ITモダナイゼーションSummit 2017 レビュー

Java化、それともリホスト?事例で分かったモダナイ手法のメリット・デメリット

CSCとヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)のエンタープライズサービス部門が合併して生まれたDXCテクノロジーは、世界最大級の独立系ITサービス企業である。同社が得意とするモダナイゼーションはコンバージョンとリホストだ。最初の方向性検討フェーズからプロジェクトに参画し、分析・戦略検討から移行・再構築などをトータルサポートする。経験豊富な同社が考えるモダナイゼーション成功のポイントとは?

世界最大級の独立系ITサービス企業が誕生

DXCテクノロジーグループ
CSCジャパン合同会社
執行役員
西川 望

DXCテクノロジーグループ
CSCジャパン合同会社
シニアプロフェッショナル アプリケーションデザイナー
川添 貴之

2017年4月、CSCとヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)のエンタープライズサービス部門が合併し、DXCテクノロジーが生まれた。売上高は250億ドル、全世界の従業員は17万人超。世界最大級の独立系ITサービス企業である。

「当社はあらゆる業界のお客様にITサービスを提供しています。産業別のビジネス知識を含め、アプリケーションからインフラまでトータルにサポートできる総合力が強み。もちろん、各分野で専門性を持つエンジニアの層も非常に厚い」と語るのは、DXCテクノロジーグループ CSCジャパンの西川望氏である。

同社が注力している分野の1つが、既存システムの様々な課題の解決を図るITモダナイゼーションである。その課題としては特定技術へのロックイン、エンジニア単価の高騰、あるいはモバイルやクラウド、アナリティクスへの対応の難しさなどがある。既存システムの維持管理コスト削減、あるいは新しい価値の実現を目指してモダナイゼーションに踏み切る企業は増えている。

モダナイゼーションには、いくつかのパターンがある。レガシーインフラのコスト削減を重視する場合、検討対象はリホスト、コンバージョン、リプレイス、リビルドの4パターンであることが多い。それぞれにメリットとデメリットがあるので、自社に適した最適なパターンを選ぶ必要がある。同社の川添貴之氏はこう説明する。

「現行業務を変えたい場合には、リビルドとリプレイスが選択肢に入ります。また、現行業務を基本的に維持するのであれば、コンバージョンかリホストということになります。企業の置かれたビジネス環境や経営戦略をもとに、最適なパターンを慎重に選ぶ必要があります」

同社は特にコンバージョンとリホストで多くの実績を持つ。モダイナイゼーションの分野で、複数のパターンを得意とするベンダーは極めて少ない。

最初の方向性検討が、モダナイゼーション成功のカギ

モダナイゼーションを進める際には、方向性検討フェーズから分析・戦略検討フェーズ、移行・再構築フェーズの順に3つの段階を踏む必要がある。しかし、企業によっては最初のフェーズを飛ばして、「モダナイゼーションありき」で物事を進めるケースがあるようだ。モダナイゼーションそのものが難易度の高いプロジェクトだけに、そうしたやり方はリスクが高いと川添氏はいう。

「最初にIT部門だけでなく、経営層や業務部門も巻き込んで方向性を議論することが重要です。方向性検討が不十分な場合、後になって追加の要求が出てきたり、手戻りが発生したりすることが多い。当社がお客様のマイグレーションを支援する際には、最初のフェーズを丁寧に進めるよう心がけています」

方向性の検討に当たって、同社はワークショップ形式を取り入れている。その中で現状の洗い出しや変革への道筋、プロセスやシステムの成熟度などを議論し、大きな方向性についての合意を得る。同社はファシリテーター役としてこうした議論を側面支援する。こうした議論により、その後のプロジェクトはよりスムーズに進められるという。

コンバージョンとリホストで多数の実績と豊富なノウハウ

前述したように、DXCテクノロジーの強みはコンバージョンとリホストにある。コンバージョンにおいては、「QTE/QRE」という独自ツールが中核的な役割を担っている。

「QTEは、COBOLやRPGからJavaへの自動変換を行う当社独自のツール。手作業を極力排除し、人的ミスをなくすとともに効率的なコンバージョンを実現します。一方のQREは、変換したソースコードをエミュレーションするフレームワーク。QTE/QREアプローチにより、ビジネスロジック層とエミュレーション層が分離されます。したがって、COBOLやRPGとJava、両方の技術者が理解しやすい。これが可読性の保持につながります。同時に、移行後はオープンテクノロジーに準拠するので、特定技術に依存しないアーキテクチャーを構築することができます」(川添氏)

また、QTE/QREアプローチによる移行先として、SAP Cloud Platformを選ぶことも可能だ。これは、同社の提供する付加価値サービスである。

「コンバージョンしたシステムをSAP Cloud Platformに載せることで、モバイルやIoT、アナリティクスなどに対応する次世代プラットフォームを構築することができる。新しいビジネス価値を追求するお客様にとって、非常に有用な選択肢だと思います」と川添氏は語る。

もう1つのリホストは、COBOL資産を残しつつオープン環境に移行するもの。特にCOBOL技術者の多い企業にとって、メリットは大きい。既存のアプリケーション資産を活用しつつ、メインフレームといった既存インフラを廃止し、オープン系のインフラに載せ替える。これにより、インフラの維持コストを大幅に低減させることが可能だ。

モダナイゼーションの選択肢

モダイナイゼーションに関心を示しつつ、迷っている企業も少なくないだろう。そこで、同社は簡易診断サービスを提供している。

「モダナイゼーションを実施すべきかどうかを含めて、方向性検討の議論をサポートします。同時に、既存システムの状況把握やリスク評価なども、簡易診断サービスの中で提供しています」と川添氏。現状を知ること、方向性を見定めること。それが、モダイナイゼーションの第一歩である。

ステージ別モダナイゼーションの進め方

お問い合わせ

DXCテクノロジーグループ CSCジャパン合同会社

http://www.dxc.technology/jp

メールでのお問い合わせはこちら >> contactjp@dxc.com

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