英国最大のIT企業へと成長するマイクロフォーカスが、COBOLでアプリケーション イノベーションを継続支援

マイクロフォーカス
アジアパシフィック&ジャパン
プレジデント
Stephen McNulty

ビジネスアプリケーション資産のモダナイゼーションを支援するマイクロフォーカスは、2016年11月22日、東京コンファレンスセンター・品川で「COBOLフォーラム2016」を開催した。

開会挨拶に登場したマイクロフォーカス アジアパシフィック&ジャパン プレジデント Stephen McNulty氏は、1976年創業以来の最大の買収案件と形容したHPエンタープライズ社のソフトウェア部門買収に触れ、"これによって私たちは英国で最大のIT企業になる。これからもCOBOLに注力していくことに変わりなく、この市場に向けて有益かつ強力な製品やサービスを提供していく"と語った。

今回のCOBOLフォーラムでは、キーノートセッションに英マイクロフォーカス CTO(最高技術責任者)Stuart McGill氏が登場、同社のビジネス戦略を紹介した。続く4つのセッションでは、ユーザーによるCOBOL活用事例の紹介や、COBOL技術動向を始め基幹システム開発・運用に有益な最新情報が提供された。

英国最大のIT企業に成長しても、
事業の中核はCOBOL

2016年、HPエンタープライズ社 ソフトウェア事業部門買収を発表

マイクロフォーカス
CTO(最高技術責任者)
Stuart McGill

 世界は変化し続けている。2016年、英国はEU離脱を決断し、米国にはトランプ大統領が誕生する。英マイクロフォーカス CTO(最高技術責任者)Stuart McGill氏は、こうした激動の中で、英マイクロフォーカスが今年設立40周年を迎えられたことは大変喜ばしいことだ、と述べた。

 着実に成長を遂げてきた陰には、自社製品を進化させつつ、ユーザーに価値をもたらす製品を持つ企業を適切に買収してきたことがあるとする。過去にはBorlandやAttachmate Groupを傘下に収めてきたが、McNulty氏も言及したとおり、2016年、同社はHPエンタープライズ社ソフトウェア部門の買収を発表した。買収手続の完了は2017年第3四半期と予定されているが、これにより同社は、年間売上高約4,500億ドル、従業員数16,000名、顧客企業数50,000の英国最大のIT企業に踊り出ることになる。しかしMcGill氏は、"私たちの原則は変わらない"と主張する。

 「あくまでも事業の中核はCOBOLです。分散COBOL技術における業界No.1リーダーであることを誇りとしており、50を超えるプラットフォームをサポート、年間6,000万ドルを研究開発に投資しています。これからもお客様がCOBOL資産活用のために必要なものを提供し続けていくというのが、私たちの為すべきことだと考えています」

今も成長し続けるCOBOLアプリケーション、支え続けるマイクロフォーカス

 講演の中で同氏は、興味深い統計レポートを紹介した。同社が独自に調査したそのレポートによれば、COBOLアプリケーションの巨大化はさらに進んでおり、そのライフタイムは10年以上にわたると予想するユーザー企業は45%にも達する。こうした中で今重要視されているのは、最適なアプリケーションを迅速に提供することであると同氏は強調する。"ITの生産性向上"はもうあまり響く言葉ではなく、それよりも"アプリケーション納品を30%迅速化できる"という方がユーザーに喜ばれるという。この目的に向けて、またよりクラウド化およびモバイル化ニーズにマッチするよう、同社は現在の機能をブラッシュアップしたMicro Focus Visual COBOL 3.0 を2017年にリリースする。

 「マイクロフォーカスは企業として大きく成長していますが、基本原則は変えません。ビジネスの中核はCOBOLであり、COBOL市場に注力していきます。これまでの40年がそうであったように、次の40年間も皆さまのご要望にお応えしていきます」McGill氏はそう語って講演を締めくくった。

Micro Focus のCOBOLソリューション

IBMメインフレーム廃止でコストダウン
選択したのはリホスト・マイグレーション

メンテナンス性を憂慮し、Javaへのリライト・マイグレーションを断念

王子ビジネスセンター株式会社
取締役
ソリューション事業本部長
緒方真一路

 続いて登壇したのは、王子ビジネスセンター株式会社 取締役 ソリューション事業本部長 緒方真一路氏である。王子ビジネスセンターは、王子製紙等を中核事業会社とする王子グループのIT戦略と実行を担っているシェアードサービス会社で、2001年、王子製紙の情報システム部門の分社独立により誕生した。

 2014年、同社は主要事業会社の工場システムや営業系システムといった基幹システムが稼働するIBMメインフレームを廃止し、システムのコストダウンを図ることを決定した。そのプログラム規模は、COBOL約13,000本、ステップ数にして約2,000万に上る。

 当初、同社ソリューション事業本部では、これらの資産をすべてJavaで書き換えるリライト・マイグレーションを構想した。 システムインテグレーターにサンプルマイグレーションを依頼したところ、動作するプログラムが出来上がってきた。最終確認として、プログラムを同本部Java部門でソース解析を実施したところ"とてもじゃないがメンテナンスできない"という言葉が返ってきた。緒方氏は、プログラム書き換えは継続的なメンテナンスの障害になると判断、既存COBOLプログラム資産を活かすリホスト・マイグレーションへ方向を切り替える。

コストダウンのみならず、レスポンス向上や業務効率維持といった効果も

 リホストについてはシステムインテグレーター2社から提案があり、同社はよりコストパフォーマンスの高かったMicro Focus Enterprise製品の採用を決定。最終的には自社独力によるマイグレーションを選択した。

 緒方氏は「この決定が、2014年10月から始まったプロジェクトの中で最大のポイントでした」と語る。2016年8月、ワークロードにして150人月に相当する第1次マイグレーションプロジェクトが完了し、すでに安定的に稼働中だ。

 コストダウンが最大の目的だった今回のリホスト・マイグレーションだが、当初の目論見通り保守要員の増員やスキル変更は発生することも無く、導入効果としてコンピューター処理速度の大幅な向上といった"うれしい誤算"も生じている。マイグレーションコストは、IBMメインフレーム撤去後約3年で回収可能という目処が立っているという。

第1次マイグレーション後のシステム状況

COBOL開発もアジャイルを実現するDevOpsで
生産性向上とコストダウン

全世界のアクセンチュアDCでCOBOLエンジニアが活躍中

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
テクノロジーアーキテクチャグループ
マネジング・ディレクター
西尾友善

 アクセンチュアは、米国に本社を置き世界各国に拠点を擁するコンサルティングファームだ。同社はまたグローバルにいくつかデータセンターを展開しており、そこでは数万人規模でCOBOLエンジニアががんばっている、と、アクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャグループ マネジング・ディレクター 西尾友善氏は語る。東京オフィスではまだCOBOLエンジニアは少ないが現在採用強化中で、今後さらに増員する計画があるという。

 COBOLが関連する同社の取り組みとしては、計画、プロジェクト管理、開発、保守・運用とシステムライフサイクル全般にわたり、特にシステム開発・保守でCOBOLエンジニア活躍の度合いが高くなっている。

 西尾氏は、「アクセンチュアもCOBOLの仲間だとご認識いただければ。今後もCOBOLフォーラムでさまざまな話題を提供していきます」と語った。

ビジネスの俊敏さを加速させるDevOpsはCOBOL開発にも有効

アクセンチュア株式会社
テクノロジーコンサルティング本部
テクノロジーアーキテクチャグループ
シニア・マネジャー
下野隆資

 セッション後半は、アクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャグループ シニア・マネジャー 下野隆資氏にバトンタッチし、DevOpsについて言及した。DevOpsとは、俊敏さが求められる今日のビジネスにおいて、構成管理、プログラムレビュー、テスト、環境プロビジョニング、デプロイなどの一連の繰り返し作業を自動化し、開発からリリースまでを素早く、何度でもミスなく実現するためのアプローチであり、オープンシステムの世界では一つの潮流となっている。

 このDevOpsがメインフレームのCOBOL開発でも適用可能だと下野氏は語る。この推進を後押しする道具立てとして、Micro Focus Visual COBOLを始めとするMicro Focus製品やIBM系製品がラインナップされており、ユーザー企業のニーズに合わせた支援が可能だと主張した。AWSなどのクラウド環境でCOBOLを開発し、コーディングチェックやレビュー、単体テストを自動実行し、好きな時に繰り返し実行・検証ができる。DevOps適用により企業は、ビジネスの変化をより早くシステムに反映できる、開発生産性の向上が見込め、保守コスト削減に寄与できるなど、さまざまな効果を享受できるという。その後、下野氏はDevOps適用事例を紹介、参加者に対して一考の価値があることを訴えた。

COBOL開発へのDevOps適用─適用の効果

COBOLはアプリケーションのイノベーションを支えるエンジン

モダナイゼーションはリライトの目的を満たし、さらにそのリスクを回避できる手段

マイクロフォーカス株式会社
技術部 マネジャー
光富良裕

 セッションのタイトルは「進化し続けるCOBOLテクノロジー」。登壇者はマイクロフォーカス株式会社 技術部 マネジャー 光富良裕氏である。キーノートやスペシャルセッションでも繰り返し言及されていたとおり、今日は俊敏なアプリケーション提供が求められている。同氏はCOBOL開発でもそれは十分可能であるとし、その一例としてDAD(Disciplined Agile Delivery)という目的駆動型エンタープライズアジャイル開発手法を紹介。続いて、Micro Focus Visual COBOLや継続的インテグレーション支援ツール Jenkinsなどを活用し、この開発手法による自動車保険料計算プログラムのアップデートをデモで披露した。

 システムのマイグレーションに当たっては、リライトかモダナイゼーションかという検討が頻繁に行われる。リライトに期待される利点は新技術への対応などにあるが、光富氏は、モダナイゼーションなら、それに加えて、運用コストの削減、現行機能の維持、保守の容易性、品質劣化リスクの回避と書き換えコストの回避といった利点も享受できるとする。その証左として同氏はStandish Groupのレポートを示した。ここでリライト、モダナイゼーション、それぞれ100件以上の事例でその成否を分析したところ、前者でプロジェクトが失敗したケースが49%に上ったが、後者では8%に過ぎなかった。

主要な移行手段─モダナイゼーション

モバイルアプリ化、バッチの並列分散処理、すぐそこにある最新技術連携策

 ここからはオンライン処理、バッチ処理、それぞれにモダナイゼーションの実際を見ていくパートだ。Micro Focus Visual COBOLでは、ネイティブコード、Javaバイトコード、.NETマネージドコードと、ターゲットに応じたCOBOLソースのコンパイルが可能だ。オンライン処理プログラムをモダナイズする実例として光富氏が挙げたのはモバイルアプリ化だった。デモではCOBOLロジックをREST API化、顔認証という最新の認証機能を導入しつつ自動車保険料計算プログラムをタブレット端末から利用可能にする様子を実演した。

日本オラクル株式会社
クラウド・テクノロジー事業統括
担当マネジャー
大橋雅人

 バッチ処理ではどのようなモダナイゼーションが可能か。同氏は、プラットフォームをオープン環境へ移行することにより、現行機能を維持しながら運用コスト削減とパフォーマンス向上を実現した実績は豊富にある、と説明する。そして、バッチ処理の更なる進化について、実例の一つに並列分散処理技術であるHadoopとの連携があるとしたのは、日本オラクル株式会社 クラウド・テクノロジー事業統括 担当マネジャー 大橋雅人氏だ。今回、講演協力で登壇した。

 同社ではHadoopとリレーショナルデータベースとの融合ソリューションに力を入れており、Hadoopアプライアンス製品やHadoopとOracleデータベースの連携強化ソフトウェアやクラウド上でのビッグデータ活用環境の提供を行っている。これはCOBOLユーザーにも活用可能と、大橋氏はバッチ処理時間を50%削減したスペインの銀行の例を紹介した。

 ここで再び光富氏が登壇。「このようにさまざまなモダナイゼーション策があるCOBOLは革新の足かせではなく、アプリケーションのイノベーションを支えるエンジンです」と強調し、COBOLのさらなる活用を参加者に呼びかけた。

生産性向上、互換性維持、コストダウン。
モダナイゼーション効果は多彩

クラスライブラリ活用で開発生産性が30%向上─共同印刷

 このセッションは、マイクロフォーカス製品のユーザー事例を主に紹介する時間となった。登壇したのは同社 営業部 マネジャー 浅井圭子氏である。

 同氏はまずマイクロフォーカスが提供する主要ソリューションを紹介した後、共同印刷株式会社での実際のモダナイゼーション事例について語った。共同印刷ではさまざまなビジネスフォーム制作を行っているが、近年、顧客から預かるシステムデータがメインフレームからオープン系へと移行しており、納品もPDFを希望されるケースが増えてきた。そこでWindowsベースのデータ処理システムを構築することに。その統合開発環境としてMicro Focus Visual COBOLが採用された。Visual COBOLによって.NET Frameworkと豊富なクラスライブラリ資産を活用した開発ができたことで、開発生産性が30%向上したという。

バージョンアップでもMicro Focus COBOLの互換性に期待─SOMPOシステムズ

SOMPOシステムズ株式会社
ITシステム本部
オンライン基盤グループ統括担当
部長
進藤誠

 続く事例解説には、SOMPOシステムズ株式会社 ITシステム本部 オンライン基盤グループ統括担当 部長 進藤誠氏が登壇した。

 同社がモダナイゼーションの対象としたのは保険代理店システム SJNK-NETである。35,000を超える保険代理店が利用するシステムで、2002年のリリース当初よりMicro Focus Net Expressを導入してもはや“空気のような存在”だという。次世代損保基幹システムを構築するにあたり、現行環境のインフラをバージョンアップする必要があり、それに伴ってMicro Focus Visual COBOLを導入した。「バージョンの相性など、さまざまな点を考慮しなければならないプロジェクトにおいて、互換性が保たれているCOBOLはそういう懸念が少ない。私たちにとってはそれが重要であり、最大の関心事です」進藤氏はMicro Focus Visual COBOL導入の理由をこのように語った。

ACOSメインフレームのマイグレーションもMicro Focus COBOL
─アサヒグループホールディングズ

キヤノンITソリューションズ株式会社
SIサービス事業本部
産業開発センター 産業開発第六部
部長
西田悦也

 三つ目はアサヒグループホールディングズ(以下、アサヒグループ)のACOS-4メインフレームマイグレーション事例を、担当システムインテグレーターであるキヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS) SIサービス事業本部 産業開発センター 産業開発第六部 部長 西田悦也氏が紹介した。

 アサヒグループでは2014年、脱ホストプロジェクトを立ち上げ、全62システムのうち19システムをマイグレーション対象システムと位置づけた。そして、それらプログラム資産の大半はMicro Focus Visual COBOLを利用しオープン環境へ移行。プロジェクトは1年4ヵ月で完遂し、劇的なコストダウンのみならず、システム柔軟性の確保、リスク回避、事業継続性の担保といった当初の狙いをすべて達成したという。

 その後再び浅井氏が登壇、「ビジネスの強みとなるロジックや安定稼働しているシステムを、リスク・コスト・時間をかけてリライトする必要があるでしょうか。ビジネスや技術の変化に柔軟に対応可能なCOBOLの継続利用をご検討ください」そう語ってセッションを終了した。

マイクロフォーカスからのメッセージ

マイクロフォーカス株式会社 営業部
http://www.microfocus.co.jp/

メールでのお問い合わせはこちら
sales@microfocus.co.jp

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