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日経テクノロジーonline SPECIAL

【ザイリンクス】新局面を迎えたプログラマブル・デバイス、次世代アーキテクチャ「UltraScale」に脚光

査錚氏
ザイリンクス
マーケティング部
プロダクトマーケティング
スペシャリスト

2013年春にザイリンクスが発表したプログラマブル・デバイスの新たなアーキテクチャ「UltraScale」に対する設計者の関心が高まっている。将来のニーズを見据えた先進的な技術を随所に採り入れた同アーキテクチャに基づく製品が、次々と市場に出てきたからだ。これらの製品は、市場のトレンドを先取りした製品の開発に挑む設計者に多くの利点をもたらす。

「UltraScale™」は、単なるプロセス技術の世代交代にともなう進化をベースにしたアーキテクチャではない。将来の市場ニーズに対応するために微細化の基本的なアーキテクチャに踏み込んだ革新技術を随所に採り入れている。同時に、そのパフォーマンスを最大限に引き出せるように開発環境も強化した。同社は、この新アーキテクチャを、20nm以降のプロセスを使った製品のすべてに展開する考えだ。

参考:「UltraScale アーキテクチャ概要」ウェブセミナー

ザイリンクスがアーキテクチャの革新に踏み切った背景には、プログラマブル・デバイスに求められるパフォーマンスが、今後飛躍的に高まることが明らかになってきたことがある(図1)。「微細化の恩恵だけで、将来求められるパフォーマンスの要求に対応するのは不可能でしょう。だからこそ、アーキテクチャを一新する必要がありました」(ザイリンクス マーケティング部 プロダクトマーケティング スペシャリスト 査錚氏)。

図1 次世代の性能を実現する「UltraScale」
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コアインフラを革新

UltraScaleアーキテクチャの大きな特長の一つが新技術を随所に採り入れたコアインフラである(図2)。主な新技術の一つが、再構築されたルーティング・アーキテクチャだ。微細化にともなって集積度が増えたときに配線リソースが不足するのに備えて、UltraScaleでは内部の配線層を増やすなどして効率的にロジックセルを結べる新たな配線ルートを設けた。

図2 新技術を随所に採り入れたコアインフラ
(a)再構築されたルーティング・アーキテクチャ (b)進化したクロック・システム (c)効率的なロジック・パッキングを可能に
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クロック・システムも進化させた。従来のデバイスではクロック・ドメインは一つだったが、UltraScaleアーキテクチャでは独立した複数のクロック・ドメインを設けている。これによってデバイスの集積度が増えたときに、スキューの最適化ができるようになる。さらに開発環境「Vivado® Design Suite」の解析アルゴリズムを一新。これによって、ロジック・パッキングの効率を向上。デバイスの使用効率も90%程度にまで引き上げられるようにした。

高いパフォーマンスを追求するために、デバイスに実装するハードIPの機能や性能も強化している(図3)。例えば、DSPコアでは、乗算桁数を従来品の25ビット×18ビットから27ビット×18ビットに拡大。さらにマルチプレクサ(MUX)演算や排他的論理和(XOR)演算の機能を強化。これによってエラー訂正制御(ECC)、巡回冗長検査(CRC)、フォワードエラー訂正(FEC)などの演算以外の機能にDSPを使えるようにした。BRAM(Block RAM)の性能も高めた。ハード化されたセレクタ回路をメモリの近辺に配置することで、高速メモリのカスケード接続を実現している。同時に動作の最適化を図るために使う余計な配線やロジックを使わなくて済むようにした。このほかシリアルI/Oの帯域幅を従来の28Gbpsから32Gbpsへと高速化している。

図3 ハードIPの機能や性能を強化
(a)DSPコアでは乗算桁数を拡大 (b) BRAM(Block RAM)周辺回路を最適化 (c)シリアルI/Oを高速化
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将来のニーズを先取りする形で、先進的な接続インタフェースを内蔵している点もUltraScaleアーキテクチャの重要な特長だ。具体的には、100GビットEthernetのMACや150GbpsのInterlaken MACインタフェースを内蔵。最新メモリ・インタフェース「DDR4」や「HMC」をサポートする。第3世代 PCI Expressのハードブロックも備える。

このように機能や性能が随所で強化されているだけでなく、それらをできるだけ簡単に活用できるように開発環境Vivadoツールの機能も強化されている点が、UltraScaleアーキテクチャの見逃せない特長だ。「従来よりも効率よく開発を進めることができるように、“設計指南書”に当たるドキュメント『UltraFast 設計手法ガイド』 (日本語版)も用意してあります」(査氏)。

着々と進む製品展開

UltraScaleアーキテクチャに基づく製品の市場展開は、すでに着々と進んでいる(図4)。同社は、2013年11月には、最初の製品「Kintex® UltraScale」をテープアウト。この製品は、20nmプロセス品では業界の先駆けである。2013年12月には20nmプロセス品での業界唯一のハイエンドのFPGA(Field Programmable Gate Array)「Virtex® UltraScale」のテープアウトを実現した。

図4 UltraScaleアーキテクチャ対応製品の評価ボード
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プロセス技術が20nmを超えてプログラマブル・デバイスの技術は確実に新しい時代に突入している。これをいち早く形にしたのがUltraScaleアーキテクチャだ。このコンセプトに基づくザイリンクスの製品は、将来性の高いシステム・プラットフォームを実現するために欠かせないデバイスと言えよう。

関連リンク: UltraScale アーキテクチャ詳細
        20nm UltraScale デバイス
        UltraFast 設計手法ガイド

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