コンサドーレ 野々村芳和の経営論北海道から世界のクラブへ~株式会社コンサドーレ 代表取締役社長CEO 野々村 芳和 氏(後編)

  • Writer : Cross Architects
  • Data : 2017/11/8
  • Category : デジタル活用、働き方改革

「同じ夢を共有する人たちと一緒に夢をかなえたい」そう熱く語る元Jリーガーで、現在Jリーグ「北海道コンサドーレ札幌」を運営する(株)コンサドーレの野々村芳和氏。北海道から世界のクラブへ。前編に続いて、今回も野々村社長の経営論に迫る。

今こそアジアに目を向けよ

ーー今夏、「タイのメッシ」と呼ばれるタイ代表チャナティップ選手を獲得しました。2013年にも期限付き移籍で、ベトナムの英雄レ・コン・ビン選手を獲得するなど、話題を集めています。野々村社長はアジア戦略をどのように考えていらっしゃいますか。

株式会社コンサドーレ 代表取締役社長CEO
野々村 芳和 氏

今のJリーグの枠組みのなかで100億円になってほしいクラブはいくつかあります。そのクラブにももちろん頑張ってほしいですし、札幌も負けていられない。Jリーグのクラブの発展を考えたときに、アジア戦略は欠かせないポイントです。まだまだ日本サッカー全体として、Jリーグの価値をアジアマーケットに伝えられていないことは問題です。価値が伝われば、放映権販売や新スポンサーの開拓にもつながるわけですから。

実際、レ・コン・ビン選手を獲得したことで、ベトナムでのJリーグ放送が増えました。それにより、ホームスタジアムの札幌ドームにベトナム語の看板が出たりする。試合に勝つ、負けるだけではない、新たなビジネスの可能性が生まれる。それもサッカーの価値なんです。強化費を増やすためにも、いかに上手くプロモーションにつなげて、コンサドーレという価値をどう高めていくかが重要です。

チャナティップ選手は、2016年に開催された
アジアU-23選手権(兼リオデジャネイロ五輪最終予選)にタイU-23代表として出場。
現在はタイ代表の中心選手として攻撃の軸を担う。

もちろん戦力としても東南アジアの選手のクオリティは年々上がっていますから、強化も視野に入れたトップチーム同士の交流や、若手世代の育成指導などにも力をいれていきます。北海道には新千歳空港という世界につながる玄関口があります。北海道や札幌のシティプロモーションにも積極的に取り組んでいきたいと思っています。

ーー2016年シーズンから運営会社名を『株式会社北海道フットボールクラブ』から『株式会社コンサドーレ』へ、チーム名は『コンサドーレ札幌』から『北海道コンサドーレ札幌』へ、そしてホームタウンを「札幌市」から「札幌市を中心とする北海道」へ変更されました。この変更についても、世界に売り出す戦略の一環なのでしょうか。

会社名を『フットボールクラブ』から『コンサドーレ』に変えたのは、サッカーだけでなく様々なスポーツを事業の中に取り入れ、北海道スポーツの中心的存在を目指していきたいと考えたからです。北海道には、スキーやジャンプなどのウィンタースポーツをはじめ、さまざまなスポーツが根付いています。北海道において、コンサドーレのブランドイメージはそれなりに高いので、『コンサドーレ=北海道スポーツ』となることで、多くの方の協力も頂きやすくなるかなと。それによりマイナースポーツの視聴者や競技者も増えるかもしれない。

チーム名を変えたのは、北海道のチームであることを改めて表明する意味合いですね。北海道全体の人口は約550万人。クラブの大きさは都市の大きさに比例する場合が多いので、クラブとしてのポテンシャルの高さは計り知れないと思っています。コンサドーレは札幌のものだけではなく、北海道のクラブなんだということをアピールしたかったんです。