JP1活用事例 日本ユニシス株式会社 定常業務の約70%を自動化し、人手によるオペレーションミスを「ゼロ」に! 地方銀行の基幹システム運用を変えた秘策とは?

地方銀行向けにオープン勘定系システム「BankVision®」を開発・運用する日本ユニシス。同社では、この運用環境に日立の「JP1/Automatic Operation」と「JP1/Navigation Platform」を導入した。人為ミスの低減をめざし、従来は人手で行っていた運用の定常業務について約70%の自動化を実現。さらに作業工数を約20~25%削減し、その削減した工数をさらなるサービス品質の改善や事業の成長に向けて役立てている。同社ではそうした成果を得るためにJP1をいかに活用したのか。その具体的な方法について紹介したい。

人手が介在する運用業務の自動化プロジェクトに着手

日本ユニシス株式会社 金融システム第二本部 金融システム一部 部長 S-BITS ホスティングセンタ長 小島 昭人氏
日本ユニシス株式会社 金融システム第二本部 金融システム一部 部長 S-BITS ホスティングセンタ長 小島 昭人氏
日本ユニシス株式会社 金融システム第二本部 金融システム一部 S-BITS ホスティングセンタ 副センタ長 栗原 孝幸氏
日本ユニシス株式会社 金融システム第二本部 金融システム一部 S-BITS ホスティングセンタ 副センタ長 栗原 孝幸氏

長年にわたり培ったシステム構築経験と業界横断的なノウハウを生かし、金融、製造、流通、社会公共、エネルギーなど、幅広い分野にわたるソリューションを展開する日本ユニシス。コーポレートステートメント「Foresight in sight」の下、顧客企業のビジネスに貢献する活動を全方位で展開している。

同社を代表するソリューションの1つが、地銀向けオープン勘定系システム「BankVision」だ。2007年に提供を開始した同ソリューションは、Windows /SQL Serverをシステム基盤に全面採用。「金融システムに欠かせない高い性能・信頼性・可用性はもちろん、Windowsシステムならではの柔軟性を生かすことで、新たな事業戦略をタイムリーに展開することが可能です。こうしたメリットが評価され、現在は全国の地方銀行さま10行に採用いただいています」と同社の小島 昭人氏は説明する。

銀行の基幹システムには、24時間・365日の連続運転が求められるなど、極めて高レベルの運用管理が求められる。そこで、BankVisionではシステム提供だけでなく、ユーザー銀行に対して、システム運用も併せてアウトソーシングサービスとして提供。システムの安定稼働を確実に支えると同時に、運用管理の仕組みについても継続的な改善を行ってきた。

そうした活動の一環として、今回実施されたのが、業務運用の自動化をさらに進めるための取り組みだ。「システム監視やジョブ運用などについては、以前から日立の統合運用管理『JP1』を利用して自動化を図ってきました。しかし、日々の運用業務の中には、オペレータの手作業を伴うようなものも数多く存在します。こうした作業にも自動化の範囲を広げることで、人為的なミスによるリスクを極小化していきたいと考えました」と同社の栗原 孝幸氏は説明する。


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JP1/AO×JP1/NPの組み合わせに「脱手順書」の手応えをつかむ

これまで同社の運用部門では、ミス防止の観点から常に複数人体制でのチェックを実施。個々の運用業務も、必ず指示書や手順書に基づいて実施してきた。その効果は大きく、実際にミスが生じるようなケースは極めて稀だった。しかし、手作業である限りミスのリスクはゼロにはならない上、作業が集中する時間帯に向けてオペレータの人数を確保する必要がある。「品質を人で確保するプロセスをどこかで抜本的に変えないと、新しい銀行さまが採用していただく場合も、その度にオペレータを確保し、教育していく必要があります。これではリニアにサービスを成長させていくことはできません。BankVisionがさらなる進化を遂げるためには、自動化・省力化によるミス低減は極めて重要なテーマだったのです」と小島氏はその狙いを明かす。

図1:業務運用自動化のシステムイメージ

図1:業務運用自動化のシステムイメージ

JP1の運用自動化ツール「JP1/Automatic Operation」とナビゲーションツール「JP1/Navigation Platform」を組み合わせることで、オペレータはPCの画面に表示されるナビゲーションで手順を確認。それぞれの手順で必要となる作業はBankVisionシステムの業務サーバで自動処理される

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こうした同社の思いに応える製品として新たに採用されたのが、JP1の運用自動化ツール「JP1/Automatic Operation(JP1/AO)」とナビゲーションツール「JP1/Navigation Platform(JP1/NP)」である。前者は人の判断が必要となる処理を含む日々のIT運用を自動化する機能を、後者は運用手順やノウハウを可視化し、画面上で分かりやすくナビゲートする機能を持つ。この2つのツールを組み合わせることで、オペレータは画面に表示されるナビゲーションで手順を確認し、それぞれの手順で必要となる作業は自動化することができる。これによって、従来は人手でしか行えなかったような作業も効率的に自動化することが可能になる(図1)。

「もともとJP1ユーザーだったこともあり、何かいい解決策はないか日立に相談を持ちかけてみたところ、JP1/AOとJP1/NPの提案を受けました。その内容は、運用自動化+ナビゲーションのメリットをうまく生かせれば、高度なIT専門知識を持たないオペレータでも、迷うことなく正確な業務運用が行えるというもの。そこで本当に効果が期待できるかどうか、検証を行ってみることにしたのです」と栗原氏は話す。

図2:業務運用自動化の実現前と実現後

図2:業務運用自動化の実現前と実現後

実現前は人が手順を理解した上で、それぞれの処理を実行していたが、人為的なミスのリスクもあった。実現後は、手順書の指示を読み違えたり作業手順を間違えたりする心配もなく、誰でも同じ水準の作業品質を確保できるようになった

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日立では、実際の手順書の業務フローを分析し、JP1/AOとJP1/NPでどれくらいの作業が自動化できるかシミュレーションを実施。BankVisionの運用業務は定常業務/非定常業務の2種類に大別されるが、このうち大半を占める定常業務のシミュレーションにおいて約70%を自動化できるとの結論が導き出された。

「脱手順書が実現可能という手応えを得られたことは大きかった。画面の指示に従ってボタンを押すだけで、必要な運用プロセスが実行される。これは、従来のオペレーション業務のあり方を根本から変えました。手順書の指示を読み違えたり作業手順を間違えたりする心配もない。誰でも同じ水準の作業品質を確保できるということは、作業効率の改善や運用コスト削減にもつながってきます」と小島氏は話す(図2)。


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オペレーションミスを低減。顧客へのソリューション展開も

JP1/AOとJP1/NPの組み合わせによる新たな価値を高く評価した同社では、さっそくBankVisionの運用業務に導入。その結果、すでに多くの改善効果が生まれている。

「日々の定常業務については、事前検証の通り約70%の自動化を達成しました。しかも今回自動化を行った手順については、本稼働を開始して約1年、1件のオペレーションミスも発生していません」と栗原氏。長年の懸案であった人為的なオペレーションミス「ゼロ」に貢献している。

また、オペレータの作業時間は以前と比較して約15%短縮。以前は常時複数名体制で行っていたチェック作業も、少ない人数で済ませられるケースが増えたため、作業工数を約20~25%削減できたという。従来、品質を人で確保していた運用プロセスを根本から変えたことによって得られた成果は大きい。

新たな運用環境を構築する上では、日立のサービス・サポートも大きく貢献。JP1/AOとJP1/NPの導入にあたっては、さまざまな運用要件に応じた自動化コンテンツとナビゲーションコンテンツを作成する必要があるが、日立ではそのための教育プログラムの提供や講師派遣などを実施。「こうした日立の手厚いサービスを利用することで、自分たちの手でコンテンツ作成を行うノウハウを身に付けることができました。また、JP1/AOの機能改善要望などにも迅速に対応してもらい大変助かりました」と栗原氏は語る。

同社では現在、JP1/AOとJP1/NPの適用を拡大しつつあり、2016年度中には全てのユーザー銀行に対して自動化環境の導入を完了する。さらに、今後は非定常業務の効率化にも活用を進めていく考えだ。

そして、その先に見据えているのが、BankVision以外の分野へのソリューション展開である。「金融機関では多種多様な運用業務を抱えていますので、もっと省力化・効率化を図りたいというご相談もしばしばいただきます。その点、JP1/AOとJP1/NPを利用すれば、こうしたニーズにもお応えできるということが今回実証できました。今後は日立とのパートナーシップを生かし、お客さまの運用効率化やコスト削減にしっかりと貢献していきたい」と抱負を語る小島氏。JP1/AOとJP1/NPがその真価を発揮する場面も、ますます増えていくことになりそうだ。


http://www.unisys.co.jp/ お問い合わせ

株式会社 日立製作所 ICT事業統括本部
ITプロダクツ統括本部
URL:http://www.hitachi.co.jp/soft/jp1/inquiry/

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