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マキシムとコアスタッフは協力して日本のブロードマーケットに積極的に対応

短納期でブロードカスタマーに届ける

―ブロードマーケットの顧客の部品調達を支援する、コアスタッフならではのサービスを紹介してください。

戸澤:ブロードマーケットの顧客に向けた仕掛けとして、オンライン販売サイト「ザイコストア」があります。利用者は約5万人で、企業規模の大小、分野にかかわらず、どのような顧客もアクセスできます。

 ザイコストアは、顧客とメーカーをつなぐ窓、“コンタクトウインドー”です。ブロードカスタマーは、自社で開発・生産している機器に使えそうな半導体や電子部品を見つけるために、ザイコストアを訪れます。こうした利用シーンを想定し、欲しい製品に簡単にアクセスできることを重要視したサイトにしています。そして、製品に関する最大限の情報を提供し、興味を持ってもらったそのときに、製品の魅力を深く知ってもらえるよう努めています。加えて、各製品の情報と共に在庫数、価格も明示されており、欲しい製品が確実に入手できることを知った上で注文できます。午後3時までにオーダーしてもらえれば、全世界に当日出荷いたします。

―サイト内で、購入の判断と確実な調達が完結するのですね。

戸澤:コアスタッフは、ジャスト・イン・タイム(JIT)での製品供給にこだわっています。ここが、ブロードカスタマーの要求に応えるためには、最も重要な点になると考えています。

 JITで製品を届ける手法として、「ベンダー・マネージド・インベントリー(VMI)」と呼ぶ手法があります。顧客の工場にあらかじめ製品を預託して使った分だけ代金をもらう「富山の置き薬」のビジネスモデルと同じ方法です。VMIは効果的な方法ではありますが、実際には大口顧客を対象にすることしかできません。これでは、ブロードマーケットでJITを実現できないのです。

 私たちは、顧客それぞれの工場に置かなくても、使いたいと思ったときに、使いたい量だけ、迅速に届けられる仕組みがあればよいと考えています。各顧客に向けて、一定量分の製品を常時確保しておき、いつでも届けられ、届いたらすぐに使える状態にしておくのです。コアスタッフは長野に物流センターを持ち、スタッフが常駐して、入荷した製品をその日のうちに小分けにし、さらに実装しやすいようにテーピングし、梱包してその日のうちに発送します。マキシムの製品も約2050品種を在庫しており、これはマキシムの産機用途に向けた多くの製品を保有していることになります。コアスタッフが在庫することで、マキシム製品のJITが実現するのです。

別の視座から市場を立体的に観測

―ブロードカスタマーを開拓したいマキシムには、どのようなサービスを提供するのでしょうか。

戸澤:もちろん、ザイコストアでより多くの商品を買ってもらえるようにすることが最大のサービスなのですが、サイトを訪れた顧客の情報収集行動や販売傾向などに関する情報の提供が、ブロードカスタマーを開拓する上で有益なサービスになると考えています。ザイコストアを利用する顧客の属性情報は把握しています。こうした情報から、ブロードマーケットのニーズを俯瞰(ふかん)することや、公開している製品情報が思い通りに機能しているのかを検証できます。ブロードカスタマーが集まるザイコストアでは、大手代理店でもうかがい知らない情報が得られます。また、「この応用の顧客を開拓するためには、リファレンスボードを用意した方がよい」といった、具体的な営業施策を示唆できると思います。

山崎:ブロードマーケットに関する情報を収集する上で、コアスタッフに最も期待しているのが、顧客の期待値や満足度を測るバリュー分析です。近年、これまで全く接点がなかった分野の企業から、問い合わせが舞い込むようになりました。そして、高度なセキュリティー技術や高精度のセンサーといった、にわかには顧客像と結びつきにくいものを求めている場合があるのです。当然、社内でもその意図や応用動向を分析しているのですが、さまざまな分野で最新の半導体を使い、製品の高付加価値化を促進する動きが顕著になっていると思います。

 特定の応用市場や半導体技術のトレンドや行方、さらには日本を含む世界の市場の動向については、ビジネスをグローバル展開しているマキシムの強みが生かせると思います。一方、日本のブロードマーケットの多種多様な動きは、コアスタッフの方がよく見えていると考えています。お互いの視点から、幅広い情報を擦り合わせることで相乗効果が生まれることでしょう。

ネットを入り口につながりを太く

―マキシムのブロードマーケット向けビジネスは、ザイコストアを通じた販売で完結するのでしょうか。

山崎:いいえ。ザイコストアを通じた単体製品の販売は、ブロードカスタマーとのつながりを得る入り口だと考えています。高度な技術を駆使した機器を作っているブロードカスタマーの要求の中には、単体の製品を使うだけではなく、複数製品を組み合わせたソリューションを活用した方が効果的な例がよくあります。シグナルチェーンなどを考慮して仕様を擦り合わせた製品を組み合わせ、そこにソフトウエアも付加して供給すれば、より高い価値を持つソリューションが作れます。こうした、顧客にとって利用のメリットが高いソリューションを開発し、提案していくところは、マキシムの腕の見せどころだと考えています。

 また、より効果的なソリューションに仕上げるためには、応用で求められる機能を1チップ化する必要が出てくることでしょう。チップのコア部分を共通化し、応用に応じて要所を少しずつ変更して派生品を増やすようなビジネスが理想です。こうしたビジネスを実践するには、かなり高度な市場の読みが要求されます。ここをパートナーであるコアスタッフと一緒に取り組んでいきたいと考えています。

戸澤:オンライン販売のメリットは、広範囲の顧客に販売できるだけではありません。アクセスしてきた数多くの顧客を、さまざまなデータを参照しながら、効果的かつ効率的に絞り込める点も見逃せません。メーカーによるブロードマーケット攻略を困難にしている主因は、アクセスしてきたすべての顧客を対象にして、きめ細かなサポートができない点にあります。私たちは、ザイコストアでの情報収集や購買行動の情報を精査し、加えて営業担当者がしばらくサポートすることで、将来伸びる顧客であるか否かを的確に判断できます。

 私たちも、メーカーも経営リソースは有限です。経営リソースを有効配分して、最大限の効果を得るところが勝負になると思います。ザイコストアと営業担当者の2段構えで顧客を見定め、特に光る顧客をマキシムにつないでいきたいと考えています。それによって、10社、20社の小規模取引の顧客の中から1、2社の有望顧客を得ていた打率1割の世界を脱し、コアスタッフの仕組みを通じて記録的な打率に上がったと言ってもらえるように努めます。

―最後にメッセージをお聞かせください。

山崎:コアスタッフとパートナーを組むことによって、マキシムはお客様にとってより身近な存在になりたいと考えています。解決したい問題を遠慮なくお聞かせください。私たちは、お客様が進める次世代製品の開発をより円滑化し、より競争力の高い機器を早期に市場投入するためのお手伝いをしていきます。ザイコストアを通じて、ぜひマキシムの製品をご覧いただければと願っています。

戸澤:私たちコアスタッフは、お客様とメーカーをつなぐコンタクトウインドーになりたいと考えています。お客様も、メーカーも、お困りごとがあれば、ぜひ聞かせください。私たちなりの解決策を全力で考えて提案していきます。

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