企業競争力をより効果的かつ確実に高めるには 生産性の向上は日本企業の重要課題 企業文化の変革とツール活用が成功の鍵 OECD加盟諸国の中でも低い水準にある日本の労働生産性。少子高齢化で働き手が減少している上、市場のグローバル化も進んでいる現在、その向上は喫緊の課題といえるだろう。生産性向上のアプローチとしては、ムダな会議やレポート作成の削減などが考えられるが、それだけでは十分ではない。会社全体の知恵を効果的に集め、新たな価値を生み出す施策を打ち出し、それを着実に遂行する仕組みが必要なのだ。また失敗した場合でも、その知見を次に生かすことも重要だ。それでは具体的に、どのようなアプローチが考えられるのか。

低い水準にある日本の生産性、企業文化の見直しが急務

図1:OECD加盟諸国の労働生産性(2014年/34カ国比較) 図1:OECD加盟諸国の労働生産性(2014年/34カ国比較) 日本はOECD加盟国平均よりも低く、ルクセンブルクの半分強という水準だ
出典:日本生産性本部「日本の生産性の動向 2015年版」
 少子高齢化に伴う国内市場の縮小や、中国など新興国の成長によって、国際的なポジションが相対的に低下しつつある日本企業。しかし現在の状況をもたらしたのは、必ずしも環境変化だけではない。生産性の低さも大きな要因といえるだろう。

 日本生産性本部の調査によれば、2014年の日本における労働者1人当たりの生産性(GDPを労働人口で割った数値)は、7万2994ドルとなっている。これは米国の11万6817ドルの2/3程度の水準であり、トップのルクセンブルクの半分強でしかない(図1)。しかも2013年の7万3270ドルからも低下している。労働生産性を高める取り組みなくしては、日本の存在感は今後も低下し続けることになるだろう。

 それでは具体的にどうすればいいのか。「高度成長期に培われた日本特有の企業文化を、今一度見直す必要があるのではないでしょうか」と流暢な日本語で指摘するのは、アトラシアン 代表取締役社長のスチュアート・ハリントン氏だ。


アトラシアン株式会社 代表取締役社長 スチュアート・ハリントン氏

 同氏はスタンフォード大学を卒業してから慶應義塾大学でAI研究に従事した後、30年以上にわたって複数の日本企業や外資系企業で社長などを歴任。日米双方の企業文化を熟知した人物といえる。「例えば日本企業は会議に費やされる時間が長く、上司へのレポート作成にも時間がかかっています。まずはこれらの時間を短縮し、業務効率を高める必要があると感じています」。

 その一方で、失敗を許容しない空気が存在することも、多くの日本企業が抱える課題だと指摘する。失敗を恐れる組織では、新しいことに取り組むまでに長い時間をかけて検討する傾向があり、いざ取り掛かった時には時期を逃しているというケースが少なくない。これではグローバルな競争に勝ち抜くことは難しい。

 これらの問題を解消するには「役職の上下にかかわらず自由に議論ができる環境を整える必要があります」とハリントン氏。新しい意見、従来の考え方から見れば奇妙に見える発想こそが、大きなイノベーションをもたらす可能性があるからだ。また失敗を許容し、その結果をオープンに共有できる文化も不可欠。失敗した人を責めるのではなく、失敗から得られた知見を財産とし、次のステップに生かしていくのである。

 「そのためには経営層が意識を変えるとともに、全社員が危機感を共有することが欠かせません。また企業文化の変革を成果に結びつけていくには、適切なツールの活用も重要です」

チーム全体での生産性向上に活用したい2つのツール

図2:ConfluenceとJIRAシリーズを組み合わせたクローズドループ 図2:ConfluenceとJIRAシリーズを組み合わせたクローズドループ オープンな議論に基づく大局的な企画立案、その実行プロセス、さらにそのフィードバックという一連の流れを、自然な形で作り上げることができる  そのツールとしてハリントン氏が挙げるのが、アトラシアンが提供する2つの製品である。「チームのコミュニケーションとコラボレーションを強化するConfluenceとJIRAシリーズという製品です(図2)。私はこれらの魅力に取りつかれた結果、アトラシアンへの入社を決意しました。そして長年にわたってお世話になってきた日本に広めるため、日本法人の社長に就任したのです」。

 それではこれらの製品は、具体的にどのようなものなのか。

 まずConfluenceは、情報の集約や共有、メンバー間の議論などによって、チームコラボレーションを加速するツールである。ここで注目したいのが、誰かが作業して完成したものを共有するファイルベースのドキュメント共有ではなく、Web上で直接ドキュメントを作成・編集しながら共有できる点だ。これにより思いつき程度のメモも簡単に共有でき、そこに他の人が直接コメントを付けられる。「最近は日本でも時々聞くようになりましたが『ワーク・イン・プログレス』という概念があります。完成した状態だけではなく途中の考え方も共有し議論できるようにすることで、より深いナレッジを蓄積できると考えています」とハリントン氏は語る。

 Confluenceで事前に情報を共有しておけば、報告のための会議は必要なくなり、すべての会議を議論と決断の場に変えることができる。会議の途中経過をConfluenceに直接入力すれば、議事録もその場で作成できるため、議事録作成の時間を改めて費やす必要もない。さらにConfluenceで問題提起を行い、それに対する社内のコメントを集めれば、わざわざ会議を開催する必要すらなくなっていくだろう。もちろんソフトウエア開発だけではなく、一般的なビジネスでも活用可能だ。

 ある日本企業では、実際にこれを約2000人が活用し、会議時間を1/8にまで削減することに成功しているという。また新入社員が入った時に、これまで会社でどのような議論が行われてきたのか、Confluenceを見ればすべてわかる、といった効果も期待できる。

 一方のJIRAシリーズは、社内の議論で決まった施策を、着実に実行に移すためのツールである。元々はソフトウエア開発の課題管理ツールだが、これも一般的なビジネスで十分活用できるように用途に合わせた製品ラインアップを提供している。

 まずビジネス上の目標と計画を策定し、これをより詳細なタスクへと分け、チームメンバー全体に振り分けることが可能。その後も、タスクレベルの議論を集約しつつ、そのタスクがどこまで実行されているのかをプロジェクトに応じたワークフローに従って追跡し、作業状況を完全に可視化できる。進捗が遅れているタスクが一目瞭然となるため、新たなリソースを追加するなどの判断も迅速に行える。また目標達成に対するチーム全体のパフォーマンスも、リアルタイムに可視化可能だ。

 「Confluenceで作成された企画をJIRAシリーズのタスクとしてブレイクダウンしConfluenceとリンクさせることで、企画段階と実行段階のそれぞれの議論が双方から参照可能となります。振り返り段階においてもどの段階で何が起こったのかを把握することができ、その情報に基づいて議論を行い、次のプロジェクト策定に生かせます。ConfluenceとJIRAシリーズを組み合わせることで、大局的な企画立案と、その実行プロセス、そしてそこからのフィードバックという一連のループを、自然な形で作り上げることができるのです。たとえプロジェクトが失敗に終わったとしても、その失敗を『ラーニング』へと転化可能。どこを変更して何が改善されたのかという経験も、社内全体で効率的に共有できます」(ハリントン氏)

製品もドキュメントも日本語に対応、支援体制も充実

アトラシアン株式会社 代表取締役社長 スチュアート・ハリントン氏

 いずれも英語で開発された製品だが、日本語にも対応済み。関連ドキュメントも日本語化されており、サポートももちろん日本語で受けられる。またアトラシアン製品の導入・活用をサポートするパートナーも、すでに日本国内だけで17社あるという。自らは営業的な活動を行わずサポートに専念することで効率を高め、より多くの日本企業に安心して活用してもらえる体制を整えているのだと説明する。

 「ビジネススピードに対して危機感を持つ日本企業は増えていると感じていますが、競争力を高めるにはスピードアップだけでは不十分です」とハリントン氏。取り組みの結果を可視化して、オープンな議論へとフィードバックし、改善しながら「正しい方向へスピードアップ」することが重要なのだという。

 「アトラシアンの製品は、トップダウン型で一気に導入することもできますし、小さなチームからボトムアップ型で展開することも可能です。これらのツールを活用して生産性を高め、世界市場でより大きな存在感を持つ日本企業が増えていくことを願っています」
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