被災地だからこそ見えたリアルなドローン活用仙台市がドコモと連携協定を結んだ理由

自由な発想から生まれたドローンビジネスの種

ドローン×エンターテインメントの可能性について講演したNTTドコモ・ベンチャーズ ディレクターの北周一郎氏

ドローン×エンターテインメントの可能性について講演したNTTドコモ・ベンチャーズ ディレクターの北周一郎氏

 以下、アイデアソンの様子を紹介しよう。アイデアソンに先駆け、NTTドコモ・ベンチャーズ ディレクターの北周一郎氏がドローンを取り巻く現状と未来をテーマに講演した。

 ドローンは飛行規制が強くネガティブなイメージもあるが、基本的に200g未満であれば規制の対象から外れる(ただし、地域によって規制は異なる)。そこで北氏は「安価で軽量のホビードローンを購入して飛ばす楽しさを知ってほしい」と切り出し、実際に私物の小型ドローンの飛行デモを行った。一方で、許可・承認が必要になったのはそれだけドローンが浸透してきた証明だと歓迎した。

 エンターテインメントの例としては、「第51回スーパーボウル(2017年)」のハーフタイムショーにおけるレディ・ガガの ドローン300機を用いた星条旗の演出などが記憶に新しい。コンセプトレベルではドローンサーフィンや海中ドローンといった夢が膨らむ活用法も生まれており、北氏は「ドローンへの期待は尽きない」と説く。最後にベンチャーキャピタルの立場から「積極的にドローンビジネスを仕掛ける企業に出てきてほしい」(北氏)とアイデアソンの参加者に訴えかけた。

 続いて参加者たちはドローンのデモンストレーション飛行を行い、実際に操作しながらアイデアの源を探った。用意されたのは手のひらサイズから重量級までさまざまなタイプのドローン。参加者の顔からは自然に笑みがこぼれ、思い思いに楽しんでいる様子が伝わってきた。

各々が会場に用意されたドローン飛行のデモを楽しんだ

各々が会場に用意されたドローン飛行のデモを楽しんだ

今回の中では大型のドローン。数メートル離れていても風圧が感じられた

今回の中では大型のドローン。数メートル離れていても風圧が感じられた

アイデアソン参加者を最初から最後まで鼓舞した原氏

アイデアソン参加者を最初から最後まで鼓舞した原氏

初めて会った者同士が1つの目標に向かって知恵を絞るのもアイデアソンの醍醐味

初めて会った者同士が1つの目標に向かって知恵を絞るのもアイデアソンの醍醐味

 こうした準備を経て、4人1組、合計8チームによってアイデアソンがスタート。ファシリテーターは数々のアイデアソンを手がけてきた原亮氏が担当した。冒頭、原氏は「実現性に縛られず、まずはアイデアをたくさん出すこと」とブレインストーミングのコツを伝授し、即興のアイデア発散ゲームで参加者の頭をほぐした。

 それぞれのチームはまず個別シートにアイデアを書き込みながら、最良のアイデアを突き詰めていく。一般的なアイデアソン同様、この場で初めて出会った人たちがほとんどなのだが、時間が経つにつれて“チームらしく”なっていく。会場のあちこちで熱心に意見を交わす場面が見られ、予定していた2時間弱はあっという間に過ぎていった。

 最終的に個別シートを大きな模造紙にまとめ、チームのアイデアとしてプレゼンテーションを行った。まとめる際に原氏は、「エンタメ要素」「ビジネス要素」「イノベーション要素」「ジブンゴト要素」をしっかり盛り込むことをアドバイスした。

 プレゼンテーションは白熱した。監視システム、海中散歩、ドローン目線でのプロスポーツ選手の疑似体験、ドローンによる旅行ガイド、ドローンを宇宙に飛ばしての映像鑑賞など、各チームがユニークなアイデアの種を次々と披露した。

 全チームの発表後、参加者全員による投票が行われたが、中でも「ドローンで料理の鉄人!」と「ドローンによる空間創造」の2つはデッドヒートを繰り広げた。前者はその名の通りドローンが料理をする斬新な視点、後者はプロジェクションマッピング×香りつきミストという、視覚と嗅覚に訴える合わせ技が高く評価された。

投票で人気を二分したアイデアその1「ドローンで料理の鉄人!」

投票で人気を二分したアイデアその1「ドローンで料理の鉄人!」

投票で人気を二分したアイデアその2「ドローンによる空間創造」

投票で人気を二分したアイデアその2「ドローンによる空間創造」

 参加者の投票では同票となり、会場のNTTドコモスタッフによる決選投票までもつれ込んだ結果、見事にドローンで料理の鉄人!が最優秀賞を獲得。「ドコモ・イノベーションビレッジ賞」と副賞を獲得した。

 今回のアイデアソンはドローンの未来を築く思いが反映されたものだ。白岩氏はその様子を「今日のイベントには皆が普段着で集まっていますが、学生も、社会人も、大学の先生もいます。これこそ産官学の縮図です。もはやかしこまった座学の時代ではありません」と評した。仙台市から画期的なドローンビジネスが生まれる日は、そう遠くないのかもしれない。

最優秀賞はドローンで料理の鉄人!が獲得した

最優秀賞はドローンで料理の鉄人!が獲得した

ドコモの「d」マークを作って皆で記念撮影

ドコモの「d」マークを作って皆で記念撮影

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