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vol.03 interview Windows 10への移行は進んでいるのか ~移行の現状とそのメリットを探る~ 前編

vol.03 interview Windows 10への移行は進んでいるのか ~移行の現状とそのメリットを探る~ 前編

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> Windows 10への移行は進んでいるのか ~移行の現状とそのメリットを探る~ 前編

Writer : 野本 幹彦

Data : 2017/10/26

2020年1月14日に、Windows 7は延長サポート終了を迎える。サポートが終了したOSを使い続けるのは、セキュリティ面で非常に大きなリスクとなることは周知の事実だが、約2年後のWindows 7のサポート終了に対して企業のWindows 10への移行は進んでいるのだろうか。現在の移行状況について、日本マイクロソフト株式会社 Windows &デバイスビジネス本部 Windowsグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの藤原 正三氏にうかがい、Windows 10に移行することによってどのようなメリットが生まれるのかについても話していただいた。

大企業や自治体で進むWindows 10への移行

日本マイクロソフト株式会社
Windows &デバイスビジネス本部
Windowsグループ
エグゼクティブプロダクトマネージャー
藤原 正三 氏

Windows 10への移行状況について、藤原氏は次のように話す。「IDCの予測によれば、2018年6月までに法人市場におけるWindows 10の国内導入率は46%まで上がるとみられています。弊社としては、これを半年早いペースで実現していきたいと考えています。また、2017年9月29日に時事通信社が公表した地方行財政調査会実施の調査によると、自治体でのWindows 10への移行状況は、都道府県も都市も約3割がサポート期限を認識して順次移行中であり、更新計画を決定している都道府県・都市を含めると、8割が移行中もしくは、更新計画を決定している状況です。これは、Windows XPのサポート終了のときと比べると、早めに動いているという印象がありますね」。

大企業や自治体がサポート終了を認識し、検証を行って移行計画を遂行している中で、中堅・中小企業については課題が残ると藤原氏は話を続ける。「楽天リサーチの2017年6月調査では、中堅・中小企業の54%がWindows 7のサポート終了の時期を認知しておらず、認知している企業でも約7割の67%が検証や移行をまだ行っていないと回答しています。これらは、課題として取り組んでおり、しっかりと周知と移行促進を徹底していきます。全体としては移行は順調に進むと考えていますが、2年半を切った状況の中で、なるべく早く移行していただくことを推奨していきたいと考えています」。

Windows as a Serviceで進化するWindows 10

Windows 10とこれまでのWindowsが最も大きく異なるのは、これまでのように約3年ごとに新しい製品としてバージョンアップするのではなく、Windows 10がサービスとして提供される(Windows as a Service)ようになることだ。月次でリリースされるサービス更新プログラムは、品質更新プログラムとして従来通り配布されるが、新機能の追加や機能強化に関しては、3年ごとにバージョンアップするのではなく、OS全体の機能拡張を行う機能更新プログラムが年に2回、3月と9月をターゲットとしてリリースされるようになっていく。

「Windows 10の数多くの機能が随時拡張されたり、新しい機能が追加されることで、新しい技術トレンドを取り込まれ、生産性が更に向上するなどのメリットがあると思いますが、最も重要なのは、進化するセキュリティの脅威に対して、防御力を向上させることができることです」と藤原氏は説明する。セキュリティの脅威や攻撃手法が巧妙化し、そのスピードも加速化している中では、大きなアップグレードの間隔が長ければ、その分セキュリティのリスクを抱える期間も長くなることになる。Windows 10では、機能更新プログラムを随時適用することで、進化するセキュリティの脅威に対しても、常にセキュアな状態を保てると藤原氏は言うのだ。「3年に1度のアップデートでは、進化するセキュリティの脅威とそれに対応する機能強化の間のギャップが生じます。機能更新の頻度を高くすることによって、ギャップが少なくなり、進化するマルウェアやセキュリティの脅威に素早く対応することができます」。

また、Windows 10はOSだけでなく、データの防御に関しても強化されていることも藤原氏は強調する。「例えば、BYODを進めている企業では、PC内に個人用データと企業用データが混在していますが、Windows 10では、これらのデータを切り分けて、万が一の場合は、企業用データをワイプで消去することも可能となっています。また、企業用データをUSBで持ち出しても、個人のPCでは開くことができないようにすることもでき、二重三重の多層防御を実現できるようにWindows 10は設計されているのです」。

継続的なアップデートに対応できる体制が重要

機能更新プログラムが高い頻度でリリースされるため、管理者は継続的にアップデートする仕組みや体制を整える必要があると、藤原氏は説明を続ける。年に2回アップデートする方法については、企業によって異なるが、Windows 10のリリースから2年が経過して、マイクロソフトではユーザーからのフィードバックに対応して改善を行っているという。具体的には、リリーススケジュールやサービス提供タイムラインをよりわかりやすくし、機能更新プログラムのサイズも縮小させているという。

Windows as a Service の改善お客様からのフィードバックに対応するために継続的に改善

これまでの考え方 今後の方針
Windows 10 のリリース時期は予測できない“年に2-3回リリース”(例外あり)
リリース時期は事前に開示なし
Windows 10 のリリース時期は予測可能年2回、3月と9月を目標にリリース
Windows 10 のサービス提供タイムラインがあいまい“2世代のCBBリリースを常にサポートし、さらに60日間の最終移行期間もサポート”
ユーザーはサービス終了日を予測できない
Windows 10 のサービス提供タイムラインが明確Windows 10 の各機能リリースの提供およびサポート期間は、18か月間となる
Windows 10 の更新プログラムが巨大定期的なFUと月次のQUは、そのサイズのために展開が困難 Windows 10 の更新プログラムの縮小Fall Creators Update ( Version 1709) より Windows Update経由での更新プログラムが縮小

WindowsとOfficeのリリーススケジュールがよりわかりやすくシンプルに

「重要なのは、リリースサイクルをご理解いただき更新計画をしっかりと立てておくことです。Windows 10 は、Version 1703から18か月のサポート期間となっているので、その期間内に新しいバージョンにアップデートすればよいのですが、弊社としてはWindows Insider Program を利用した先行評価やアップデートリリース時から、一部のデバイスでのパイロット展開などのテスト期間を設けた上で全面展開することをお勧めしています」と藤原氏は話す。

Windows 7からの移行や、頻繁に大きなアップデートが行われることで懸念されるのは、ソフトウェアの互換性の問題だ。これに対して藤原氏は、「Windows XPからWindows 7への移行とは大きく異なり、Windows 10は非常に互換性が高く、Windows 7で動いていたソフトウェアが動かなくなることはほとんどありません」と答えている。

「機能更新プログラムを適用しても、ソフトウェアの互換性の問題が発生することは非常に少ないと考えていますが、動くということとソフトウェアメーカーが動作を保証するということは意味が異なります。もちろん、動作保証が公表されるまでには、ある程度時間がかかりますが、弊社ではアプリケーションのWindows 10上での実際の動作状況やサポート対応状況を随時調べることができるように支援しています」と話す藤原氏は、「Ready for Windows」というサイトを使えば、利用しているアプリケーションを検索して最新のWindows 10に対応しているかどうかをチェックできることを紹介した。また、Ready for Windowsのサイト上で1つひとつのアプリケーションを調べるのではなく、Windows AnalyticsのUpgrade Readinessという無償のクラウドサービスを利用すれば、デバイスで動作しているソフトウェアの利用度や互換性情報を分析することが可能になるという。

Windows 10への既に移行した事例については、マイクロソフトのサイトに数多くが紹介されているので参考にしたほしい、と藤原氏は話す。また、ITpro Specialにも、松山市彦根市のWindows 10への移行事例が紹介されているので、参考になるだろう。

後編では、引き続き、藤原氏に話をうかがい、Windows 10のセキュリティについて、さらに深堀していく。

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