働き方改革を促進する!オールフラッシュストレージ活用事例:野村総合研究所 VDIの生命線「デスクトップの高速レスポンス」を実現 金融業をはじめとする顧客のクリティカルな業務を支える

コンサルティングとソリューションの両軸で顧客を支援

株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 クラウドサービス第一グループ グループマネージャー 上級システムコンサルタント 小島 伸彦氏
株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 クラウドサービス第一グループ グループマネージャー 上級システムコンサルタント 小島 伸彦氏

企業理念に「未来社会創発企業」を掲げて、新たな社会のパラダイムを洞察し、その実現に向けた事業を展開する野村総合研究所(NRI)。事業戦略の立案や経営革新を支援する「コンサルティング」をはじめ、「金融ITソリューション」「産業ITソリューション」「IT基盤サービス」という計4つの領域でソリューション/サービスを提供し、顧客のビジネスを支援している。

このうちIT基盤サービスでは、同社のデータセンター内に構築した「NRIクラウド」をベースとして、IaaS/PaaS、SaaSといったサービスを多数ラインアップ。「中でも、働き方改革やBCPが企業のテーマとなっている状況で、多くのお客様から引き合いをいただいているのが、VDIや仮想アプリケーション、さらにTV会議システムやメールなどのOA関連全般の機能を提供するNRIのオフィス環境提供サービスです」とNRIの小島 伸彦氏は紹介する。


図1:NRIオフィス環境提供サービスのコンセプト

図1:NRIオフィス環境提供サービスのコンセプト

いつでも、どこからでも、セキュアに企業のOA環境や業務システムにアクセスでき、業務を行うことができる柔軟かつセキュアなアクセス環境を提供する。

働き方の多様化が進む現在は、在宅勤務を含めオフィス外での勤務者同士がTV会議などでコミュニケーションをとったり、営業担当が顧客先で即座に社内ソースにアクセスできる環境が求められている。このように刻々と変わっていく業務要件に対し、自社システムのみで対応し続けていくことはコスト的にも負担が大きい。「NRIではこれらの要件に対応した新しいサービスを継続して提供することで、企業の様々なワークスタイルを支えています」と小島氏は言う。

また、サービスの特長として、顧客ごとにプライベートクラウド環境を構築するという点がある。これにより、既存のアプリケーション資産をVDIで扱えるようにしたり、独自のセキュリティポリシーを適用する必要があるといった顧客の要望にも、柔軟に応えることが可能だ。「セキュリティ要件や自社システムとの連携機能などがボトルネックとなり、パブリッククラウドへの移行は難しいという金融業界などのお客様も、このサービスをご利用いただくことで、従来の運用を可能な限り維持したまま移行することが可能です。当社の強みであるコンサルティングサービスと併用することで、お客様ごとのベストな環境の提案からお手伝いします」(小島氏)。


2つの要件を基にサービスの要となるストレージを検討

株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 主任システムコンサルタント 市場 孝之氏
株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 主任システムコンサルタント 市場 孝之氏

現在まで順調にユーザーを増やしているVDIサービスだが、その理由の1つは、サービスを支えるインフラ面にある。「特に、VDI環境のデータを格納するストレージは、性能がお客様の利用時の快適さを直接的に左右します。市場には多数のストレージ製品が存在していますが、サービス開始に当たっては、最もふさわしいものはどれか、様々な製品を比較・検討しました」と同社の市場 孝之氏は振り返る。

同社がストレージに求めた要件は大きく2つあった。

1つ目は安定した高い処理性能である。例えば、大規模ユーザーのVDI環境では、朝の始業時にOSの起動やログインが殺到するため、ブートストームやログインストームといった状況が発生しがちだ。起動やログインに数分以上かかってしまえば、ユーザーの業務を大きく圧迫してしまうだろう。多数の大手企業を顧客に抱える同社にとって、ピーク時も平時と変わらないレスポンスを安定的に実現できるストレージであることは必須条件だった。

「また、お客様企業で人事異動や組織改編があったり、一時的なプロジェクトチームを立ち上げたりするケースを考慮すると、個々のVDI環境を迅速にデリバリーできることも必須でした。これらの条件から、ストレージは高いIOPSが確保しやすいオールフラッシュ型を前提に検討を進めました」と市場氏は言う。

2つ目が「重複排除機能」だ。これは、データをストレージに書き込む際、保存済みのデータの差分のみを書き込むことでディスク容量を節約する機能。VDIの場合、テンプレートとなるデータは複数ユーザー間で共通であることが多いため、効率の良いデータ格納を実現する上でこの機能がカギとなると考えた。


独自アーキテクチャに基づくインラインの重複排除を評価

株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 主任システムエンジニア 伊藤 雅人氏
株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 主任システムエンジニア 伊藤 雅人氏

こうして同社は、複数ベンダーの製品について実機検証などを実施。最終的に採用を決めたのが、EMCジャパンのオールフラッシュストレージ製品「DELL EMC XtremIO」(以下、XtremIO)だった。

選定に当たっては、想定されるユーザー環境と同様の条件で性能テストを実施した(図2)。その結果、IOPSは最大125000以上、レイテンシーはRead 100%のケースで1.4ms以下、Write 100%のケースでも2.6ms以下という安定した数字を叩き出した。これなら、大量ユーザーを抱える顧客に対しても、十分快適なVDIサービスが提供できると判断したという。


図2:検証時の性能テスト結果

図2:検証時の性能テスト結果

最も典型的な利用ケース(赤枠)の場合で、125000以上のIOPSを記録。CPU使用率は8割弱と余力を残しており、実際にはさらなる性能向上が見込めることも分かった。また、このパフォーマンスは物理容量が80%、90%と埋まっても低下しない。これは、フラッシュメディアを最適化するために作られた、XtremIOの新しいストレージアーキテクチャによって実現されている

「また、最大の決め手は、独自アーキテクチャに基づく強力なデータ圧縮・重複排除機能でした。XtremIOは、フラッシュに書き込む前に必ずインライン型で重複排除と圧縮処理を行い、実際に入出力されるデータを最小化する機能を備えています。これにより、極めて高速なレスポンスが得られるとともに、ドライブ容量効率も大きく向上することができます」(小島氏)。このインライン型は、一度フラッシュに書き込んだ後に重複排除を行うポスト・プロセス型と比べてI/O回数を抑えることができ、ストレージの耐久性を高めることにもつながる。これまでフラッシュストレージの弱みとされてきた製品寿命の問題を解消している点も、サービス提供基盤としての安心感につながったという。

「加えて、データを少なくできれば、ストレージコストも削減できます。それを還元する形でサービス提供コストを抑えられれば、よりお客様にとってもメリットのあるサービスが具現化できると考えました」と同社の伊藤 雅人氏は付け加える。


従来環境との比較でブート時間が1/3になったユーザーも

株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 副主任テクニカルエンジニア 石川 圭佑氏
株式会社野村総合研究所 クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス三部 副主任テクニカルエンジニア 石川 圭佑氏

XtremIOを基盤としたVDIサービスは、現在までに3000VD規模の顧客を含む複数の企業が採用。働き方変革やBCPなどに役立てている。

サービス開始後、XtremIOは想定した通りの働きを見せているという。まず性能については、ストレージのIOPSやレイテンシーに関して検証時と同等の値が得られており、顧客に快適なVDI環境を提供できている。懸念されたブートストームやログインストームによるレスポンス遅延も、現在までまったく発生していないとのことだ。

「例えば、オンプレミスのVDI環境から当社サービスに移行したあるお客様では、OSのブート時間が1/3程度になったほか、業務アプリケーション使用時の動作なども高速化したという声をいただいています」と同社の石川 圭佑氏は満足感を示す。ある顧客からはエクセルのマクロ処理が3分以上かかっていたのが、XtremIOに乗り換えてからは10秒程度で完了するほど高速になったとのことである。

また、導入前には想定していなかったメリットも多数得られている。その1つが、システムの運用管理に影響する「使いやすさ」に関するものだ。

XtremIOの管理画面は、デザインやアクセシビリティが考慮されており、マニュアルレスで使いこなせるようになっている。誰もが直感的に使えるUIは、運用担当者からも好評だという。「お客様に提供するサービスのため、迅速・確実に操作できることはありがたいですね」と石川氏は評価する。

また、これまでVDIを100台提供しようとした場合は、相応の人数をかけ、月単位で行うプロジェクトとなっていた。「その点XtremIOでは、VDIのクローニング(複製)が高速に行われるために、800台でも翌日には提供できるようになりました」(市場氏)。サービスプロバイダーとしても、新しい付加価値を顧客にもたらすことができるようになっている。

さらにストレージに格納されるデータの「暗号化機能」も、導入後評価したポイントの1つだ。例えば、金融系ユーザーなどへのサービス提供に使われたストレージをリプレースする場合、ユーザーの業務規約上、ディスク内のデータを読みとれなくする処理が不可欠になる。これまでは業者に依頼して物理的に破壊していたが、これには少なからぬコストが必要だったという。「XtremIOは、インライン暗号化技術を採用しており、SSDメディアが取り外された場合、アレイに格納されているすべてのデータが利用できなくなります。物理的に破壊する必要がなくなり、コストが削減できます。これは、意外に大きなメリットでした」と小島氏は述べる。

今後も同社は、VDIサービスを継続的に強化していく。その一例として、NRIが提供する証券会社システムの共通プラットフォームや、外部ベンダーが提供するクラウドサービスなどとの連携機能強化を検討中だという。

サイバー攻撃の増加や、働き方の多様性の広がりなどに後押しされ、VDIを検討するユーザーは日増しに増えている。多様なサービスが登場する中、XtremIOによってオンプレミス同様かそれ以上の快適さを実現したNRIのVDIサービスは、企業の有効な選択肢となるだろう。


User Profile
お問い合わせ

EMCジャパン株式会社

製品に関するお問い合わせはコチラ ≫ 0120-413-021 / 0120-800-498

株式会社野村総合研究所

NRI問い合わせ先:office-cloud-info@nri.co.jp