走り始めたVRビジネス、パートナーと描く理想の未来とは?

理想は尖ったパートナーのチームアップ

――VRのパートナーとしては、どのような企業に期待されますか。

望月氏 現在、最もニーズがあるのはCGパートナーです。CGとVRを組み合わせれば、極端な話、東京都内全域を江戸時代の風景で再現することも可能です。または今は寂れてしまった観光地で、かつて繁栄していた時代の風景を復元すれば、新たな観光スポットとなって楽しめたりするかもしれません。こうした理由から、CGはニーズが多いのです。

 しかし、依然としてCG制作には高いスキルが求められますし、実写に比べてかなりコストが嵩みます。低コストで高品質に制作できるパートナーがいれば、我々も非常に提案しやすくなります。それから、先ほど言及した双方向でのVR活用の仕組みが作れるようなパートナーも有力候補です。さまざまな技術とノウハウを持ったパートナーにぜひ期待したいですね。

加藤氏 弊社単独でVRシステムのすべてを構築することはできません。VRビジネスは"パートナー"との協創があってこそ成立します。すべてのレイヤーでそれぞれのパートナーと上手く連携していく必要がありますが、今はVRの黎明期のためか、各社それぞれが独自に取り組んでいる状況です。この状況ではサービス全体として最適化されません。

 例えばコンテンツが抜群なのにデバイスの性能が今ひとつだったりすると、すべての良さを出口の部分で失ってしまうことになります。だからこそ、NTTドコモのようなプラットフォーマーを中心に最適なシステムを構築していくことが、より良いVRサービスを作り上げる1つの解になるはずです。そのため幅広い分野の対応をしていただけるパートナーや、それぞれの得意分野で尖ったパートナーを上手くチームアップするのが理想です。

――VRビジネスがこれから花開くということで、躊躇しているパートナーも多いのかもしれません。マネタイズに関してはどのように考えているのでしょうか。

望月氏 確かに今すぐはなかなか難しいのですが、2020年の東京オリンピック、地方創生といったテーマがあって、日本全体としてICTに対する投資が増えていく機運が高まっているのは事実です。担当者の実感として、ひと口に地方創生と言っても課題は多いかと思いますが、まだまだ一般的には認知度が低いVRという技術の可能性を理解してもらえると、その課題に対してVRが活用できることに気づいて、答えが見えてくるのではないでしょうか。面白いアイデアはたくさんありますから、それらをわかりやすい提案にまとめて新規ビジネスを創出していくのが重要になってきます。

 我々の強みは、NTTドコモの人的ネットワークを生かした "足を使った営業"ができることです。全国に支社・支店の法人営業担当者が何千人といて、全国隅々の自治体や企業にリーチしています。加えてドコモショップもありますから、コンシューマーに対するタッチポイントも非常に多い。ベンチャー企業が作ったメニューを、NTTドコモのインフラを使って効果的に普及させていくのが良好なパートナーシップだと考えています。

加藤氏 お客様も地元のベンダーと組むことで地方創生の活動と連動しやすくなります。フットワークが軽く、地元の県内のことならすべてを知っているような企業との連携で面白いソリューションが生まれるかもしれません。(国際家電見本市の)「CES 2017」を見ても、まだVRに関しては決定的なソリューションが出ていないと感じました。これをチャンスと捉え、日本から画期的なVRソリューションが生み出せるようになれば、非常に面白い未来が待っていると思います。

やがてVRはインターネットと同じ存在になっていく

――VRは今後どのような発展を遂げていくと思いますか。

加藤氏 VRは今、特別な環境下で特別なツールとして利用されていますが、いずれは当たり前のプラットフォームになると思っています。規模は異なりますが、ある意味インターネットと似たような進化をたどるのではないでしょうか。2017年現在、インターネットを特別なツールと捉える人はほとんどいなくなりました。ですから、「これって昔はVRって呼ばれていたんだ」といったレベルまで生活の中に浸透していく可能性も十分にあると思います。

望月氏 今後出てくる技術と、ドコモのアセットをかけ合わせてできる可能性があることは"どこでもドア"的なものでしょう。相性がいいのはやはり、観光ソリューションです。VRコンテンツを通してその場に行った気分になれますし、すべてをCGで再現すればタイムマシーンのように時代を遡ることもできます。

 これからはドローンも一般化しますので、鳥の目線も体感できるようになりますし、よりカメラが小型化すれば、虫の目線もあり得るでしょう。それらが完成されれば、エンターテインメントの世界や研究分野にも新しい知見が生まれてくる。そこに5GやIoTを上手く組み込んで、チャレンジを続けていきたいですね。

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ドコモ・イノベーションビレッジ事務局
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