日本国内に11か所のデータセンターを構えるエクイニクスは、22か国44都市に180か所以上のデータセンターを持つ世界シェアNo1のグローバルデータセンター事業者だ。国内では、ビットアイルと統合したことも大きな話題となったエクイニクスだが、同社は単なるデータやシステムを置く場所、箱としてのデータセンターだけでなく、インターコネクション(相互接続)を重要なキーワードとしていることが最大の特徴だ。インターコネクションの重要性をどのようにとらえ、どのようなサービスを提供しているのだろうか。

インターネットが普及し、ITインフラが進化していく中で、企業や個人はネットワーク上のさまざまなサービスにアクセスし、デジタルエコノミーに参加してきた。オンライン上での金融取引、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などによるコミュニケーションの方法、情報や商品、サービスの購入などに、多くの変革をもたらしてきたことが例としてあげられる。デジタルエコノミーの接続先が年々多様化している中で、接続方法として使われているインターネットは、一定のルール(プロトコル)を使って、いつでも、ユーザーを選ばず、グローバルな範囲で接続できるインフラである。一方、最近では、利用者の増加や多様化する接続デバイスとアクセス先、肥大化するデータに対応して、効率よい接続性を常に維持することが難しくなってきている。企業がサービスを提供する際に爆発的に増えるデータを扱うためトラフィックが増大し、ネットワーク接続のパフォーマンス低下により利用者の生産性・安全性が落ちてしまっている。

企業がユーザーに情報を正しく安全に届けるためには、情報を効率のよい場所に配置する必要がある。また、クラウドにシフトしていく中で、外部に出せないデータや独自システムなどのクラウドに出せないものをオンプレミスに置き、オンプレミスとクラウドを相互に有効活用することも重要だ。さらに、さまざまな要件に柔軟に対応できるように、ハードウェアの構成をシンプルにし、管理・運用・保護しやすい構成にする必要も出てくる。

エクイニクスでは、これらを実現するためには、インターコネクション(相互接続)によってデジタルコミュニティへの参加者が互いに近距離で接続できることが非常に重要と考えている。そのため、エクイニクスでは、自社のデータセンター群やサービスをPlatform Equinixと称し、情報のハブ的役割を担って、効率的な接続ができるようにしているという。

前述のようにエクイニクスはグローバルに180か所以上のデータセンターを持ち、世界中のさまざまな場所から接続しやすい拠点を持っている。また、数多くのクラウドサービスや通信キャリアなどによって蓄積されてきたエコシステムが構築されているため、インターコネクションを活用してエコシステムに参加し、そのメリットをすぐに亨受できることも大きな特徴の1つだ。

デジタルトランスフォーメーションが進んでいる中で、企業は経営資源をどれだけ有効に利用し、どれだけ早く経営課題を解決できるか。より拡張性の高い環境を作るために、経営資源をクラウドに移行していくことがひとつの方法として進められているが、そこには機密性の担保などのセキュリティの問題や利用するクラウド間の連携など、課題も多い。

エクイニクスを利用しているある企業の事例では、自社が利用しているデータセンターと、エクイニクスの東京、大阪のデータセンターとを広域イーサネットでつなぎ、これらのエクイニクスのデータセンターをハブ的に使うことで、複数のクラウドを活用し、認証基盤やサーバなどをクラウドに移行させている。

この事例では、インターコネクションによって、インターネットを介さずに通信をセキュアに行うことが可能だ。また、広域イーサネットの通信事業者やクラウドサービスを自由に選ぶことができるため、ベンダーロックインを避けることができ、異なるクラウドサービスの連携を図れ、目的に合わせてクラウドサービスと通信形態を選択することが可能となる。さらに、自社が利用しているデータセンターからエクイニクスのデータセンターへの接続だけで計画したインフラが構築できる。各クラウドサービスとの接続回線が不要でコストを削減でき、冗長化によるディザスタリカバリ対応も行えている。

上記の事例だけでなく、インターコネクションは、グローバル展開している企業で海外子会社のクラウド接続を実現したり、グローバル共通インフラの整備による連携などにも有効に展開できると考えられる。また、グローバルや国内拠点、部門などによってバラバラに利用されているクラウドサービスを相互接続して、より高いシナジー効果を生むことも考えられるだろう。社内やグループ内、クラウドサービスとの相互接続だけでなく、パートナーや他社のシステムと相互接続することで、経営資源の最大活用が進み、新たなビジネスが生まれることも想定できる。

エクイニクスでは、次の5つのインターコネクションプロダクトを提供している。

  • ・IX上でピアリングすることで経路の最適化を実現するエクイニクスインターネットエクスチェンジ(Equinix Internet Exchange™ - EIE)
  • ・パブリッククラウドとのプライベートな接続性を実現するエクイニクスクラウドエクスチェンジ(Equinix Cloud Exchange™ - ECX)
  • ・データセンター内でインターネット接続を利用可能にするエクイニクスコネクト(Equinix Connect™ - EC)
  • ・データセンター間の専用線接続サービスメトロコネクト(Equinix Metro Connect™ - MC)
  • ・データセンター内の顧客同士を結ぶ構内回線サービスクロスコネクト(CC)

上記の事例では、エクイニクスクラウドエクスチェンジを使ってオンプレミスとクラウド間のプライベート接続が実現されているが、エクイニクスでは、メトロコネクトや、クロスコネクトを利用する企業も多く、連携したパートナー企業やサービスと接続しやすくなるように、同じキャンパスやデータセンターを指定する要望も多いという。

エクイニクスが発表したインターコネクションの利用状況を調査した「グローバルインターコネクションインデックス」では、インターコネクションを利用している業種は、通信、クラウド・ITサービス、コンテンツ・メディアなどが多い。しかし、製造業をはじめ、さまざまな業種でインターコネクションの重要性が認識され始めており、今後は2020年までにインターコネクション帯域*の年45%の平均成長率が見込まれているという。

*エッジノードにおいて、多様な接続先やプロバイダーとの直接的なプライベートトラフィック交換を行うために供給された、総帯域容量と定義。

Equinix Interconnection Forum 2017

エクイニクス・ジャパンは、2017年10月4日、Equinix Interconnection Forum 2017を開催した。エクイニクスのサービスの最新情報を伝えるEquinix Updateでは、エクイニクス・ジャパンのSE&SAグループの野口敬之氏とネットワークマネージャーの西澤賢史氏が登壇。野口氏は、インターコネクションの重要性を説き、Interconnection Oriented Architecture™ (IOA)やOpen Compute Projectなどのオープンソースへの貢献によって、今後のインターコネクションプロダクトを発展させていくことを示した。また、西澤氏は、同社のインターコネクションプロダクトの最新情報を紹介。信頼性をどのように高めているかについても紹介し、東京、ニューヨーク、シンガポールなどによってクロスコネクトの利用状況が異なり、都市によってエコシステムが構築されている業種に特徴があることなども紹介された。

エクイニクス・ジャパン株式会社
セールスエンジニア&SAグループディレクター
野口 敬之 氏

エクイニクス・ジャパン株式会社
ネットワークマネージャー
西澤 賢史 氏