ITモダナイゼーションSummit 2017 レビュー

COBOLが企業に成功をもたらす理由~モダナイゼーション手法とCOBOL最新技術~

COBOL資産を継続利用・有効活用したIT刷新を支援するマイクロフォーカスが、その手法と事例、さらに最新技術としてCOBOL言語をJava同様JVM言語として扱うことができる『COBOL for JVM』機能を紹介する。

モダナイゼーションはITを攻めに転じさせる

マイクロフォーカス株式会社
技術部 マネジャー
光富 良裕

マイクロフォーカスは40年以上にわたり、世界中でCOBOL製品を提供してきた企業だ。最新テクノロジーをいち早くキャッチアップしたCOBOL関連技術により、時流を捉えたソリューションを提供し続けてきた。現在は世界に90以上の事業所を持ち、従業員数は約4500名、パートナー企業数は5000社を超え、COBOL製品への積極的な研究開発投資を続けている。

同社の光富氏は、「コストを下げて、攻めのITに転じるためのもの」とモダナイゼーションを形容する。ただ、その目的は「運用コストを抑えたい」「業務を改善したい」など、さまざまであり、取り組むにあたってはモダナイゼーションの課題を整理することが重要だという。

「長期的なゴール、短期的なゴールは何かを明確にすること、また、対象となる資産を洗い出し、すべてを変えるのか、一部に留めるのかを整理することが出発点として重要となります」

モダナイゼーションとひとことで表現しても、どのような手法でそれを実現するかによってその改善度合いや影響度合い(手間)は異なるのだ。下図は、モダナイゼーションにより機能や業務をどれだけ改善できるかを縦軸に、どの程度までその影響が及ぶのかを横軸にとって比較したものだ。

モダナイゼーション手法に対する一般的な評価

同社は影響度を最小限に留めつつも、改善度合いは目的に応じて選べるよう、(1)クロス開発、(2)ミドル資産を含むリホスト、(3)COBOL資産のみのリホスト、(4)COBOLを活かした刷新という4つの手法を提案している。

このうち、ミドル資産を含むリホストには短期間のうちに低コストでオープン化ができるという効果が期待できる。この手法を用い、王子製紙を中核事業会社とする王子グループはIBMメインフレーム上で運用していた工場系および営業系システムをオープン化した。

「その結果、運用コストが削減できただけでなく、オンライン処理にかかる時間が2分の1以下、バッチでは3分の1以下になるなど、パフォーマンスが格段に向上したそうです」

また、国産メインフレームのCOBOL資産を最新のオープン環境プラットフォームへ移行した事例としては、パートナーであるキヤノンITソリューションズが取り組んだ、アサヒビールなどを事業子会社に持つアサヒグループホールディングスにおける基幹システムの脱ホストとシステム再構築の事例が紹介された。

既存COBOL資産をJavaから利用可能にする『COBOL for JVM』

続いて光富氏は、COBOLからバイトコードを生成する新技術『COBOL for JVM』の紹介に移った。これもモダナイゼーションに貢献する技術だ。

「なぜこのようなことができるのかというと、COBOL for JVMもJavaと同じJVM言語だからです」と光富氏。「我々が長年提供してきた国際規格に準拠したCOBOL構文に加えて、IBMなどのメインフレームCOBOLの拡張構文も解釈可能なCOBOLコンパイラーを、JVM向けに実装しました。これによりJavaやScalaを始めとした50以上にのぼるJVM言語から既存COBOL資産の利用が可能になります」

JVM言語とは

JVM言語とは、JVM上で実行可能なバイトコードを生成する言語の総称だ。実際に、既存言語をJMV上で動くように実装した例は多い。たとえばJythonはPythonをJVMの上で動くように実装されたものだ。同様に、JRubyはRubyから、Rakudo Perl 6はPerl 6から誕生している。

では、同社によるCOBOLのJVM実装にはどのような特徴があるのか。光富氏は「国際規格に準拠したCOBOLやIBM拡張のCOBOLから生成されたJVMクラスでCOBOLらしい振る舞いを実現させるべくJVM上で動作するランタイムを提供しています。これによりメインフレームの計算精度を維持することもできれば、COBOL固有のデータ型をJavaの基本型へ自動変換することも可能になります」という。

デモンストレーションも行われた。68年規格の構文も含むCOBOLで書かれたスーパーマーケットの販売管理システムのサブモジュールである値引き金額試算システムを、容易にJVMクラスへコンパイルし、COBOLとJavaやScalaとのシームレスな連携が実現できる様子を披露した。

すでに『COBOL for JVM』には、国内外で多くの導入実績がある。講演では、海外の年金基金の検索システムや自動車メーカーのシステムなどで、パフォーマンスを向上させた事例が紹介された。

光富氏は「『COBOL for JVM』を含む Micro Focus Visual COBOL製品は評価版も用意しているので、是非コンタクトしてください」とした上で、「COBOLで構築した企業固有のビジネスロジックは捨てることなく、システムの改善も刷新も可能です」と強調して講演を締めくくった。同社の製品を紹介する動画やホワイトペーパーはサイトに用意されている。また、ITpro Activeサイトに「COBOL資産を有効活用するITモダナイゼーション手法」と題したホワイトペーパーを掲載(6月7日より公開)しているので、そちらも参考にしていただきたい。

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