最前線で活躍するエンジニアに訊く!オープンネットワーキングは何がすごいのか ネットワークを仮想化し、システム全体の統合運用を実現するためのアプローチとして、大きな注目を集めているオープンネットワーキング。ネットワーク機器のソフトとハードを分離し、ベンダーロックインを回避しながら集中管理できる環境の確立は、デジタル変革を推進する上でも必須条件になっていくはずだ。それでは、現時点でその導入状況はどうなっており、具体的にはどのように活用されているのか。そしてこの動きに対し、ITエンジニアはどのようなスタンスで向き合えばいいのだろうか。オープンネットワーキングの最前線で活躍する2人のエンジニアに話を聞いた。(聞き手は日経BP総研 イノベーションICT研究所 上席研究員 星野友彦)

製品選択の常識を覆すオープンネットワーキング

ユニアデックス株式会社 エクセレントサービス第三本部 NWソリューション統括部 NW利用技術部 第三課 第一グループ 上村 和輝氏

―― まず、オープンネットワーキングとのかかわりについてお教えください。

上村:当社(ユニアデックス)では2012年から全社プロジェクトの一環で、SDN(Software Defined Network)の調査を開始しましたが、実際にオープンネットワーキングへの取り組みを始めたのは2013年ごろです。ソフトとハードが別という発想に興味を持ちました。最初Big Switch Networks社のBig Cloud Fabricに関しては、製品の開発当初から検証を行っており、2015年に国内初導入させていただきました。

佐々木:私はデルで6年ほどネットワーク製品全般を担当していますが、オープンネットワーキングにかかわるようになったのは2014年1月からです。それまでのネットワーク機器は専用のOS(Operating System)による設定しかできませんでしたが、それ以外の方法で運用管理ができることに魅力を感じました。それ以降、オープンネットワーキングの啓蒙活動や、お客様からのご要望を開発部門にフィードバックするという活動をしています。

―― 従来型のネットワーク機器にはどのような課題があったのでしょうか。

上村:そうですね。コスト面と技術面の両方で課題を感じていました。従来型のネットワークはベンダーロックインされやすく、コストも高止まりしがちです。また、ネットワークはほかへの影響が大きい要素にもかかわらず、専用OSしか使えず設定作業も慎重に行わなければなりません。運用管理の方法がストレージやサーバーに比べて遅れており、ネットワーク技術者として危機感を感じていました。

Dell EMC (デル株式会社)インフラストラクチ(ャ・ソリューションズ事業統括 ネットワーク事業部 シニアシステムズエンジニア 佐々木 亮氏

佐々木:ネットワーク技術者でなければ運用できない点も問題だと思っていました。レガシーなネットワークがシステム全体の統合運用のハードルになっていたわけです。このような問題が顕在化してきたところにOpenFlowが登場し、ホワイトボックス製品がリリースされるようになりました。これをFacebookやGoogleが使っているという話が広がり、オープンネットワーキングの導入が進んでいったわけです。特に衝撃的だったのは、Cumulus Linuxの登場ですね。これまではネットワークの標準的なコマンドラインでの操作や管理が当たり前だった世界から、今後は一気に自由度が増していくという期待感が広がりました。

上村:ネットワークOSがLinuxベースのソフトウエアならサーバー管理者でも使えますからね。

佐々木:カスタマイズの可能性も無限に広がります。発想次第で、スイッチで何でもできる時代が到来したわけです。それまでは、必要な帯域とポート数、利用したい機能によってベンダー製品を選んでいたわけですが、この大前提が根本から崩れることになります。オープンネットワーキングなら、使いたい機能を自分で入れることが可能になるからです。

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