大人の授業参観SPECIAL

理論と実践を併せて学ぶことで実務に使えるスキルとナレッジを身につけ、真のスペシャリストを育成する・・・日本大学大学院 経済学研究科 都市のあらゆる現象や課題を分析し、ビジネスや政策に活かす<都市経済学>

高度で専門的な学びが得られるコース制と少人数制の講義で、研究者を目指す学生はもちろん、税理士など高度な専門職業人を目指す学生に対する手厚い指導環境にも定評がある日本大学大学院経済学研究科。同研究科の特色や研究テーマの意義について、実際に学生の指導に当たる教授と学生に話を聞いた。

写真左から、胡 悦揚さん、浅田義久教授、小谷博之さん、遠藤圭介さん

実践力を身につけるため、論文を重視し実情に根差した課題に取り組む

1951年に開設され、60年以上の歴史を有する日本大学大学院経済学研究科は、経済学およびその関連分野における専門知識を有する人材を育てる大学院。多様な学生の学ぶ目的に合った、きめ細やかな指導を実現すべく、コース制を採用しているのが大きな特徴で、「経済」「金融」「公共経済」「経営」「会計」「税法」の6つのコースごとに高度な専門的知識が体得可能である。まさに「各分野のスペシャリストを育成する」という同研究科の教育理念に即した教育環境が整備されているのだ。

昼夜開講制で、平日の夜間と土曜の昼間にも講義があることをはじめ、JR水道橋駅より徒歩2分という立地の良さ、学費や留学経費、学会参加費などを補助する金銭面の支援制度が充実していることが、働きながらスキルアップを目指すビジネスパーソンにとって魅力的なのだろう。仕事を持ちながら通学する学生の姿が数多く見受けられるのも印象的である。

さて、現在、様々な分野でビッグデータの活用が当たり前になりつつある。そのため、「経済学の重要性が高まっている」と、同研究科「公共経済コース」で教鞭を執る浅田義久教授は話す。

「ICT技術の発展によりビッグデータを活用する基盤が整い、様々なことが分析できるようになりました。しかし、それを社会に活かすためには、原因と結果の因果関係を明らかにする『経済学的な視点』が必要」だというのだ。

例えば、東京都に暮らす女性の出生率は統計上では確かに低い。しかし「これにより、単純に『東京都の出生率の低さが深刻だ』と結論付けるのは間違っている」と浅田教授。なぜなら「東京都で暮らす女性は結婚を機に神奈川、埼玉、千葉に移る人が多いため、東京で出産する人が減少傾向にあるのは当然」だからだ。

この例のように、統計やデータだけでは、事象の1つの側面しか捉えられず、現実を見誤ってしまう可能性がある。そこに経済学の理論を組み合わせることで現在起こっている現象を的確に捉えることができるのだという。ここで重要なことが、理論とデータの両軸から物事を捉えることだ。

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浅田義久教授。専門は「都市経済学」。シンクタンクで働いていた経験を活かして、実社会で役立つ研究や指導を行っている

浅田教授の専門である「都市経済学」は、都市に関する問題や経済現象を「計量経済学」を用いて分析する学問だ。「計量経済」とは、経済データの分析に統計的・数学的方法を応用すること。まさに理論とデータを融合させ、実証分析をしていくのである。

実際の講義では、民間企業から寄せられた課題やテーマなどを用いて、社会の実情に根差した課題に取り組むことが多いという。さらに博士前期課程1年生という早い時期から「各自でテーマを決めて、実際のデータを使って実証分析をして、社会で使えるような論文を書くこと」が求められる。その理由は浅田教授、および同研究科の教育方針が「実践的なスキルを持つ、スペシャリストを育成する」ことに主眼を置いているからに他ならない。

さて、一口に「都市経済学」といっても、そのテーマは多岐に渡る。例えば、不動産・住宅問題、少子化対策、騒音問題、交通、工場立地等々――。いってしまえば「都市にまつわるあらゆることが研究対象」(浅田教授)なのだ。そのため、ここで得られる知識やスキルがビジネスに活用できる範囲は、大手企業から飲食店まで都市で活動するすべての業界に渡るという。

人間の生活における様々な問題は都市の中に顕在化していく――のである。データを活用しながら、それらの課題を解決する「都市経済学」は、都市で活動する者にとって必ず何かしらの価値があるということだ。

データ活用の一般化でニーズが高まる経済学、データ分析のスペシャリストを育成  

ここからは浅田教授の下で「都市経済学」を学ぶ学生の声を紹介しよう。

博士前期課程2年の胡 悦揚さんは中国出身で、大学時代は母国で日本語を学んだという経歴の持ち主。そして、遠藤圭介さんも同じく博士前期課程2年生。現在は不動産会社でデータサイエンティストとして活躍しながら、研究を続けている。博士後期課程1年の小谷博之さんは、経済団体で都市計画などの要望作成に関する業務に従事しながら通学しているという。

そんな3名に同研究科の特徴や大学院で学ぶ意義について語ってもらった。

 日本大学大学院経済学研究科への進学理由は、ここ数年、中国の住宅価格が高騰していることもあって、住宅問題が人々の行動にどのような影響を与えるのかについて興味があったことが背景にあります。「公共経済コース」が設置され、不動産や住宅の問題に詳しい先生が多数いらっしゃったのが決め手になりました。

実際に入学してよかったと思うのは、講義が少人数で実施されるので、先生方とのコミュニケーションが取りやすいこと。授業内容も要望に応じて柔軟に対応してくださるので、自分の研究にあった指導が受けられます。また、浅田先生の講義は、理論とデータの運用について、バランスよく教えていただけるのが魅力です。

胡 悦揚

「卒業後は、中国に戻って不動産業に携わり、現在学んでいる『計量経済学』のデータ分析の手法を活用した仕事をしていきたい」という胡 悦揚さん

遠藤圭介

遠藤圭介さんは「時間を計画的に使うようにしていることと移動中や会社の昼休みなどの空き時間を勉強に充てて仕事と学業を両立している」という

遠藤 現在、大学院で取り組んでいるテーマは、不動産市場にまつわる研究です。日本は米国などと比べると不動産取引が不透明で非効率だと言われていますが、このことが「実際にどのくらいのロスを生み出しているか?」などを分析しています。

研究に伴って、統計解析ソフトなど、様々な先進的ツールを使いますが、不動産業でデータを扱う仕事をしているので、学んだことをすぐ実務で活用することもしばしばです。また、仕事で生まれた課題を研究で解決していくということも――。やはり応用的な分析をしようとすると大学院レベルの知識や手法が必要になりますので、こちらで学んでいることは仕事に大いに役立っています。

小谷 こちらの大学院を選ぶ決め手になったのは、働きながらの通学を考えていたので、都心にあるという立地や金銭面のサポートがあったこと、そして「経済学」を学ぶ大学院では珍しく、夜間に通えることでした。実際に入学すると、「経済学」だけでなく、「経済学史」や「経営」「会計」「税務」など、幅広い分野について専門の先生がいらっしゃるので、自分の興味・関心に合った時間割を組むことができました。

「都市経済学」という分野に限っても、「理論」「実証」「応用(政策)」などをバランスよく履修でき、経済学を複眼的な視点で実社会に応用する方法を身につけられると思います。

小谷

「大学院で得たスキルや知識を生かして、理論的に補強された実証的な根拠に基づく、説得力のある政策提言を行っていきたい」と小谷博之さんは今後の抱負について語る

最後に浅田教授に大学院で学ぶ意義について聞いたところ、「社会で活躍できるスペシャリストになることです。現在、データを扱う企業が出てきて、ようやく経済学のスペシャリストが社会で活躍できるようになった。今後はデータをきちんと扱う企業以外は淘汰されていくでしょう。そうなればなるほど、データを扱う人材には大学院で学んだスペシャリストが求められると思います。大学までの知識では困難なことですから」との答え。

このように、日本大学大学院経済学研究科には“今後、企業に求められる経済学のスペシャリスト”を育成するための理想的な環境が整っていると言えそうだ。

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