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日経テクノロジーonline SPECIAL

「Cypress 3.0」を実践する体制は整った「Auto」「IoT」「Type-C」で独自の価値を提案

クルマのクラスター表示や車載コネクティビティーなどを支える半導体ソリューションを提供するサイプレス セミコンダクタ。Spansion社やBroadcom社のIoT部門との事業統合が順調に進み、より価値の高い製品やソリューションを提供できる体制が整った。足元の業績は好調。2017年11月に日本法人 代表取締役会長に就任した布施武司氏に、2018年の展望について聞いた。

―2017年の事業状況は。

布施:サイプレス全体として、第3四半期(7~9月)の売上高は約6億500万米ドルで、年間推定は23億米ドル規模になるとみています。これは当初見込みを大きく上回るものです。特に、IoT 関連製品の売り上げが大きく伸びています。この分野では、2016年にBroadcom社から取得した事業(Wi-Fi、Bluetooth、それらのコンボチップ)やUSB Type-C製品が急成長しています。

 車載分野は、前半が特に好調でした。需要が旺盛で受注残が多く、もどかしい状況が続きました。ただし夏以降、世界的な情勢の変化と反動で、調整局面に入りました。タッチコントローラーが欧州の高級車に搭載され飛躍的に成長しました。さらに、先進運転支援システム(ADAS)向けカメラなどの搭載率が高まり、関連製品の販売が順調に伸びました。加えて、分野を問わず、シリアルとパラレルのNOR型、NAND型などメモリーの販売が急増しています。

車載マイコンが大きく飛躍

―2018 年以降、車載分野の見通しをお聞かせください。

布施:市場は、地政学的なリスクは引き続き要注意ですが、堅調に推移すると思います。足元は調整期に入っていますが、2018年車両の生産台数が成長基調に戻るとみています。歴史的に見ても、自動車市場は長期的には2.3%のペースで成長し、リーマンショックのような突発的出来事で局所的に大きく変動します。ADAS、車載コネクティビティー、ディスプレイなどの分野は、より高度な技術の実装率が高まり、順調に伸びると考えています。

 サイプレスの売り上げの3割強が車載であり、そのうちの約6割を日本が占めています。車載コネクティビティーでは、トップOEM企業の多くで当社製品を採用いただいています。2018年前半には、スパンション時代に開発した製品が組み込まれているプラットフォームを搭載したクルマの量産が本格化します。クラスター向けには、車載マイコン「Traveo」の採用も進んでいます。一度プラットフォームに採用されると10年近く需要が継続するので、これからが楽しみです。

 2018年には、新マイコンファミリーとして「Traveo Ⅱ」を発売します。この製品には、「Arm Cortex M7」または「Arm Cortex M4」を搭載します。これまでのTraveo シリーズは「Arm Cortex-R5」を搭載していましたが、さらにスケーラブルで高性能なコアを採用することでさらに需要も高まり、クラスター市場シェアもこれまでの38~40%よりも大きくなるとみています。

―Traveoのどのような部分が高く評価されているのでしょうか。

布施:1つはスケーラビリティーです。ピン互換で、ローエンドからハイエンドまでカバーできます。同じボードで、さまざまなクラスのクルマに対応できます。また、Traveoは、外付け部品なしで、クラスターに搭載される大画面から小画面まで対応できます。

―EVシフトが話題です。

布施:EVでは、ディスプレイの構成などが変わってきます。これまでとは異なる仕様のタッチコントローラーが求められるようになるでしょう。また、2次元的なマルチタッチ操作がフォース、ジェスチャーを伴う3次元的な操作に変わります。2018 年早々には、タッチパネルコントローラーの次世代製品も投入する予定です。車載システムを、スマートフォンを使う感覚で使用できるようになります。加えて、一部の日本のOEMにEV向けモーターコントロール製品を納入しており、ここも順調に伸ばせると考えています。

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図 サイプレスの車載用システム・ソリューション

Auto、IoT、Type-Cに注力

―今後、どのようなアプリケーションに注力するのでしょうか。

布施:サイプレスは、「産業」「民生」「車載」と3つの柱でビジネスを展開しています。最近、当社CEOのHassane El-Khouryは、製品の視点から「Auto」「IoT」「USB Type-C」に注力することを表明しています。

 Autoでは、ボディー制御やクラスター、セーフティー、コネクティビティー、そして、洗練されたHMIに注力します。IoT ではIEEE 802.11ac、RSDB(Real Simultaneous Dual Band)に、USB-CではPower Deliveryに注力します。これらの製品は、優れたアナログ技術がなければ作れません。サイプレスはユニークなIPにおいて、業界をリードするポジションにいるとお客様からも認知されています。

 さらにサイプレスは、システムを構成するさまざまな製品を保有しています。注力製品を中心に、システムレベルでのソリューションの提供を推し進めていきます。お客様が抱える問題を解決する、他社ではできない解を提供できることをアピールしていきます。

―どのようなシステムソリューションを提供していくのでしょうか。

布施:例えば、車載マイコン「TraveoⅡ」ではAUTOSARにきっちりと対応していきます。さらに、セキュリティーや機能安全などへの対応を見据えて、ソフトウエアを無線通信で更新するOTA(Over The Air)に向けたフラッシュと組み合わせたソリューションを他社に先駆けて投入しています。

 IoTでも、コネクティビティーが要求される部分には、当然マイコンも使うことになりますから、低消費電力マイコン「PSoC」を組み合わせて使うメリットも訴求していきます。PSoCは、開発環境がユニークです。GUIで回路図を描くだけで求めるハードが実現できるため、短い期間で製品開発が可能です。IoT 端末をクラウド上にワイヤレス接続するまでの相互接続性やソフト開発を支援するIoT 向け開発プラットフォーム「WICED(Wireless Internet Connectivity for Embedded Devices)」も、開発期間の短縮に大いに貢献することでしょう。

―お客様にメッセージを。

布施:スパンションとサイプレスが統合して2年半が経過し、これまでビジネスの「インテグレーション」「多様化」「グローバル化」にまい進してきました。描いていた姿に、着実に近づいていると感じています。2018年は、先を見据えた今までにないビジネスモデルの創出を目指す「Cypress 3.0」を本格的に展開していくことになります。強みを生かした製品やソリューションを続々と投入していきます。ぜひ、ご期待ください。

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  • サイプレス セミコンダクタ
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