ハイパーコンバージドインフラストラクチャの最適なソリューションとは

キーワードは「安心」HCI導入の課題を解決するS2D RN

宮原 実際に、HCIを導入されるお客様には、どのような課題があるのでしょうか。

Dell EMC
インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括
ソリューション本部 本部長
正田 三四郎 氏

正田 自由度を求めてサーバに個別にインストールする場合は、リスクやコストが高まるという課題があります。導入時や運用時にサポートがハードとソフトで分かれてしまい、別々のところに問い合わせを行わなければならず、手間がかかるという実態があるのです。それを踏まえて我々は、S2D RNを開発しました。開発にあたり、我々とマイクロソフトがR&Dレベルで協業してきたノウハウを展開していくことで、よりリスクや手間をかけずに導入できるようにしました。特に、サポートの構築には時間をかけ、万全の体制を構築しました。これにより、お客様はビジネスのコアの部分に集中していただいて、可能な限り投資対効果を早く出していただけるようにしています。

宮原 具体的に、S2D RNではどのようなサポートが受けられるのでしょうか。

正田 S2Dは、かなりの高速チューニングができる仕様となっていますが、まだ市場に投入されたばかりで十分にノウハウが広まっているわけではありません。そのため、Dell EMCでは、S2D RN向けの導入ガイドをご提供していきます。それにより、お客様の技術者のリスクや手間を試行錯誤する部分も我々とマイクロソフトがR&Dレベルで協業してきたノウハウを展開していくことで、よりリスクや手間を低減します。また運用フェーズにおいても、Ready Nodesをお使いいただいていることが保守データベースに記録されているため、トラブルが発生した場合も構成がすぐに確認できるため、問題を特定しやすく、安定運用に寄与するメリットもあります。

高添 Windows Serverには動作認定の仕組みがあり、Windows Server 2016 DatacenterとS2Dに対しても、Dell EMCをはじめとして多くのハードウェアメーカーの動作認定が行われています。今回、Dell EMCが一歩進んだ形でReady Nodesとして利用者に届けるまでの仕組みを提供してくれているところが、他のハードウェアメーカーと大きく違うところですね。

宮原 私たちが、実際にお客様をサポートしていて苦労するところは、ストレージのトラブルなんですよね。ダウンタイムを極力短くしないと事業に大きな影響を与えます。さらに、二次的にストレージが壊れてしまったらデータがすべて消えてしまうことになりかねません。容量が大きいので、バックアップを取っていても、復元するのが困難で、リカバリのリードタイムも長くなってしまいます。ストレージの障害が起きているときなどは、復旧をできるだけ早く行いたいので、S2D RNは有効だと思いますし、S2D RN専用サポートというのは安心感があります。

正田 Ready Nodes専用サポートは、本社の製品開発部門が各国のサービス部門を含め一番時間をかけて準備してきた部分です。

宮原 垂直統合されたインフラを全体の構成でサポートしてもらえ、一次切り分けから一緒にやってくれるというのは非常にいいと思います。Ready Nodesのような、導入から運用までのハードルが低くなるような仕組みは、HCIを普及させるために必要だと思いますね。

正田 たとえば導入ガイドは日本語化されていて、ある程度やりたいことを選びながら導入から運用までの手順を提供しています。たとえば、オールフラッシュにするのか、SSDとHDDのハイブリッドにするのか、SSDでもNVMeを使うのかといったシステム要件に合わせてソリューションテンプレートを提供し、スピーディに構築できるように支援しています。

宮原 これまではリファレンスにするアーキテクチャやマニュアルがなくて、手探りで構築作業を行わなければならないこともあったので、このようなガイドやテンプレートがあるのは非常にありがたいですね。

正田 Ready Nodesは、広範なHCI/SDSポートフォリオをご提供しており、それぞれのアーキテクチャは異なりますが、Ready Nodesもしくはアプライアンスの形でご提供することにより、さまざまなリスクやコストに対して、選択するときだけでなく、設置/構築した後にも安心できるReady Nodesを提供し、お客様側で大きなリスクを担保していただく必要はないというコンセプトです。上位レイヤは、マイクロソフトをはじめとするパートナーの方々のお力をお借りしながら取り組んでいこうと考えています。

従来のインフラやマルチクラウドとHCIを効率的に運用する

日本仮想化技術株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
宮原 徹 氏

宮原 HCIによって、運用管理が楽になるといった話を進めてきましたが、企業にはまだまだオンプレミスやプライベートクラウドが残っており、これらすべてがHCIに移行するとは考えづらいと思います。また、Office 365などを使ったり、IaaSやDaaSとして用途に合わせて複数のパブリッククラウドを使い分けることも考えられますが、将来的な運用管理の課題について、竹本さんはどのように考えられているのでしょうか。

竹本 実際に、オンプレミス、仮想化基盤、パブリッククラウドのシステムのすべてが混在しているという環境は珍しくありません。今後は、これらにHCIも加わっていくことになり、さらに複数のパブリッククラウドを使っていくこと(マルチクラウド)も考えられます。プライベートクラウドの仮想化基盤をパブリッククラウドに持っていけばよい、と言う意見は良く聞きますが、ライセンスやアプリケーション改修、コストなどのさまざまな課題があり、既存システムの移行はそう簡単ではありません。そのため、運用管理者はすべての技術を幅広く見ることになり、運用管理の負荷はオンプレミスの時代よりも高くなっているのが実情です。我々も、自分たちでプライベートクラウドを構築し、SaaSを提供していますが、我々自身も運用管理の負荷に非常に課題意識を持っています。

 我々は、このままでは運用管理が破綻してしまうと考え、各パブリッククラウドとプライベートクラウド、オンプレミスを統合管理することに取り組んでおり、何十年にも渡って内製化してきた運用管理ソフトに、ナレッジや機械学習機能も取り入れて運用負荷を低減できるようにしてきました。また、使い方によっては、パブリッククラウドよりもプライベートクラウドのほうが、コストが低くなるケースもあるのが実情ですが、HCIが出てくると、HCIとパブリッククラウドのどちらがコスト効果が高いのかを見据えながらビジネスサイドの視点での運用を行っていく必要があります。そのためこれまでの運用というスコープを超えて考えなければならないことが増えてくる中で、お客様の運用を支援するためにmPLATを提供しています。

宮原 Dell EMCとマイクロソフトは、S2D RNでパートナーシップを組んでいますが、最後に、今後のパートナーシップについて、ひと言お願いします。

正田 Dell EMCとマイクロソフトは、長年にわたって強力なパートナーシップを築いており、PCやサーバだけでなく、クラウドの分野でもさまざまな協業を行ってきました。S2D RNはもちろん、今後登場するMicrosoft Azure Stackについても、Dell EMCのプロダクト責任部門、R&D部門、セールス部門とマイクロソフトが密に連携を取っています。

高添 北米では、以前からデルのハードウェアベースで「Microsoft Cloud Platform System Premium powered by Dell」というプライベートクラウドソリューションをハードウェア込みで販売しています。日本でも、ようやく2016年4月に「Dell Hybrid Cloud System for Microsoft」が提供され、導入してすぐプライベートクラウドが使えるというシナリオを一緒に提供しています。その次のステップがAzure Stackで、 Dell EMC Cloud for Microsoft Azure Stackのオーダー開始が2017年5月にグローバル発表されました。ただしAzure Stackはプライベートクラウドのソリューションのため、すべてのお客様に適しているわけではありません。そこは、Dell EMCとともに、S2D RNでより多くのお客様に使っていただけるモデルも提供できるようになりました。今後も、広く、深く、新しく、すべての領域でデルとタッグを組んで取り組んでいこうと考えています。

竹本 我々は、プライベートクラウドを利用する立場でもありますが、HCIは非常に期待してますが、なにぶんにも新興領域ですのでマイクロソフトとデルがグローバルにパートナーシップを組んでくれるのは1つの安心感となると思いますね。

宮原  本日は、ありがとうございました。

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