スマートグラスでここまで業務は改善する!エプソン MOVERIO Pro 活用事例

製造ラインの復旧を遠隔から指示しダウンタイムを削減

ケーブルや電線を製造するJMACSでは、製造ラインの停止時間が年間60時間を超え、そのための損失が年間1500万円を超えていた。しかも、同社は短納期対応を特色としており、ライン停止の翌日には工程を組み替えることで対応していた。この損失を含めると、約100時間の損失になる。

「問題が発生した直後に復旧できれば、損失時間を50%低減できると考えています」と同社の松本雅博氏。実際、ライン停止の原因は軽微なものが多く、大半は部品交換や製造装置の操作で解決し、対応時間も5分程度と短い。

JMACS株式会社
取締役 電線事業部
兵庫工場長
松本 雅博

JMACS株式会社
取締役
トータルソリューション部 部長
浦井 清一

そこで遠隔地から現況を把握し迅速に対応するため、同社が選択したのがMOVERIO Pro BT-2000である。スマートフォンやタブレットではなく、スマートグラスを選んだ理由は、両手が空いた状態で利用できるからだ。遠隔指示を受けながら作業したり、マニュアルを閲覧できる。「製造装置の状態や表示を遠隔地で確認でき、交換すべき部品の位置を指定できるため、管理監督者が現場に出向かなくても対応が可能になると考えました」(松本氏)。

MOVERIO Pro BT-2000を通して、遠隔地の管理監督者が制御盤の表示などを確認。その結果、制御盤のリレーに問題があることが発覚した。

電線に樹脂を被膜する外装工程の様子。オペレーターのMOVERIO Pro BT-2000には、標準書や注意事項が表示されている。遠隔地では熟練者が現場の様子を確認しており、不具合が発生しないよう必要な指示を与えている。

製造装置の不具合だけでなく、難しい作業の支援も行うことで、不良品の削減も実現している。下記の写真に示した集合工程や外装工程など人的要因によるエラーが起こりやすい工程では、MOVERIO Pro BT-2000を利用して遠隔地から熟練者がサポート。ハンズフリー、両目視聴、相互通信などの機能により、指示が的確に伝わり、ミスを未然に防ぐことが可能になった。

これらの効果に好感触を得て、松本氏は、「2016年度は年間500万円の損失削減を期待しています」と抱負を語る。

MOVERIO Pro BT-2000の内蔵カメラは解像度が高いので、数値など細かい表示まで遠隔地から確認ができる。これにより、遠隔地でも機器の状態を迅速に把握できる。

複数の電線をより合わせる集合工程は、電線の張力の調整が難しい。しかも、完成品は1000mなど非常に長く、不良部分を切断すると全体が不良品となってしまう。MOVERIO Pro BT-2000を使えば、このような難しい作業の支援も可能となる。

高齢の名人の技を効率よくスムーズに継承

柿のミズオ」代表の水尾成氏は、滋賀県果樹品評会で最高賞を受賞したこともある柿づくりの名人である。80歳を越える今も毎日果樹園へ行き作業もするが、足腰の衰えはいかんともしがたく、長時間の作業は難しい。そこで、電子機器のハードウェア開発に従事していた息子の水尾学氏は、父の技術をなんとか継承できないかと考え始めた。

柿のミズオ
水尾 成

柿のミズオ
水尾 学

とはいえ、長年の経験で培った名人の技を、一朝一夕で習得することはできない。名人も教えながらの作業では仕事がはかどらないし、お互いストレスもたまる。そこで、学氏が目を付けたのが、両手が自由に動かせるスマートグラスを使った遠隔指導である。学氏は、「父が家から果樹園の様子を見て指示できれば、素人でも名人の技を実践できます。間に機械が入ることで、人と人との衝突が起きず、淡々と作業に集中でき、早期の技術習得につながります。また、名人も長く現役を続けられ、生き甲斐にもつながると考えました」と語っている。

そこで、学氏が選んだのがエプソンのMOVERIO Pro BT-2000である。「雨に強く堅牢なので、屋外での農作業に適しています。また、画面が大きく映像がきれいなので、作業者は視野角が広く作業しやすいし、遠隔で見ている名人は果実の色つやまでよくわかり、的確な指示を出せます。また、フィット感に優れ、両眼タイプで見やすいので、長時間使っても苦になりません。アプリケーションも多く、拡張性を備えている点も魅力です。なによりデジタル世代の若い後継者は従来農業のイメージを変えるような格好良いデジタル機器を求めており、最適なツールであると思います」(学氏)。

採用しているアプリケーションはMOVERIO ProパートナーのOPTiM社のものだ。遠隔地から現場の状況をカメラ映像でリアルタイムに把握し、グラス画面上に指示を書き込むことが可能。現場にいるかのようなきめ細かな作業指示を行うことができる。

実際の作業は、学氏が果樹園でMOVERIO Pro BT-2000を装着し、成氏が自宅のパソコン前に待機して行われる。柿農家の重要な仕事である摘果は、どの実を摘み、どの実を残すかが極めて重要であり、熟練の選択眼が必要だ。まず、学氏が隣接してなる柿の実など、確認してもらいたい対象物を見る。すると、自宅のパソコンにその映像が映し出されるので、成氏がマウスを操作してカーソルを摘果すべき実に合わせる。学氏の眼前のモニターにそのカーソルが映し出され、それを見て実を切り落とす。成氏もMOVERIO Pro BT-2000による遠隔指示を高く評価しており、「最初は少し手間取りましたが、2、3回で慣れました。畑で作業するような感じで見えるので、使いやすい」と語る。なお、アプリケーションは、遠隔作業支援システム「Optimal Second Sight」を利用した。

成氏は自宅のパソコンの前に座り、慣れた手つきでマウスを操って、摘果すべき果実にカーソルを合わせて指示を送る。

学氏がかけているMOVERIO Pro BT-2000のディスプレイに成氏の指示が表示される。正面に表示されるので見やすい。

学氏は、成氏の指示通りに果実を切り落とす。不明点があっても、付属のマイク付イヤホンで成氏に確認できる。

学氏は、今回のシステムを柿や他の果樹でも同様の悩みを持つ農家に活用してもらおうと、「名匠ネットワーク320」というプロジェクトを立ち上げようとしている。既にこの展開を見据えて、新会社パーシテックを設立。柿のミズオでの取り組みで得た知見やノウハウを武器に、MOVERIO Pro BT-2000をキーデバイスとした、新たな農業のビジネスモデルを提案していこうとしている。「このしくみなら、1人の名人が遠隔地の多拠点を指導できます。また、名人の監修を可視化することで品質や知名度の向上も期待でき、後継者育成にもつながります」(学氏)。

ヘルメットに対応した「BT-2200」が登場
業務の変革や効率化を目指し様々な業種で導入が進む業務用スマートグラス MOVERIO Pro
MOVERIO Pro「パートナープログラム」
スマートグラスで現場の業務を革新導入が広がるエプソンのMOVERIO Pro

お問い合わせ

エプソン販売株式会社

http://www.epson.jp/

▲ページの先頭へ