第一級のエンターテインメントはいかにして生み出されるのか?ベストセラー作家が語る創作の舞台裏~作家 池井戸潤氏

  • Writer : ASAMI NAKAMA
  • Data : 2017/11/27
  • Category : デジタル活用、働き方改革

数多くのエンタメ作品を生み出している作家、池井戸潤氏。数多くの作品が映像化され、2018年には初の映画化も公開されるが、その創作の源泉はどこにあるのだろうか?今回は放映中のドラマ『陸王』を中心に、創作の舞台裏に迫る。

「おもしろい」と感じたことがすべての起点

下町の雑草魂がロケットを飛ばす『下町ロケット』、型破りな銀行員半沢直樹が活躍する「半沢直樹」シリーズ、現在ドラマ化され高視聴率で放映中の『陸王』など、上質のエンターテインメント作品を次々と生み出している作家の池井戸潤さん。2018年には『空飛ぶタイヤ』が池井戸作品で初の映画化となる予定で、ファンはまた新たな楽しみに胸を躍らせている。

先端技術を語る面白さ、善悪だけでは語れない味わいのある登場人物、チーム力のダイナミズムなど、池井戸作品の魅力をあげればキリがない。ワクワクし、時に涙し、本を閉じた後も豊かな気分に浸ることのできるこの作品群は、どのようにして生み出されるのだろうか?

作家 池井戸 潤 氏

池井戸さんが小説のアイディアを思いつくのは、パソコンの前ではなく「遊んでいるとき」が多いという。例えば『陸王』のアイディアは、ゴルフ後の歓談中に浮かんだ。ランニングの話になり、仲間が五本指の靴を使っていると聞いて、「足袋がランニングシューズになったらおもしろいのでは?」と発想したと振り返る。

モノを作る場合、多くの企業が顧客の意見やニーズを汲み取って製品開発を行う「マーケットイン」の立場をとる。しかし、池井戸さんの創作の現場では、まったく逆の立場が取られている。

「自分がおもしろいと感じたことから発想するプロダクトアウトです。よく誤解されるのですが、特定の対象に向けて何か自分のメッセージを伝えたいとは考えていません。読者に楽しんでもらうためには、まずは自分が“おもしろがる”ことが重要だと思います」