ハイパーコンバージドインフラストラクチャの最適なソリューションとは

オンプレミスから仮想化、HCIへの進化

竹本 少し前のオンプレミスの頃は、OS、サーバ、ストレージがサーバーシステム毎に独立している状態で、仮想化が浸透するにつれ、レイヤで横串にするサーバプールやストレージプールという考え方がとられました。次に、SDC(Software Defined Compute)やSDS、SDNのレイヤを仮想化プールにするといったコンセプトが出てきました。このようなトレンドに対して、我々は、それぞれのレイヤでSDC、SDS、SDNのさまざまな組み合わせでお客様にソリューションを提供してきています。ここでHCIが検討の遡上にあがるようになり、SDC、SDS、SDNが1つに統合され、仮想化プールに比べて、管理面でかなりの利便性があるソリューションを提供できるようになると考えています。一方で、これまではサーバやストレージ、ネットワークの専門のエンジニアに任せていたのが、それぞれが微妙に絡み合うことになり、特にネットワークはすべてのリソースと関連することになります。そのため、エンジニアは幅広くテクノロジーを見る必要があり、その組み合わせはかなり複雑になってきます。その意味では、HCIでは管理がかなり楽になると感じています。

 また、リソースの増強を考えると、オンプレミスではそれぞれのサーバやシステムで増強を考えなければならないという複雑さがありました。仮想化では、ある程度まとまった形になりましたが、やはり、サーバプール、ストレージプール、ネットワークの単位で増強を考えるという形になります。HCIでは、同じ構成のものを単純に足していくだけでよいので、リソース増強の部分でも管理が楽になると思います。

宮原 HCIが普及する以前に、コンバージドインフラストラクチャというコンセプトが出てきましたが、あまり成功しませんでしたね。各社が出していましたが、高額な汎用機のようなイメージを払拭できなかったのだと思います。オーダーメイドの仮想化環境を求める特定のハイエンドユーザーには適していても、一般のユーザーが利用しやすい標準的なソリューションにはなりませんでした。

高添 第一世代と言ってよいのかはわかりませんが、第一世代コンバージドインフラストラクチャは、専用ストレージ機が中心となって、そこにサーバを載せて垂直統合するイメージだったので、専用ストレージ機そのものの重みがあったと思います。コストも高く、大きく普及するモデルにはなりませんでした。そこから、標準的なx86サーバを活用したSDSが進化してきたのは、非常に大きなことだと思います。

宮原 HCIで、SDxを統合していきたいというニーズは、運用管理者側から非常に大きかったのではないでしょうか。

正田 ストレージについては性能を追求するので分けておきたいという考え方もありますが、ベースの部分のインフラや部材が同じで、管理も同じようにできることが重要だという気がします。

宮原 本当に高速なストレージが必要なケースでは、HCIから専用ストレージ機につなげればいいわけですよね。

竹本 ネットワークも、イーサネットファブリックが出てきて、管理が楽になってきていると感じています。

セキュアなHCIとしてAzureの最新技術が組み込まれたS2D RN

宮原 HCIを導入することを検討するときに、現在Windows Serverをメインに使用されているのであれば、Windows Server 2016 Datacenter Editionの機能である記憶域スペースダイレクト(Storage Spaces Direct, S2D) を活用するというのは、費用対効果やコストの面でお勧めしやすいと思います。また、お客様のエンジニアに運用を担当してもらうことを考えると、慣れない管理インターフェイスを使ってもらうのは難しい場合があります。結局、我々がリモートから支援する場合がありますが、Windowsに慣れているエンジニアには普段よく利用する管理インターフェイスを活用することになるため、確認するべき場所を伝えるだけですむというメリットもS2Dにはあると思います。特に、中小・中堅企業のエンジニアは、他の業務と兼任という場合も多く、慣れない特殊な構成やソフトウェアを使うと苦労してしまうので、Windows Serverの知識を活用できるというのはありがたいですね。S2Dについて、この他にどのようなメリットがあるのでしょうか。

高添 少し製品の説明をさせていただきますと、S2Dは、Windows Server 2016 Datacenterの標準機能で、共有ストレージなしでHCIを構成できます。仮想化基盤の上でWindows Serverを動かす場合には、ソフトウェアすべてをWindows Serverだけで実現でき、サポートもシンプルになります。また、前述のようにハイパーバイザーを分離してコンバージドインフラとしても利用でき、分離されたストレージへのアクセスも新しい設計などを行わずにSMB(Server Message Block)で接続して疎結合通信が可能です。

 S2Dにはいくつかのメリットがありますが、その1つがセキュリティです。たとえば、米国防総省が一気にWindows 10に入れ替えると発表した理由はセキュリティですが、Windows Server 2016 Datacenterには、そのWindows 10のコアが使われており、世の中で多く攻撃されるOSであるが故に我々はセキュリティには大きく注力しています。今のところHCIでは、あまりセキュリティという議論が出てきませんが、セキュリティが重要なことは言うまでもありません。セキュリティが重要だとしっかりとメッセージとして出せるHCIとして、Windows Server 2016 Datacenterはメリットがあると思います。

 また、Windows Serverのストレージは遅そうというイメージを持っている人もいますが、16ノードクラスターで5百万IOPS、4ノードクラスターで3百万IOPSという検証データがあります。構成が非常にシンプルで、ハードウェアリソースの能力をできる限りそのまま使うアーキテクチャとなっているので、Windows Server用の対応ドライバさえ用意されていれば、用途に合わせてかなり高速なストレージとネットワークを使えるのも強みです。HCIを一般的な仮想化の用途として使うことが増えてきていますが、多くの処理は仮想マシンで行われるので、仮想マシンから直接最新のハードウェアを利用する仕組みも作っています。

高添 ストレージとしての複製機能も提供しています。ストレージ側で処理したほうがよい場合とアプリケーション側で処理したほうがよい場合など、運用要件によってさまざまなパターンで複製できるようにしています。これは、Microsoft Azureでクラウドのストレージを提供してきて、ストレージにはこのような機能も必要だという認識を持ち、Windows Serverに実装しています。また、Windows Server 2016 DatacenterのHCIでSDNが話題に上がることは少ないですが、実際にはMicrosoft AzureのSDNとほぼ同等のものを標準搭載しており、グローバルで最先端とも言われるメガクラウドのSDNの機能を使うことができます。

キーワードは「安心」HCI導入の課題を解決するS2D RN
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