中堅・中小企業は、なぜソーシャルメディア活用が進まないのか?ソーシャルメディア活用の基本を考える~アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 取締役CMO 徳力 基彦 氏(前編)

  • Writer : 野本 幹彦
  • Data : 2017/10/27
  • Category : 業務改革

特に、中堅・中小企業において活用が進んでいないと言われるソーシャルメディア。ファンやアンバサダーを軸に口コミや評判が広まる仕組みを構築するアンバサダープログラムを進めているアジャイルメディア・ネットワークの徳力氏は、企業のソーシャルメディア活用をどのように考え、現状をどのようにとらえているのだろうか。

ブログや口コミの信頼を高めるために設立

ーーアジャイルメディア・ネットワークは、2007年に設立され、企業のPRやマーケティングにブログや口コミを活用し、カンバセーショナル・マーケティング(会話型のマーケティング)を実現してきた会社だ。まず、アジャイルメディア・ネットワークを設立した背景について徳力氏にうかがった。

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
取締役CMO
ブロガー
徳力 基彦 氏

2006年ぐらいから、ブロガーに記事広告を依頼するペイパーポストが流行し始めましたが、当時はブログ記事が広告であることを明示することが義務化されておらず、ブログは信用できない、いわゆる“やらせ”だ、といった風潮が生まれてしまいました。また、企業の宣伝部の方と話をしているときに、ブロガーは数百円でやらせ記事を書いてくれるんだよね、と言われたこともありました。

ブログという新しい媒体が出てきて、企業がどう扱っていいかがわからない中で、ブロガーは小銭が欲しい人たちで、100万円くらい予算があれば、数千のコンテンツを作ることができると思われてしまったのです。ユーザーが情報を発信するブログやその後に発展したソーシャルメディアは、そもそもは現金収入が目的で行うものではありません。コツコツとまじめに情報を発信している人達を支援して、ブログのメディアとしての信頼を得るためにブロガーや有識者によるプロジェクトが発足したのがアジャイルメディア・ネットワークの原点となりました。

ーー一方で、徳力氏は、アジャイルメディア・ネットワークが設立してからすでに10年が経過した今でも、日本では「インターネット=危ない、怖い」といった印象がなかなか払しょくできない、と嘆く。

日本では特に、マスメディアがネットメディアを取り上げるときには、どうしても危険やリスクをメインに話す傾向があると思います。インターネットは詐欺や悪意に満ちていると思い込んで、ネット活用に踏み込めない方は、まだまだ多いと感じています。そのような中で、昨年個人的に最もショックだったのは、WELQの騒動です。ようやくソーシャルメディアの普及により企業のネット活用が注目されてきた過程で、再びネットメディアは信用できないという印象を多くの人が感じてしまった事件で、非常に残念な事件だったと思っています。