• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP
日経テクノロジーonline SPECIAL

産機向け市場は階層型からノード型へTIは時代が求めるサービス・プロバイダーとなる

日本テキサス・インスツルメンツ(TI)が、日本市場での車載や産業機器に向けたシステムソリューションの提供で着実に実績を積んでいる。アナログや組み込みプロセッシングなどでの技術的な強みとともに、顧客のニーズをきめ細かく把握し、的確な提案を行うサービス体制の充実が奏功している。同社 代表取締役社長の田口倫彰氏に、2017年の事業状況と2018年以降の展望を聞いた。

―2017年の事業状況は。

田口:2017年第3四半期の売上高は、前年同期比12%増の約41億1600万米ドルでした。主力のアナログは16%増、組み込みプロセッシングは17%と力強く伸びました。

 応用別に見ると、車載分野では、ナビゲーション、インフォテインメント、クラスター関係が好調で、加えて先進運転支援システム(ADAS)関連が急成長しました。一方、産業機器分野では、設備更新によって市場が活性化したファクトリー・オートメーション(FA)関連の伸びが目立ちました。

―日本でのビジネスはいかがですか。

田口:TIにとって日本は、TIが重視し、成長著しい車載、産業機器の分野をリードする企業が数多く存在する重要な市場です。現在、TIの売り上げの約半分を車載と産業機器向けで占めています。

 そして、世界の自動車メーカーのトップ10のうち、4社が日本企業です。産業用ロボットでも、同様に半分以上を日本企業が占めています。日本には、TIの未来を支えるビジネスが数多くあるといえます。このため、日本のOEMや産業機器メーカーとのお付き合いを広げ、深めるべく、TIは全社を挙げて努めています。

 車載、産業機器といったブロードな市場で、多くのお客様にいかに満足していただくかが、私たちの最大の課題です。

直接OEMと対話して製品開発

―車載では、お客様とどのような関係を築こうとしているのでしょうか。

田口:現在、日本のOEMは、実用化を目指した自動運転技術の開発にまい進しています。私たちは、ティア1と連携して、よりよいソリューションを、いち早く提供することに注力しています。近年、OEMとティア1、そして私たち半導体メーカーなどティア2が、直接対話し、これまで以上に密接に連携していくようになりました。これまでは、OEMからティア1へ、ティア1から半導体メーカーへと話が伝わり、それからカスタムチップを開発すると完成するまで3、4年を費やしていました。今では、将来を見据えたクルマのコンセプト段階から情報共有し、OEMの意図を汲んだ技術をより早く提案できるようになりました。

―車載向けや産業機器向けでは、どのような技術を提案するのですか。

田口:車載においても、産業機器においても、安全を担保するための技術の 重要性がより高まっています。こうした中でセンシング技術は非常に重要で、TIではさまざまなセンシング技術を提供しています。特に5~10年先を見て研究開発を行う組織、キルビーラボの成果から生まれたCMOSミリ波レーダーを車載、産業機器分野向けに提案しています(図)。76G~81GHzのミリ波センサーをCMOSで作る技術を独自確立し、これまで外付けしていたトランシーバー、レシーバー、RF、アナログ、A-Dコンバーター、プロセッサーを1チップ化した製品を開発しました。バンパーの中や車内に埋め込むことで、車間距離やドライバーの居眠りなどを検知するセンサーシステムを、小型・軽量・低消費電力・高信頼にできます。

[画像のクリックで拡大表示]
図 車載から広範な応用が広がるCMOSベースのミリ波センサー技術

生産システムの進化を後押し

―生産設備は日本が強い分野です。

田口:現在、工場の生産システムの構造が、大きく変わりつつあります。これまでは、経営システムを頂点として、工程管理システム、PLC、アクチュエーターやセンサーへと広がる階層型の構造を取っていました。これが、工場内の装置がノード化し、生産品目の変化に応じて、自律的にプロセスやステップを変える「サイバー・フィジカル・システム(CPS)」へと移りつつあります。TIは、こうした生産システムの変化を後押しする製品を提案します。

 まず、ノード間をつなぐフィールドバスや産業用Ethernetを柔軟に構成できる製品を用意しています。産業用通信では、数多くの規格が併用されており、それぞれの規格に対応したプロトコル処理を実行するASICやFPGAを各ノードに搭載する必要がありました。TIが提供する産業用通信プロセッサー「Sitara™プロセッサ」は、1チップで複数の通信プロトコルに対応でき、BOMコストの削減に貢献することができます。

 また、「IEC 61131-9」として標準化された「IO-Link」というPLCとセンサーやアクチュエーターなどをつなぐインターフェースに対応した、世界最小クラスのサージ保護内蔵トランシーバーも投入しました。これまで3本のケーブルが必要だったノード間の接続が、1本で済むようになります。

ブロード市場に即した事業体制

―2018 年、TIはどのようなことに注力するのでしょうか。

田口:半導体ビジネスは、ブロードマーケットの多様な応用が合わさって大きな市場を形成する時代へと変わりました。半導体を消費する地域も全世界に広がっています。そして、半導体メーカーには、単によい製品を作るだけではなく、サービス・プロバイダーとしての機能が求められています。

 時代の要請に応えるため、TIは、多様なニーズを迅速かつ正確に把握し、的確に対応できる体制を、きっちりと固めていきます。今、ウェブサイト機能の充実を図り、求められる情報やサービスをタイムリーに提供できる環境を整えています。ここで、お客様のニーズをまずしっかりと把握していきます。さらに、技術営業が半導体だけではなく、お客様のシステムを熟知して技術提案ができるように取り組んでいます。サイトで把握したニーズや直接聞いた声を基に、お客様が求めるシステムソリューションを開発し、提案していく活動を加速していきます。

―最後にメッセージを。

田口:2018年は、日本TIにとって設立50周年の節目に当たります。お客様にご愛顧いただき、日本市場で成長できたことを感謝しております。次の50 年もお客様に寄り添い、新たな価値を生み出すソリューションを提案して、貢献していきます。

お問い合わせ
  • 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
    日本テキサス・インスツルメンツ株式会社

    〒160-8366 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル

    TEL:03-4331-2000

    URL:http://www.tij.co.jp/