ITモダナイゼーションSummit 2017 レビュー

絶対間違えない、ベトナム オフショア ITモダナイゼーション~要員不足、短期移行、予算不足の悩みを解消します~

ベトナムでのオフショア開発を武器とするFPTジャパンは、自動変換ツールと人手を状況に応じて使い分け、様々な課題を持つ顧客のモダナイゼーションの事例を積み上げている。本講演ではその一端を紹介した。

中間言語ツリーを介してマイグレーション

FPTジャパン株式会社
アライアンスマネージメント部 部長
前野 好太郎

FPTコーポレーションは、グループ全体で約3万人の社員を擁するベトナムを代表するコングロマリットの1つだ。そのうち約1万人が所属するFPTソフトウェアは東南アジア最大のオフショア開発企業として、ベトナム国外向けの事業を展開している。FPTジャパンはそのFPTソフトウェアの日本法人に当たる。

モダナイゼーションは、運用コストを下げられる、ビジネスを軽快にできる、ユーザーエクスペリエンスと生産性を向上させられる、データやプロセスを容易に可視化できるなどのメリットを持つ。そのモダナイゼーションに対しては、“短期間で行いたい”“大規模だが対応して欲しい”などとするニーズが高まっている。ただ、先端IT人材はますます不足していくとFPTジャパンの前野好太郎氏は指摘する。経済産業省の『国内IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』によると、2015年時点ですでにIT人材は17万1000人が不足している。それが2030年には78.9万人不足すると見られている(高位シナリオの場合)。

「ですから、システムが老朽化したので置き換えたい、ハードウェアを刷新したいという要望は増える一方にも関わらず、すでにモダナイゼーションに従事できる人材は不足しており、プロジェクトの開始時期を遅らせなければならないといったこともあります」と前野氏はいう。

その点、同社の場合は生産人口が多く比較的人件費の安いベトナムでのオフショア開発を行っているため、スムーズにモダナイゼーション案件に取り組めているという。

同社は、ビジネス仕様を変更しないことを前提としたモダナイゼーションのプロセスを5段階に分けて考えている。 最初のステップは、エグゼクティブワークショップ。移行範囲の確定や、プライオリティ、必要事項などを定義する。次のステップは、アセスメント。評価環境の準備や移行方針の決定などがここに含まれるが、同社はこのステップを重視しているという。第3のステップは、デザインとビルド。ここで、後に紹介するツールがフル活用される。第4のステップは、マイグレーション。実際に移行をし、ユーザーの受け入れテストまで実施する。そして第5のステップ、カットオーバーを迎える。

第3のステップで活用されるツールは、同社が開発した『CITUS COBOL SUITE』だ。これは、既存のプログラムの構文を解析し、ソース言語ツリーを作り、それを変換して中間言語ツリーを作り、それを独自の目的言語ツリーに変換し、新たな言語での構文を生成するというものだ。

FPTマイグレーションツールの標準化

移行時にはこのツールを使い、そこで対応しきれない部分のみを手作業でカバーする。「移行は60%から95%をツールで行えるので、手作業しなければならない工程をかなり減らせます。また、移行後のテストも圧縮できます」と前野氏は言う。その変換効率は、下に示す図の通りだ。

FPTツールでの変換実績

ツール利用より人海戦術が低コストな場合もある

この『CITUS COBOL SUITE』を活用して同社が手がけた移行事例として、前野氏は日本の地方銀行のケースを紹介した。

その銀行の課題は、コアバンキングシステムにCOBOL85、PL/I、Assemblyと複数の言語が存在していること、システムの保守性の低下、PL/IとAssemblyの技術者の確保が困難になってきたこと、そして、上記理由による開発速度の低下があった。そこで、その銀行では富士通のNetCOBOLへ環境を移行することを決断。そこには、専門知識は残したまま、現行のプラットフォームをオープン化したいという動機もあった。

「システムには、使い続けるうちに作り足していく部分があります。その都度、言語が変わることは珍しいことではありません。また、その作り足しの部分は部分最適化されていて、システム全体は最適化されていないこともよくあります。場合によっては、どこか一部だけがクラウドに切り出されていることもあるでしょう。そういった、日本の多くの企業に当てはまる問題が、この事例には含まれていました」と前野氏。

移行は、システムをプログラム/アプリケーション、ジョブ、データの3レイヤーにわけ、それぞれに『CITUS COBOL SUITE』を適用する形で進められた。

このケースはツールが有効に使われた例だが、前野氏は「ツールを使うのもいいのですが、状況によっては人海戦術で臨んだ方が、コストが抑えられるケースもあります。状況に応じて、より良い方法を選ぶ必要があります」という。そこで同社がベトナムに持つオフショア開発拠点が大きな意味を持つことになる。

講演ではこのほか、『CITUS SIMBOL』のデモンストレーションが披露された。これはCOBOLをJavaに変換するツールで、最新版が7月にリリースされるという。

前野氏はこのほか同社の提供する多彩なサービスを紹介し、講演を終えた。

お問い合わせ

FPTジャパン株式会社

https://www.fpt-software.jp/japan/

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