クラウド化がもたらすビジネス革命

~IoT/データセンターの活用が新たな価値を生む~

デジタルトランスフォーメーションの中で
日本はどう世界と戦っていくのか(前編)

原稿:元田光一

以前紹介した「デジタルトランスフォーメーションを支える新しいプラットフォーム」では、プラットフォームの側面から、企業がどうデジタルトランスフォーメーションに対応していくのかについて考えてみた。今度はIoTなどといったデジタルトランスフォーメーションを支える最新テクノロジーを活用して、日本がどう世界と戦っていくのかについて考えてみたい。

インターネットに新たな情報革命をもたらすIoT

そもそもインターネットは、コンピュータ同士が専用回線を使わずに、汎用的な電話回線を使って情報交換ができるように構築されたネットワークだ。その後、周知のようにインターネットの役割は、次々に誕生するテクノロジーやサービスによってさまざまな変遷を遂げてきた。以下では、インターネットの変遷を情報革命という切り口で捉えてみよう。

まず、インターネットによる情報革命の第1フェーズは、「WWW(World Wide Web)」の誕生によってコンピュータ同士ではなく人間同士で、国境をまたいで情報が発信できるようになったことだ。これにより、誰でもが簡単かつリアルタイムに海外の情報を入手できるようになった。次の第2フェーズではSNS(Social Networking Service)が誕生し、特定のメディアや機関、企業だけでなく、個人でも簡単に情報が発信できるようになった。これにより、インターネットが持つ情報メディアとしての力は、テレビや新聞といった既存メディアのように、世論をも動かすほど強大なものになってきた。

そして現在、IoTというテクノロジーの登場が、第3フェーズの情報革命をもたらそうとしている。IoTがもたらす情報革命は、WWWやSNSによってもたらされた第2フェーズまでの情報革命とは大きく性格が異なる。IoTでは情報を発信するのは人間ではなく、そこでやり取りされるのも言葉ではない。IoTによってインターネットを流れる情報は、温度や圧力などの数値やコマンドだ。

IoTは言語の障壁を取り除く

第1フェーズではNetscapeやYahoo!といった企業が、第2フェーズではFacebookやTwitterといった企業がそれぞれアメリカで誕生して新たなサービスを生み出し、世界中に市場を広げていった。日本でも様々な企業から同様のサービスが生まれ、情報革命を牽引している。

また、IoTによる情報革命でやり取りされるのは非言語の情報なので、世界共通言語とも言える英語ではなく、基本的に日本語によるサービスを提供している日本の企業にとっても、大きなビジネスチャンスをもたらすのではないだろうか。

ものづくりの分野で期待されるIoT

これまでインターネットの分野ではイノベーションが起こせなかった日本企業も、言語の障害が取り除かれると、かつて音楽/ポップカルチャーの分野でイノベーションを起こしたソニーの「WALKMAN」のように、世界市場で通用する新しいサービスを生み出せるのではないだろうか。

IoTによるデジタルトランスフォーメーションの可能性としては、すでにドイツ政府が提唱する「インダストリー4.0」や米ゼネラル・エレクトリックが主導する「インダストリアルインターネット」による、スマート工場やデジタルツインなどのソリューションに期待がかかっている。IoTは欧米スタートのものではあるが、もともとものづくり大国といわれてきた日本は製造分野でのIoT活用は得意なはずなので、すぐに欧米に追い付き世界市場の中で戦っていけるだろう。