1Kのマンションに10人の社員!?先駆者に学ぶ 実践!テレワーク術~テレワークマネジメント代表取締役 田澤 由利氏(後編)

  • Writer : 野本 幹彦
  • Data : 2017/09/08
  • Category : テレワーク

仕事と時間に対する意識を変えるツールも導入

Sococoに加えて、テレワークマネジメントが利用しているのは働き方改革支援システム「F-Chair+」というツールだ。このツールは、田澤氏が勧めていたしっかりとした時間管理ができ、タイムカードのように勤怠管理を行え、働いている時間と何をしているかを同時に管理できるという。「タイムカードのように出社/退社ではなく、着席/退席となっているのもテレワークっぽいですね。子育て中のお母さん社員は、授乳や保育園へのお迎えなどで仕事を中断しなければならない場合もありますが、F-Chair+では、ワンクリックで仕事から離れることができ、勤務時間をしっかりと記録することができます」(田澤氏)。

F-Chair+でユニークなのは、勤務時間中の作業者の画面が自動的にキャプチャされてクラウドに保存される機能だ。これによって、働き手は自分の勤務実態を明確に伝えることができ、管理者も勤務中の様子を把握・確認することができる。「画面キャプチャをしているということだけで、確認などはしなくても、仕事への意識や時間意識が高まり、サボる人はいなくなります。これを見たある企業の人は、テレワークではなく、社内に導入したいと言っていましたね。企業や管理者側のメリットだけでなく、働き手にとっても、サボっていると思われていないかというストレスから解放され、自分がきちんと評価されていると感じることにつながると思います」と田澤氏は話している。

F-Chair+の機能

「働き方改革と聞くと、国に何かやらされていると感じてしまう人がまだいるかもしれませんが、賢い経営者はすでになぜ必要かを理解し、実践のフェーズへと進んでいます。このままでは、日本は人材が不足して大変なことになることはわかりきっているので、今や、働き方改革やテレワークの導入が企業にとって急務となっていることは間違いありません。しかし、ただ単に表面的にこれらに取り組んでも、運用できなかったり、かえって過剰労働を引き起こして人材を失ってしまったりすることになります。本気で働き方改革を行うのであれば、しっかりとマネジメントして、遠回りしてでもステップを踏んで、すべての働く人がテレワークできる環境を整備する必要があります。時間はかかるかもしれませんが、今やらなければならない自分事として、考えるようにしていただければと思います」と最後に田澤氏は話してくれた。

profile

テレワークマネジメント代表取締役 (兼 ワイズスタッフ代表取締役)
田澤 由利 氏

奈良県生まれ、北海道在住。上智大学卒業後、シャープでパソコンの商品企画を担当していたが、出産と夫の転勤でやむなく退職。子育て中でも地方在住でも仕事をしたいと、3人の子育てと夫の転勤による5回の転居を経つつ、パソコン関連のフリーライターとして自宅で働き続けた。
1998年、夫の転勤先であった北海道北見市で「在宅でもしっかり働ける会社をつくりたい」とワイズスタッフを設立。さまざまな業務を受託し全国各地に在住する110人のスタッフ(業務委託)とチーム体制で業務を行っている。
2008年には、柔軟な働き方を社会に広めるために、テレワークマネジメントを設立。東京にオフィスを置き、企業等へのテレワーク導入支援や、国や自治体のテレワーク普及事業等を広く実施している。同年、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009」リーダー部門7位に選出。
2015年 総務省「平成27年度情報化促進貢献個人等表彰」を受賞。
2016年「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」個人賞受賞。また自らも、場所や時間に縛られない柔軟な働き方である「テレワーク」に関する講演や講義をするほか、ブログやFacebook等で広く情報発信・普及活動を行っている。内閣府政策コメンテーター、総務省地域情報化アドバイザーなど。