“ネットワーク鎖国”がビジネスの成長を阻害する ~開国を支援するDell EMCのオープンネットワーキング戦略とは サーバー、ストレージに比べて、仮想化の進展に遅れが目立つのがネットワークだ。柔軟性の乏しいレガシーネットワークはビジネスのスピードを損なう。変化の激しいビジネス環境のなかでは、その遅れが命取りになりかねない。レガシーからの脱却を目指し、SDNをはじめとするネットワーク仮想化に注目が集まるが、実はそこにも落とし穴があるという。今後のビジネス展開に向け、企業はどのようなネットワークを構築していくべきなのか。日経BP総研 イノベーションICT研究所所長の桔梗原 富夫が、Dell EMCでオープン・ネットワーク事業を統括する西澤 均氏に話を聞いた。

レガシーネットワークでは戦えない時代に

Dell EMC (デル株式会社) オープン・ネットワーク事業(兼)サービス・プロバイダ事業 事業部長 西澤 均氏

桔梗原:モバイルやクラウドの普及に伴い、ITシステムを支えるネットワークの重要性がますます高まっています。一方、レガシーネットワークをそのまま使用する企業も少なくありません。この現況をどのようにみていますか。

西澤:ITシステムを支えるインフラは、大きく分けると「サーバー」「ストレージ」「ネットワーク」で成り立っています。このうち、サーバーとストレージは仮想化技術の進展によって、ハードウエアの物理的な制約を意識せずに利用できるようになり、柔軟性・俊敏性が飛躍的に高まりました。

 例えば、1台のサーバーを仮想的に区切って複数のサーバーとして利用し、異なるOSやアプリケーションを動かすことが当たり前になりました。新たにサーバーを追加したい場合も、仮想化基盤上の論理的な制御で新規サーバーを立ち上げられます。ビジネス部門に「新しいシステムを動かしたいから、サーバーを用意してほしい」と言われたら、すぐに提供できるわけです。ストレージについても同様です。複数のストレージを統合して巨大なストレージプールを構築したり、データが増えたらディスクを追加したりして容量もどんどん大きくしていけます。

 ところが、多くの企業ネットワークは旧態依然としたまま。ネットワーク機器はハードウエアとソフトウエアが一体化された「ブラックボックス」で、一度構築したネットワークを変更するのは容易ではありません。いわば垂直統合型のネットワークです。

桔梗原:確かに、サーバーやストレージと比較すると、ネットワークの変更は様々な煩雑な作業が伴います。帯域を増強したり、新しいネットワークを追加したりしようとすると、ネットワーク構成全体の見直しをした上で、新たな機器の追加や、設定変更などの作業が必要になりますね。

西澤:その通りです。影響が大きいから確認の作業にも時間がかかる。サーバーやストレージは、要請があれば数時間から数日で提供できるのに、ネットワークは数週間以上かかることも珍しくありません。レガシーネットワークがサーバーやストレージの柔軟性・俊敏性を損なっているのです。レガシーネットワークは、個別ベンダーが提供するネットワーク装置の機能に依存したものとなってしまっており、革新のスピードが遅く、結果的にビジネス展開のスピードにブレーキをかけ、成長の機会が奪われてしまう。レガシーネットワークを使い続けるということは、そういうリスクを背負い続けることといっても過言ではないでしょう。

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