世界初*のコンポーザブル・インフラ製品HPE Synergy登場!

コンポーザブル・インフラ フォーラム 2016 レポート

2016年1月27日、東京・赤坂で開催された「コンポーザブル・インフラ フォーラム2016」では、ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)が提唱する「コンポーザブル・インフラストラクチャ」と、世界で初めてこれを製品化*した「HPE Synergy」が披露された。コンポーザブル・インフラとは何か、まったく新しいコンセプトのITインフラ製品の正体とは――キーパーソンのメッセージからその実像に迫ろう。*米 Hewlett Packard Enterprise調べ

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HPEの「コンポーザブル・インフラストラクチャ戦略」とは

ビジネスと一体化したITインフラストラクチャへの変革

大月剛氏
日本ヒューレット・パッカード株式会社
執行役員 
サーバー事業統括本部長 

日本ヒューレット・パッカード(HPE)の大月剛氏は、「優れたアイデアをいち早く具現化して、あっという間に市場を席巻する“アイデアエコノミー”が台頭しています。企業がこの新しい時代を勝ち抜くには、新たな収益を獲得するためのクラウドネイティブなアプリケーションと、企業活動の中核を支え続ける基幹業務アプリケーションという、まったく性格の異なるワークロードに応えていかなければなりません。今こそ、より高効率な『ハイブリッド・インフラへの変革』が必要です」と話した。

HPEが推進する「コンポーザブル・インフラストラクチャ」は、仮想と物理、クラウドとオンプレミスが混在するインフラ環境において、ワークロードに最適なITリソースをオンデマンドで構成して利用可能にする――いわば、アイデアエコノミーの時代を勝ち抜くための「ビジネスと完全に一体化したITインフラ」を目指すものだ。

「HPEが2015年5月に発表した『コンポーザブル・インフラストラクチャ』と、これを推進するプロジェクト(Project Synergy)は、いよいよ第2フェーズに入ります。本日紹介する『HPE Synergy』は、物理・仮想・コンテナを単一のリソースプールとして提供する、まったく新しいカテゴリーのITインフラ製品です。あらゆるサービスを統合し、お客様のビジネスの成長に貢献することができます」

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コンポーザビリティという能力を備えた「HPE Synergy」

必要なリソースを自由に、迅速に構成し、返却も再利用も可能

Neil MacDonald
Hewlett Packard Enterprise
Vice President & General Manager,
HPE Synergy & BladeSystem
Converged Data Center Infrastructure

基調講演に登壇した米ヒューレット・パッカード エンタープライズのニール・マクドナルド氏は、「アイデアエコノミーの進展とともに、企業のITインフラは再びサイロ化・複雑化へ向かっている」と課題を提起した。

仮想化により、企業のITインフラは統合化に向かうかと思われた。しかし、ビッグデータやモバイルを活用するためのシステム、オブジェクトストレージ環境などは、仮想化基盤とは切り離されて個別に構築されているのが実情だ。物理環境も依然として残されたままである。

「企業における『従来型のITインフラ』は、ビジネスを支えるために信頼性やコンプライアンスが重視されます。たっぷり時間をかけて設計・構築し、できるだけ変更しないというのが前提でした。これに対してアイデアエコノミー時代に求められる『クラウドネイティブなITインフラ』は、収益を拡大するための基盤であり、俊敏性や柔軟性が最も重視されます」

構築に数週間から数ヶ月を要する従来型ITインフラのスピード感では、アイデアエコノミーを勝ち抜くことは難しい。しかし、企業がこれら2つのITインフラを別々に構築してサポートし続けるのは、さらに難しいという現実がある。予算や人員が倍増されることはありえないからだ。

「だからこそ、まったく新しいカテゴリーのITインフラが必要なのです。HPEが『コンポーザブル・インフラ』を提案する理由はここにあります。コンポーザブル・インフラでは、仮想化環境だけでなく、ベアメタル(物理環境)やコンテナもリソースプールとして活用できます。性格の異なる多様なアプリケーションに最適なリソースを自由に構成し、使用が終われば返却して再利用することも可能です」

コンバージドシステムやハイパーコンバージド製品は、仮想化による統合という役割を果たした。コンポーザブル・インフラは、仮想化に加えて物理環境やコンテナまでを統合することで、あらゆるサービスに対し最適なITリソースを提供して稼働させることができる。これを実現するための中核となる技術要素が、「可変的リソースプール」「ソフトウェア・デファインド・インテリジェンス」「ユニファイドAPI」である。

アイデアエコノミー時代のビジネスエンジン「HPE Synergy」

「HPE Synergyは、コンポーザビリティという能力を備えた初めてのITインフラ製品です。クラウドネイティブなアプリケーションから従来からの業務アプリケーションまで、あらゆるサービスを統合してビジネスの成長に貢献します」

「HPE Synergy」は、世界で始めて商用化されたコンポーザブル・インフラストラクチャ製品である。コンピュート、ストレージ、ネットワークファブリックをコンポーネント化し、複数のフレーム(筐体)間にまたがって単一のリソースプールを構築する。このリソースプールから、ワークロードごとに最適化されたシステムを自由にかつ迅速に作り出すことができる。コンピュートやストレージの構成比を自由に変えながら、最大20フレーム(5ラック)という巨大なリソースプールも構築可能だ。様々なハードウェアリソースの管理と制御を実現するのは、「コンポーザー」と呼ばれる新開発のモジュール。OSブート環境を提供する「イメージストリーマー」は、サーバー群に割り当てるOSイメージの作成をわずか15秒で実現し、迅速なセットアップを可能にする。

HPE Synergyが実現するITインフラ上には、新旧・大小・SLAの高低を問わずあらゆるアプリケーションとサービスを統合できる。単一のリソースプールから、それぞれに最適なITリソースをコンポーズ(構成・変更)可能なので過剰なリソースを割り当てる必要はない。運用も単一モデルに統合可能だ。

「HPE Synergyは、クラウドに匹敵するスピードでリソースを展開でき、アプリケーション開発の迅速化に貢献し、ITインフラへの過剰投資を抑制できます。まさにアイデアエコノミー時代のビジネスエンジンとなります」とマクドナルド氏は強調した。

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クラウド型の運用をオンプレミス環境で実現するHPE Synergy

オンプレミスとクラウドのメリットを併せ持つHPE Synergy

中井大士氏
日本ヒューレット・パッカード株式会社
サーバー製品統括本部
サーバー製品本部 本部長

日本ヒューレット・パッカードの中井大士氏は、「仮想化基盤、データ分析やオブジェクトストレージの専用システム、事業部門ごとに無秩序に利用が広がるパブリッククラウド――企業のITインフラでは、新しいワークロードが増えるごとにサイロ化が進んでいます」と指摘し次のように話した。

「オンプレミスの利点は高い自由度、クラウドの利点は高い俊敏性です。HPE Synergyは両者の利点を併せ持っており、クラウド型の運用をオンプレミス環境で可能にします。これにより、迅速性や柔軟性における大きな差、運用ツールやポリシーの違いなど、オンプレミスとクラウドのギャップを埋めることができます」

HPE Synergyは、オンプレミス側であらゆるワークロード/アプリケーション/サービスを統合するとともに、Microsoft Azureなどのパブリッククラウドとシームレスに連携できる。

「オンプレミスかクラウドかという二者択一ではなく、“Right Mix(最適な割合)”が重要です。その前提となるのが、オンプレミスとクラウドを透過的に扱えることです。HPE Synergyなら、共通のツールを使って、共通のポリシーで両方の環境を運用することができます。『ハイブリッド・インフラへの変革』に、現実的かつ理想的なロードマップを示す製品と言えます」

すべてのITリソースを「コンポーネント化」

辻寛之氏
日本ヒューレット・パッカード株式会社
プリセールス統括本部 
サーバー技術本部
シニアソリューションアーキテクト

続いて日本ヒューレット・パッカードの辻寛之氏が、HPE Synergyが実現する「あらゆるサービスの統合」と「クラウド型の運用」についてデモを交えながら解説した。サービス統合においては「可変的リソースプール」が、運用面では「ソフトウェア・デファインド・インテリジェンス」と「ユニファイドAPI」がそれぞれ重要な役割を果たす。

「HPE Synergyは、フレーム内にコンピュート、ストレージ、ネットワークファブリックを収容し、すべてのITリソースを『コンポーネント化』して単一のリソースプールに格納します。そして、そのコンポーネントを必要なときに、必要な仕様で、自由に組み立てることができます。たとえば、1Uサーバー相当のスペックでサービスを開始した後に、ビジネス要求に応じて物理リソースを追加し、スペックの増強されたサーバーに再構成することができます」(辻氏)

従来は、「1Uサーバーを選択した時点でスペックの上限が固定されていた」という事実に着目すべきだろう。HPE Synergyでは、運用開始後でもハードウェアの仕様を自由にコンポーズ(構成・変更)可能だ。こうした柔軟性をもたらすのが「可変的リソースプール」であり、HPE Synergyへのあらゆるサービスの統合を可能にしている。

テンプレートによるセットアップの高度な自動化

リソースプールに対する制御を手間なく確実に行えることが、HPE Synergyのもうひとつの特長だ。ソフトウェア・デファインド・インテリジェンスを備えた管理モジュール「コンポーザー」が、これを可能にしている。コンポーザーは、まずITリソースを検出して自動的にリソースプールに組み込む。

「そして、システム構成を定義した『テンプレート』を適用するだけで、あとはコンポーザーが自動的にかつ迅速にコンポーネントを組み立ててサーバー環境を構築します。たとえば、テンプレートを適用して1Uサーバー相当のスペックをセットアップし、運用開始後に別のテンプレートで書き換えて増強されたスペックに再構成することも実に簡単です」(中井氏)

ITリソースを構成し、必要に応じて拡張し、使用が終われば返却して次の用途で再構成するような運用が思いのままに行える。テンプレート化は、手作業を廃してセットアップの迅速化に寄与するだけでなく、誰が操作しても間違いのない構成を可能にする。セルフサービス化に即座に適用できる機能だ。

サーバーごとのOSイメージを15秒で起動可能に

さらに、コンポーザーが組み立てた複数の物理環境に対して、OSとハイパーバイザーを高速に展開するための専用モジュール「イメージストリーマー」も提供される。

「OS/ハイパーバイザーのマスターイメージを『イメージストリーマー』に格納し、iSCSIブートでサーバーを起動させることができます。わずか15秒でサーバー群に割り当てるOSイメージを作成し、多数のサーバーに一斉配信して迅速なセットアップを実現します」(辻氏)

パブリッククラウドでインスタンスを立ち上げる動作を、イメージストリーマーがオンプレミスの物理環境で実行すると考えればいい。実際の運用では、HPE Synergyは管理者にハードウェアの存在すら意識させないという。ソフトウェア・デファインド・インテリジェンスがハードウェアを覆い隠すからだ。HPE Synergyの運用は、パブリッククラウドを扱う感覚に限りなく近いものになる。

「このように、HPE Synergyはオンプレミスでありながらクラウド型の運用が可能になります。物理環境を組み立て、ハイパーバイザーとOSをセットアップする手順は、管理者が使い慣れたMicrosoft System CenterやVMware vCenter、OpenStackをはじめ、利用が広がっているChefからもシームレスに実行できます。これを実現しているのが『ユニファイドAPI』です」(辻氏)

ファームウェアやドライバーの統一、BIOSやアドレスの設定、ネットワークやストレージのコンフィグレーションなど、従来はタスクごとに異なるAPIとツールを使い分ける必要があり、これが自動化を妨げる大きな要因になっていた。HPEが開発した「ユニファイドAPI」を介すことで、物理リソースの制御は飛躍的に容易になった。これに賛同する企業・団体は、Arista、CapGemini、Chef、Docker、Microsoft、NVIDIA、VMwareなど、すでに数十に達しているという。

「ビジネスのスピードを加速させ、戦略をいち早くビジネスの成果へと結びつけることが、アイデアエコノミーの時代を勝ち抜く唯一の方法です。HPEは、HPE Synergyのご提供を通じて、お客様のコンポーザブル・インフラへの移行を強力にご支援してまいります」(中井氏)

世界初*のコンポーザブル・インフラストラクチャ製品「HPE Synergy」の出荷は、2016年半ばに予定されている。その実力を体感できる日は近い。
*米 Hewlett Packard Enterprise調べ

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