取引明細取得についても、同様のフローによって、口座確認において特定された口座に関する直近の取引状況を、自治体側で速やかに確認することが可能である。

 一方、差し押さえ予約に関しては、もともと自治体職員が対象となる口座が開設されている金融機関の支店に実際に赴き、差し押さえ通知書を提示して行っていた処理を効率化するための機能である。現状、差し押さえの実施は、金融機関が通常の窓口業務を行っている時間帯でなければ受け付けられないという制約がある。金融機関側は差し押さえ通知書が持ち込まれてから、1件1件口座の残高や反対債権の有無等を確認するため、実行されるまでに時間を要する。加えて、差し押さえの依頼は給料日である20日前後に集中するので、金融機関の窓口業務を逼迫することになる。

[画像のクリックで拡大表示]

 本サービスは、自治体が該当する金融機関に対して、差し押さえ予定の情報を事前に送り、金融機関側での準備を可能とし、差し押さえ当日にスムーズな対応が行えるようにするものである。差し押さえ自体は差し押さえ通知書の到着をもって行われるが、事前に準備を行うことで、自治体・金融機関双方の拘束時間を削減でき、差し押さえを迅速化する。

 「取引口座の確認の回答が翌日に得られるようになれば、どれだけ滞納整理業務が楽になるかはご想像いただけると思います。結果的に滞納者の保護にもつながるものです。書面でのやり取りには、郵送費、管理費以外にも見えないコストがかかっており、セキュリティの問題もあります。近い将来、紙での運用が無くなる時代は必ず来ます」と岡本氏は自然体で語る。

 日本ATMでは、こうした預貯金照会ソリューションの提供に向けた準備を現在、着々と進めており、2018年7月にはサービスの利用を予定する自治体、金融機関を巻き込んでの実証を行い、10月にはサービスの本番提供をスタートさせたいとしている。

 「すでに数多くの自治体様、金融機関様から多大な関心を寄せていただいており、そうした中で、業務効率化やコスト削減の観点ばかりではなく、税制度における公正性の担保に寄与する革新的ソリューションになり得るものという評価も頂戴しています。自治体の皆様には、ぜひご期待いただければと思います」と田島氏は胸を張る。

お問い合わせ