
2020年1月14日に延長サポート終了となるWindows 7 。2年前に登場したWindows 10 は、「Windows as a Service」というサービスモデルで、無償で継続的にアップデートされることで常に最新の環境を維持できるようになっている。つまり、Windows 10 は登場した2年前よりもさらに機能強化やセキュリティ強化が進んでおり、今後も次々と進化していくのだ。Windows 7 からWindows 10 への移行が急務となっている中で、Windows 10 にはどのようなメリットがあり、ビジネスや働き方をどのように変えていくのか、セキュリティ面でどのようなアドバンテージがあるのかについて、日本マイクロソフトの三上 智子氏に話を聞いてきた。
ーーまずは、日本国内でWindows 10 への移行がどれくらい進んでいるのかについて教えてください。
日本マイクロソフト
業務執行役員 Windows & デバイス ビジネス本部 本部長
三上 智子氏
2015年7月にWindows 10 が登場してから2年が経ち、評判もかなり高いことや、Windows XPのサポート終了で入れ替えたPCの買い替え需要期となっているため、直近ではPCの出荷台数が増えており、Windows 10 への移行がかなり進んでいると考えています。
一方で、専任のIT部門とIT管理者のいる大企業と比べると、中堅・中小企業の皆様には、情報がまだまだ行き届いていないという現状もあります。 楽天リサーチの2017年6月時点の調査結果によると、2020年1月のWindows 7 の延長サポート終了を知らないと答えた中堅・中小企業が半数近くあるという結果も出てきています。
ーー今後、認知を広げるために、どのようなことを行っていく予定ですか。
これまでも、弊社代表取締役 社長の平野の年初記者会見や、様々なイベント/セミナーなどで、Windows 7 のサポート終了についてお話させていただきました。また、サポート終了に関する専用サイトを12月に立ち上げ、その中で移行に関して必要な情報や、パートナー様の移行支援ソリューションなどの紹介を行っております。さらに今後は全国でセミナーを開催する予定です。
ーーパートナーへの働きかけは、どのように行っているのでしょうか。
もちろん、強力なWindowsエコシステムを支えるパートナー様と共同で、東京だけでなく、地方の中小企業の皆様に届くような形で啓蒙活動を加速させていきたいと考えています。私たちは、Windows 10 の提供開始から、継続的にパートナー様にタイムリーな情報提供やトレーニングを提供しています。また、法人企業のWindows 10 への移行が積極的になってきた1年くらい前から、パートナー様に移行支援サービスの開発なども行っていただくようにしています。
ーーそれらの移行支援サービスを使ってみたいと考えた場合は、どうすればよいのでしょうか。
前述のサポート終了に関する専用サイトに、移行支援サービスを行っているパートナー様の一覧が載っているので、参考にしてみてください。すでにお付き合いのあるパートナー様がおられるなら、まずはご相談いただくのが重要です。パートナー様には、情報などを提供するだけでなく検証支援プログラムなども提供しております。このため、移行支援のスキルも非常に高くなっており、安心してお任せできると思います。来年1月からは、パートナー様とさらに強固な協力体制を組み、移行メニューの開発や啓蒙活動を加速化させていこうと考えています。
ーーマイクロソフトのパートナーであれば安心して導入・移行ができると思いますが、一方で、中堅・中小企業では家電量販店などでPCを調達することも少なくないと思います。企業にとって、法人向けのIT代理店経由と家電量販店では、どのような違いが出てくるのでしょうか。
家電量販店では、Windows 10 のHomeが搭載されプリインストール版のOfficeが付いている場合が多いので、個人でより安価にPCを買い替えるのなら、便利です。法人向けのサポートの手厚さや、保証期間の長さ、また複数のデバイスを管理するという点では、法人向けのIT代理店経由でWindows 10 Pro を導入もしくはWindows 10 Pro搭載デバイスを購入されたほうが、デプロイや移行支援などのサポートを受けられ、管理面でも安心できます。