ITモダナイゼ―ションSummitレビュー|ITモダナイゼ―ションSummit 2016 いつまでそのシステムを使い続けますか?

システムズ

レガシー資産の「可視化」から始める
現実的モダナイゼーション

~『リドキュメント』『リファクター』『リライト』を事例とデモで解説~

 

方針と手法の策定はモダナイゼーションの成否を左右するほど重要である。システムズは資産棚卸やプログラムの整構造化などで行う「システム可視化」によって、ブラックボックス化を解消し、最適な方針・手法策定を実現する。方針・手法策定後も、同社が得意とするリライトを軸に、モダナイゼーションを支援する。

 

 

 

レガシー資産の棚卸からドキュメント再整備などで実態を可視化

株式会社システムズ マイグレーション事業本部 企画推進部 販促・広報担当部長 中本 周志 氏

株式会社システムズ
マイグレーション事業本部
企画推進部
販促・広報担当部長
中本 周志

 モダナイゼーションの9つの手法のなかで、リラーンとリドキュメントとリファクターは準備的モダナイゼーション、それ以外は中核的/再構築的モダナイゼーションに大別できる。「システムズでは、ドキュメントの再整備を行うリドキュメントと既存のソースコードを設計改善するリファクターの2手法を『システム可視化』と位置づけ、重視しています」と中本氏は話す。

 

 一般的にモダナイゼーションを実施する際は、対象となる既存システムの現状調査・分析を行い、その結果と経営方針や業務特性などを見極め、長短所やコストやリスクなどを比較検討したうえで、方針を決めてリライトやリビルドといった手法を策定する。

 

 しかし、保守費増大や拡張性欠如などの問題が深刻化しているものの、手を打てずに“塩漬け”となっているレガシーシステムの場合、方針・手法策定までたどりつけないケースが少なくない。「長年にわたる機能追加・改善の繰り返しでシステムが複雑化し、プログラムがスパゲッティ化したうえに、構築要員の高齢化・退職も加わり、ブラックボックス化しています。すると、そもそも問題の原因は何か、どこからどう手を付ければよいのかすらわからず、方針・手法策定ができません」と中本氏は指摘する。

 

 そのようなブラックボックス化の壁を乗り越えるために必要なアプローチがシステム可視化である。「現行資産の棚卸、ドキュメント再整備などを行い、“塩漬け”システムの実態を可視化します。これで、方針・手法策定という次のステップへ進めるようになります。既存システムの実態を的確に把握できるので、方針・手法を適切に策定できるでしょう。さらには可視化に伴う標準化や属人性排除などによって、保守コスト削減などの効果も見込めます」(中本氏)

 

整構造化で“スパゲッティ状態”の解消も

 システムズが提案するレガシーシステム可視化の機能および作業内容は①資産棚卸、②データディクショナリー整備、③プログラムの整構造化、④ドキュメント作成の4プロセスから成る。

 

 ①では「実行LOGを基に稼働JOB、JCLライブラリを基に対象稼働プログラム、ソースライブラリを基に対象ソースを洗い出します」(中本氏)という方法で現行資産の棚卸を実施し、使用/非使用/重複プログラムをそれぞれ確定する。資産の一覧や関連図などのドキュメント出力も行い、有効資産を可視化する。

 

 次に②では、まず定義やソースからデータ項目を洗い出す。そして、規則にのっとり各データ項目に日本語名を付与し、データ項目辞書として登録・整備。日本語名も付与された辞書化することで、見やすさと把握しやすさが向上する。並行して、リポジトリ作成や名称統一化も行う。

 

 ③はリファクター(コードの設計改造)に該当する作業だ。GO TO文の多用など現行プログラムがスパゲッティ状態のまま自動ドキュメントツールにかけても、作成されるドキュメントもスパゲッティ状態になってしまう。そこで、整構造化変換を行う。

 

 「手続き部分を順次・選択・反復の組み合わせに変換することで、手続き部分が階層化されてわかりやすくなり、命令の範囲も明確化できます。なおかつ、GO TOは無くし、デッドコードは削除されます。その結果、スパゲッティ状態が解消されたソースに改善できます」と中本氏はその効果を述べる。

 

 ④は③で整構造化したソースを基に②のデータ項目辞書を用いつつ、各種ドキュメントを自動ツールで作成して再整備する。「例えば、プログラムソースを解析して、モジュール単位にアクセステーブルIDや処理形態などを抽出し、「テーブルIN/OUT一覧表」に整理した後、CRUD図に展開する。ほかにも、JCLを解析してJOB構成図を作成するなど、ドキュメントが自動作成できます」(中本氏)

 

 以上のプロセスにてシステム可視化を行うことで、現行資産の把握が容易になり、ブラックボックス化が解消される。併せて、手書きドキュメント改訂が不要になるなど、業務効率化も達成できる。

 

図1準備的モダナイゼーションによりシステム資産を可視化することがブラックボックス化したシステムを整理し、次のステップへ進むための堅実なアプローチ。

 

開発言語間の非互換をリライトで解決

 システムズが中核的/再構築的モダナイゼーションで主に採用する手法がリライトである。同社はマイグレーションに20年以上注力しており、独自の技術やノウハウを蓄積している。簡易言語や第4世代言語といった異種開発言語環境からのマイグレーションも豊富な実績を持つ。「アプリケーション資産の開発言語間の非互換をリライトによる変換で解決します。変換ツールも適宜利用して効率化します」と中本氏は語る。

 

 同社が手がけたモダナイゼーションでは、COBOLからJavaはもちろん、NATURALからCOBOL2002、EASYからNetCOBOLなど、移行難易度が高い言語のリライト実績も多い。また、移行先のプラットフォームはオンプレミスのみならず、クラウド上の仮想環境も増えている。「今回はリライトを中心に事例を紹介しましたが、他にも様々な手法があります。システム可視化によって現行システムの特徴を把握したうえで、目的や効果とリスクの両方を鑑みて、最適な手法を選択しましょう」中本氏は、こう呼びかけて講演を終えた。

 

株式会社システムズ

本社 マイグレーション事業本部
TEL 03-3493-0032(ダイヤルイン)
http://www.systems-inc.co.jp

メールでのお問い合わせはこちら >> migration@systems-inc.co.jp