金沢を拠点に活躍するクリエイティブディレクター宮田人司氏に聞く場所にしばられない働き方改革~株式会社センド 代表取締役 宮田人司氏(後編)

  • Writer : Motoki Honma
  • Data : 2017/11/17
  • Category : デジタル活用、働き方改革

居心地のよい環境を求めて、地方に移住するクリエーターが増えているが、その先駆け的な存在といえるのが宮田人司氏だ。クリエイティブ業界の第一線で活躍しながら、2010年に東京から金沢に仕事の拠点を移したという経歴の持ち主である。それから7年、「これまで仕事に関して不便を感じたことはない」と語る宮田氏は地方移住ブームや働き方改革についてどのような考えを持っているのだろうか?後編では、テクノロジーを活用した普段のワークスタイルや、働き方について聞いた。

テクノロジーによって
仕事をする上での物理的な距離は消滅

さて、子育てを考えて、移住を決心した宮田氏だが、仕事の拠点を東京から移すことに不安はなかったのだろうか?

「当時は今より、地方に移住しようという人は少なくて、周りからすごく心配されましたけど、僕自身にはまったく不安はありませんでしたね」という。

実は、宮田氏は金沢に移住する前は葉山に住んでいたという。その当時は青山の事務所まで約1時間かけて通っていたのだが、誰にも邪魔されることのない、この時間がものすごく貴重だったようだ。原稿を書いたり、書類の作成などの仕事がはかどったと振り返りながら、金沢と東京の移動は「この時間が4時間になっただけ」だとこともなげに語る。

株式会社センド 代表取締役
宮田 人司 氏

「飛行機だと小松空港と羽田空港間で50分位、電車だと当時は新幹線がなかったので4時間ほどかかっていましたけど、4時間なんて書類を作っていたら、あっという間じゃないですか?」(宮田氏)

現在、仕事で東京に来るのは多くて月に4、5回程度だというが、「いまは北陸新幹線ができて、始発に乗れば、朝10時の会議に間に合いますので日帰りも可能です。電車の中では、ノートパソコンで企画書や事業計画などの書類を作成していることが多いですね。グラフィックデザインの作業をすることもあります。いずれにせよ、まとまった時間が取れるので仕事ははかどりますね」ということだ。

我々は移動時間が長いことを不便に感じてしまいがちだが、考え方次第で有意義に利用することができるのである。

また「日常のことは、Skypeとかメッセンジャーアプリを使えば事足ります。テクノロジーを活用すれば物理的な距離は感じません」とのこと。東京の取引先などとのコミュニケーションは、ネットワークを介して行うことがほとんどだというが、そのようなやり取りは東京にいるときから海外の取引先と当たり前のように行っていたので、違和感はなかったという。

普段のワークスタイルについて聞くと「金沢でも、東京にいる時も、僕が関わっている会社のオフィスがいくつかあるので、スマホとノートPCを持って動き回りながら、あちこちで仕事をしています。そもそも、僕の仕事って1か所にとどまっていることは向いていない。やはり、環境を変えることで新たな発想が生まれたり、変わったりすることがありますから――。ですのでテレワーク環境がないと仕事になりませんね」との答えが返ってきた。

東京とか金沢などという以前に、仕事をする場所はもはや関係ないのである。