NTTドコモが支えるソーシャルイノベーション「社会起業塾イニシアチブ」に参加する意義とは

NTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズは、共同で運営するイノベーション創出プログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」の活動のひとつとして、2016年から「Villageソーシャル・アントレプレナー」コースを設け、社会起業家の支援を行っている。先日、NTTドコモ・ベンチャーズのラウンジスペースで2016年度Villageソーシャル・アントレプレナーの最終報告会が開催され、各団体が発表を行った。以下、NTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズが支援した2団体の発表と担当者によるインタビューを通じて、社会的課題と向き合うドコモグループの姿勢を浮き彫りにする。

課題は多種多様、ソーシャルイノベーションの芽をサポート

のびのびと 代表理事(運営・経営)森垣奈穂氏

 Villageソーシャル・アントレプレナーでは、社会起業塾イニシアチブを通して社会起業家の支援を行っている。社会起業塾イニシアチブは、2002年からスタートした社会起業家支援プロジェクトである。社会起業とはソーシャルイノベーション(革新的な社会的課題解決方法)の創出を目的とするもので、少子高齢化、過疎化、食の安全、農業の未来、育児・介護といったさまざまな社会的課題をテーマとして扱う。

 社会起業塾イニシアチブはこれまで「フローレンス」(教育・子育て関連)、「カタリバ」(人材育成・自立支援)、「ケアプロ」(ヘルスケア)といった団体・企業を数多く輩出しており、社会起業家をめざす者たちにとって登竜門となっている。本プロジェクトでは起業家の卵を支援する企業を「オフィシャル・パートナー」として募り、主旨に賛同したNTTドコモとNTTドコモ・ベンチャーズが2016年から参加。2016年度の活動は昨年9月から始まり、2017年3月中旬まで続いた。

 2017年3月15日に開催された2016年度Villageソーシャル・アントレプレナー最終報告会にて、ドコモグループが支援した2団体「のびのびと」「エンドオブライフ・ケア協会」が発表を行った。最初に発表した「のびのびと」は、発達に障がいや特性を持つ子どもたちが健やかに成長していける環境づくりをめざし、NPO法人設立に向けて動いている。代表理事の森垣奈穂氏は言語聴覚士の資格を持っており、「子どもたち一人ひとりに向き合い、サポーターの輪を広げて社会を変えていきたい」と話す。

 のびのびとでは、保護者向け・支援スタッフ向けの「てくてくプログラム」、保護者主体のコミュニティ「てくてくの会」、コラボ企画を展開する「虹の架け橋プロジェクト」の3事業を柱に据える。例えばてくてくプログラムではワークショップを定期的に開催し、フォローアップとしてコンサルティングを実施。周囲の大人が子どもの状態と情報を共有しながら、適切な対応を進めていく。

 虹の架け橋プロジェクトでは、NTTドコモとともにおもちゃ企画開発プロジェクトを予定する。これら企業とのコラボをはじめ、オンラインサービスを含めて発信力を強化していくと語った。

エンドオブライフ・ケア協会事務局長 千田 恵子氏

 2番目の「エンドオブライフ・ケア協会」は、在宅医を中心に“超高齢少子化多死社会における看取り”をテーマとした事業を展開している。同協会事務局長 千田 恵子氏は、事業に関わったきっかけとして自身の体験談を紹介。その体験を通じて「人生の最終段階を迎えて、生きること・死ぬことに苦しんでいる当事者や、その人を支えたいのに支えられずに苦しんでいる周囲の人たちを支えたい」(千田氏)との思いが生まれたという。

 協会の強みとして千田氏は、医療・介護従事者へのアプローチを挙げる。彼らを人びとの人生の最終段階に関わる援助者と捉え、全国各地で援助者養成基礎講座を開催。これまで2年弱で1500名の受講者が学んだ。そして学んだ受講者が、それぞれの地域で実践し、振り返り、ともに学びを深める場として、地域学習会が自発的に開催され始めている。

 また、ドコモ・イノベーションビレッジのコミュニティ活動にて「超高齢少子化多死社会に向けて」と題したイベントを2017年2月に開催し、20~60代まで、職種もさまざまな幅広い層の参加者を集めた。このイベントでは「今まで避けていた親のことを考える良いきっかけとなった」(千田氏)といった意見も数多くあり、同年4月に第2回を予定。当事者を高齢者と捉えたときに、その子どもにあたる世代の、介護やその先にある“看取り”に対する意識をまず変えていきたいと語った。

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