日経BPイノベーションICT研究所は、2017年4月都内で「ITモダナイゼーションSummit 2017」を開催した。現行機能を踏襲しながら効率的にシステムを刷新する手法である「ITモダナイゼーション」は、ハードウエアやソフトウエアの陳腐化や保守切れ、セキュリティ対応、エンジニア不足などが原因でシステムを刷新せざるを得ないケースに有効であり、多くの企業が関心を寄せている。本イベントでは、ユーザー企業やソリューション提供企業による事例やノウハウの紹介、新技術、製品、サービスの紹介などが行われ、多くの来場者でにぎわった。
冒頭の特別講演では、姫路市役所の小林正治氏が姫路城の改修プロジェクトを紹介。文化財建築とITと分野は違えど、既存のものを活かしながら刷新する方法や苦労に多くの来場者が聞き入った。また、ユーザー企業である京都機械工具は、脱メインフレームを実現した自社の取り組みをベンダーと共に紹介。取り組みの中でわかった進め方や問題点、技術的な注意点やポイントなどを具体的に紹介した。
さらに、COBOLコンソーシアムによる「COBOLコンソーシアムトラック」を設置。同団体の会員であるユーザー企業によるCOBOLを利用したシステム移行事例紹介や、ソリューション提供企業による技術や方法、注意すべきポイント、サービスの紹介などが行われた。
講演会場の外では、各社の展示コーナーや講演者に個別に質問できるAsk the Speakerコーナーを設置。興味を持った来場者が足をとめ、質問や相談を行っていた。
本特集は、「ITモダナイゼーションSummit 2017」の各講演で紹介された事例や技術、製品、サービスなどを紹介する。