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2020年・Windows 7 延長サポート終了 - その時企業は、自治体は?

迫る Windows 7 の延長サポート終了 松山市はなぜ Windows 10 への早期移行を考えたのか

電子行政課が強いリーダーシップを発揮し
全庁理解を得る

 OS を変更することについて他部門などから意見はなかったのだろうか。「電子行政課では将来を見据えてインフラ整備を進めるという意思統一ができていますし、私たちでしっかり説明すれば、全庁で理解を得られ、進むようになっています」と山崎氏。電子行政課の強いリーダーシップがスムーズなWindows 10導入のポイントになっていることは間違いない。
 入札後、PC 3500台の更新作業は、保守切れのタイミングに合わせて2015年度、2016年度の2年にわけて実施された。まず電子行政課でマスターイメージを作成し、調達した新 PC に展開。個別の追加設定は現場で行う。現場の更新対応としては、各課にPC更新日程を通知した上で、入替作業日までにデータ退避用ファイルサーバへデータをコピーするよう通知。データの退避と復旧は各課で対応した。なお、データ退避が不完全な場合に備え、回収した旧PCは一定期間データ消去を行わず保管しておいたという。
2015年度の導入分については、年度内導入のため非常にタイトではあったものの、スケジュール通りに更新は完了。「当時は Windows 10 がリリースされたばかりでしたが、マイクロソフトに技術的な支援をお願いし、マスター作成から導入まで、スムーズに進めることができました。また、2016年度実施分については、計画から展開まで前年の成果物の多くを流用できたため、余裕を持って展開できました」と沼田氏。
なお今回松山市では、マイクロソフトのプロフェッショナルサポートを利用して、Windows 10 および Office 365 の導入を行っている。

Windows 10移行のハードルは低い。
基幹系 PC でも検討へ

 松山市では、OS の使い方に関するマニュアルも作成して配布したが、職員からの問い合わせはほとんどなかったという。「Windows 10 はスタートメニューなど操作性が Windows 7 とも近く、現場の職員がまったく意識することなく使用できることは大きなメリットと思います。そうした意味でも Windows 10 への移行は、かなりスムーズで問題が少ないと感じました」と山崎氏。
 更新にあたって PC のスペックが一新されたことで、業務効率の向上にも繋がっている。「64ビットの Windows 10 を使用するため、メモリーも従来の2GBから4GBに増やしました。PC の起動時間は明らかに速くなっており、業務効率も向上しています」と沼田氏は評価する。

■ Windows 10 移行のポイント

松山市が実践した Windows 10 移行において、そのポイントをまとめた。

 2年にわたる PC 更新、Windows 10 導入のプロジェクトを成功させた松山市。沼田氏にWindows 10導入のポイントを聞いた。
 「今すぐに取り組みをはじめることが大切です。後あとになって時間に追われてしまうのが一番大変ですし、Windows 10 移行に関する情報も充実している今であれば、さらにスムーズな移行が可能だと思います。また、自治体独自の環境設定についても、マスター作成の試行錯誤回数が増えるので、十分な準備期間の確保をすべきです。マスター作成などで悩む場合はマイクロソフトのコンサルティングサービスを利用するのもよいでしょう」と沼田氏は話す。
 今後松山市では一般事務用の PC に続き、2017年度、2018年度の2年間で、基幹系の端末入れ替えも進める。山崎氏は、「基幹系の端末で重要なのは安定性です。すでに一般事務用 PC の導入により Windows 10 の安定性は評価できていますので、基幹系についても Windows 10 に入れ替える方向です。まだ検証中ではありますが、何か問題があっても足踏みすることなく進めていきます」と話す。
 沼田氏は今後の展望を次のように語った。「 Windows 10 については今後も機能やセキュリティの強化もあると思いますので、そうした部分も情報収集しつつ活用していきます。テレワークなどのキーワードも出てきていますので、働き方改革も検討していければと考えています」

プロファイル

松山市 様

https://www.city.matsuyama.ehime.jp/

愛媛県の県庁所在地。県のほぼ中央にある松山平野に位置する。1873年愛媛県庁が設置され県都となり、1889年12月15日市制を施行以来、政治・経済の中心都市として成長。俳人正岡子規をはじめ、多くの文人を輩出するなど地方文化の拠点としての役割を果たしてきた。1945年には市街地の大部分を戦災により焼失したが、今日では総合的な都市機能を備え、2000年4月には中核市へと移行し、2005年1月には北条市・中島町と合併し四国初の50万都市となった。「いい、加減。まつやま」をテーマに、松山の「暮らしやすさ」や「食」「温泉」「ことば」などの魅力発信にも注力している。

●日本マイクロソフト Windows 7 延長サポート終了関連リンク

2020年1月14日に Windows 7 の延長サポートが終了

https://www.microsoft.com/ja-jp/atlife/article/windows10-portal/eos.aspx

Windows 7 / 8.1 ユーザー向け Windows 10 操作ガイド

https://www.microsoft.com/ja-jp/atlife/article/windows10-portal/upgrade.aspx

INDEX
Windows 7 延長サポート終了は「まだ先のこと」ではない
3500台の一般事務用 PC 更新にあたり、Windows 10 導入を決断
少人数の実機検証で起こりうる不具合や問題に確実に対処
電子行政課が強いリーダーシップを発揮し全庁理解を得る
Windows 10移行のハードルは低い。基幹系 PC でも検討へ