池井戸潤さんが考える中小企業の今と未来~作家 池井戸潤氏

  • Writer : ASAMI NAKAMA
  • Data : 2017/12/4
  • Category : デジタル活用、働き方改革

日本社会が抱える課題、中小企業の役割

景気回復や株高が続きながらも、先行きの不透明さを感じることの多い日本社会。「技術立国」の看板も、急成長する中国など他国のパワーに押されてぐらついているように思える。池井戸さんもこう指摘する。

「他より安く大量に売る時代はとうに終わりました。やり続ければ人件費の安い外国に負けるのは当たり前です。それよりも、サービスや製品ににどう付加価値をつけて高く売るのか。『多少高くてもいいから買いたい』と相手に言わせるためにはどうすればいいのか、考えていかなければいけません」

求められているのは、今ある技術を生かして社会や産業を変革するイノベーションの力だ。特に、中小企業におけるイノベーションは経営者がリーダーシップを持って取り組んでいること、日常生活でひらめいたアイディアの商品化が多いこと、ニッチ市場需要の担い手となっていることが特徴である。

フィクションではあるものの、『陸王』におけるこはぜ屋のランニングシューズ開発は、まさに中小企業がイノベーションを起こした好事例と言える。

こはぜ屋が開発したランニングシューズ「陸王」
(画像提供:TBS)

「技術を大切にして、付加価値をつけていく。言葉で言うのは簡単ですが、実行するのは本当に難しい。日本経済の状況にかかわらず、厳しい状況におかれている中小企業は多い。踏ん張っていただきたいとしかいえません」