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日経テクノロジーonline SPECIAL

長期安定供給と新たな価値提供にまい進、電子機器のプログラムを預かる大役を果たす

あらゆる電子機器の中に搭載される中低容量メモリーのリーディングメーカーである台湾ウィンボンド・エレクトロニクスは、2017年に創業30周年を迎えた。電子機器を動かすプログラムを蓄積する重要な部品を供給する同社は、製品の安定供給と新しい価値の提供に向けた施策を矢継ぎ早に実行していく。日本法人代表取締役社長 岡本龍郎氏に、2018年以降の取り組みについて聞いた。

―2017年の事業状況は。

岡本:2017年のメモリー市場は過去に経験したことがない活況にあり、当社も大きな飛躍を遂げました。全社的に売上高は前年比で大きく伸びる見込みですが、日本は30%強伸びるとみています。

 ウィンボンドは、中低容量領域(現時点の定義で2Gビットあたりまで)のDRAMとNORおよびSLC NAND型フラッシュメモリーを中心に扱っています。2017年は特に、電子機器を動かすファームウエアを蓄積するNOR型フラッシュの出荷数量が急成長しました。NOR型フラッシュはあらゆる電子機器の中に搭載され、需要が特定機器の市場変動に依存しないため安定しており、同時に成長を続けています。

 近年では、製造中止や事業から撤退するメーカーが相次ぎ、当社は数少ない主要サプライヤーの1社になっています。2017年、当社はシリアルNOR型フラッシュでシェア1位になる見込みです。日本市場では、プリンター、自動車、産業機器、ハードディスク装置、家庭用ゲーム機、各種民生機器などに、当社の製品が数多く使われています。中でも、車載向けメモリーは、インフォテインメント、先進運転支援システム(ADAS)、クラスターなどに加え、新たなアプリケーションの裾野も広がってきました。

 一方中低容量DRAMの分野でも、NOR型フラッシュと同じく多様な応用で、当社の製品が手堅く使われています。そして、この分野でも、世界トップクラスにいます。

生産力強化で供給責任を果たす

―2018年の市況をどのように見ていますか。

岡本:2018年前半のビジネスに向けた製品は、既にその製造に着手しています。2017年比での売上高は、引き続き大きく成長すると見込んでいます。将来に向けたデザインイン案件も多く獲得しています。日本市場では、ブレが少ない自動車用の割合が多く、成長は確実視しています。ただし、これほどの活況は経験がなく、念には念を入れて状況を精査している状況です。

―すると、逆に需要に応える供給ができるか心配なほどですね。

岡本:ウィンボンドでは、まず大きな工場建屋を建てて、需要動向を見ながら、必要に応じてきめ細かく生産能力を増強する戦略を取ってきました。2017年は旺盛な需要が長く続き、既存の台中300mm工場でのNOR型フラッシュとDRAMの生産能力を短期間で増強しました。今後2年間かけて、生産能力を一層拡大していく計画です。

 さらに、その先を見据えて、2020年稼働を目指して、台湾南部の高雄県に300mmウエハーの前工程工場を新規建設します。投資規模は、総額3350億台湾ドル(日本円換算で約1兆2000億円)になる予定です。そこに導入する新規プロセスは、既に台中工場で立ち上がってきています。

ウィンボンドらしい製品を投入

―2018年に注力したい製品は。

岡本:私たちは、中低容量メモリーのリーディングサプライヤーとして、社会のイノベーション創出に貢献したいと考えています。そして、標準品ベースの製品群だけではなく、技術トレンドに沿ったニーズに応える、ウィンボンドにしかない製品を提供していきます。特に、IoTの社会に必要な2つのキーワード、“セキュリティー”と“超低消費電力化”さらに、”微小フォームファクター化”を後押しするメモリーソリューションに注力します(図)。

 NOR型フラッシュは、機器を動かすプログラムを蓄積し、しかも電源を切っても情報が残る不揮発性があるわけですから、万全のセキュリティー対策が求められます。ところが、これまではチップレベルでは何のプロテクションもかかっていませんでした。こうした不安な状態を解消する、セキュリティー機能を付加した2種類の新製品を用意しています。

 1つは、認証機能を備えた製品です。組み合わせるMCUとの相互認証で、仮に別のチップにすり替えられても動作しません。もう1つは、蓄積する情報を暗号化する機能を搭載した製品です。プログラムを外部から解析できない高度な耐タンパ性を持ち、コンピューターセキュリティーの国際規格であるコモンクライテリアで、評価保証レベルが「EAL5+」と売買可能な製品としては最上位となっています。今後、さらにラインアップを拡充し、SoCやMCUなどのサプライヤーとのコラボレーションを推進していきます。

 また、超低消費電力DRAMと1.2V仕様のNOR型フラッシュも製品化しました。これらは、バッテリー駆動システムの長期動作の実現に大きく貢献するでしょう。超低消費電力DRAMには、待機時の漏れ電流をほとんどなくす工夫を盛り込んでいます。1.2V仕様のNOR型フラッシュは、ボード上で用いている電源電圧の数を減らして部品点数の削減に寄与するとともに、一層の低消費電力化を実現します。また、DRAMではLP-DDR4などの先端品の提供を予定しています。

[画像のクリックで拡大表示]
図 ウィンボンド・エレクトロニクスが提供する製品群

お客様との長い付き合い

―安定供給と新たな価値の提案、大きな役割を担っていますね。

岡本:はい。当社のビジネスは、それぞれのお客様との長い付き合いを大切に考え、1つの製品を長期供給するポリシーを掲げ、それを実践してきました。自社工場を持ち、DRAMとフラッシュの両方で、これだけ長くサポートしているサプライヤーはないと思います。新横浜にある日本法人には、マーケティング、FAE、セールス、品質保証、メモリー設計開発センターと多岐にわたる機能を置いています。ここで、お客様のあらゆるご要望に対応して、一気通貫の支援をしていきます。

―日本市場のお客様へのメッセージをお聞かせください。

岡本:2017年、台湾のウィンボンド・エレクトロニクス本社は、創業30周年の節目を迎えることができました。激しく動き続ける半導体業界の中で、これほど長く存在し続けることができた理由をかみしめながら、日本国内でもより信頼される企業になりたいと考えています。中低容量メモリーのリーディングサプライヤーとして、製品の高性能化、革新機能の実現、高信頼性、長期・安定供給など、あらゆる顧客サービスの向上に台湾本社、各グローバル拠点一丸となって努めていきます。

お問い合わせ
  • ウィンボンド・エレクトロニクス株式会社
    ウィンボンド・エレクトロニクス株式会社

    〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-12 新横浜スクエアビル 9階

    TEL:045-478-1881

    URL:http://www.winbond.com/