デバイスやサービスに“有能な執事”の魂が宿るAIエージェントが変えていくライフスタイル

対話のコミュニケーションを新たなサービスのトリガーに

発表会に登壇した中山氏

 かつてNTTドコモ・ベンチャーズの設立に奔走し、現在も同社代表取締役を兼務する中山氏は、協業促進・起業支援プログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」を「ベンチャーやNTTドコモの研究開発を手がけるメンバーなどが集まり、お互いに高め合いながら化学反応を生み出す場」と表現する。2017年6月23日の発表会をNTTドコモ・ベンチャーズ ラウンジスペースにて行ったのも、新しい技術を発信するドコモ・イノベーションビレッジの基本思想に則ったからだという。

 その発表会では中山氏、大野氏とともにパートナー企業が登壇し、今回の取り組みについて説明。中山氏は「長年培ってきた技術を共有することで、対話のコミュニケーションを新たなサービスのトリガー(きっかけ)にしていく」とし、次世代のサービスモデル構築に自信をのぞかせた。

 サービスパートナーには音声APIのみならず、おサイフケータイ、iDといった課金・決済APIも開放する方向で、「一緒にWin-Winの関係が築ければ」(中山氏)と語る。ITに限らず、既に多種多様な業界から賛同パートナーが集まりつつある。NTTドコモでは「+d」(=協創)を加速しながら、本APIを利用した新AIエージェントサービスを早ければ2018年度始めに提供する予定だ。

左から髙島屋の髙山氏、NTTドコモの中山氏、インテルの江田氏、カカクコムの村上氏

 パートナーを代表し、インテル、髙島屋、カカクコムの関係者が各社のサービス展望について語った。最初に登壇したインテル 代表取締役社長 江田麻季子氏は「ドコモのAI基盤が世の中の人びとの役に立つ素晴らしいものと考えた」と率直な感想を述べた。同社ではスマートスピーカーのリファレンスデザイン開発パートナーとして早い段階からNTTドコモと協創。インテルのプロセッサーと音声処理アプリを搭載したスピーカーが、AIエージェント基盤上でサービス構築できる検証も済ませており、デバイス提供者として万全の態勢を敷いている。

 髙島屋 常務取締役 営業推進部長 髙山俊三氏は、2016年2月に締結したNTTドコモとの多面的業務提携を紹介し、「オンラインとリアルの連携で、20〜40代の若い顧客の獲得に貢献している」と提携の成果を強調。今回の取り組みは「我々が掲げる、デジタル技術を活用した購買体験の変革という大きなテーマの中核を成すもの」と位置づけ、リアル店舗の強みを生かしながら「新しいおもてなしサービスを作り上げていきたい」(髙山氏)とした。

 カカクコム 取締役(食べログ担当) 村上敦浩氏は、「我々が持つ80万店舗、2000万口コミの巨大なデータベースを検索で網羅するのは不可能。音声の問いかけにAIエージェントが応え、最適な自動レコメンドが可能になれば、本当の意味で食べログの価値をユーザーに届けられるだろう」と話す。そして、AIエージェントが「食べログにおける新しいイノベーション、第2ステージの始まり」になることを期待した。

対話のコミュニケーションを新たなサービスのトリガーに

発表会でAPIの詳細を解説した大野氏


 大野氏は今回提供するAIエージェントAPIを「プラットフォーム」と表現し、多目的対話エンジン、IoTアクセス制御エンジン、先読みエンジンの内容について触れた後、実際の利用シーンについて解説した。

 最初の窓口となるのがNTTドコモが提供する「メインエージェント」で、有能な執事のイメージ。そこからさらに専門的なサービスを利用する場合は、NTTドコモと提携した「エキスパートエージェント」と呼ばれる各サービス提供者がサポートする。例えば運送会社、タクシー会社、百貨店などがエキスパートエージェントに当たる。

 これらのエンジンを用いたデモも披露した。テレビに呼びかけて百貨店のエキスパートエージェントを呼び出し、母の日のプレゼントを音声だけで注文するデモは、まさに未来がそこまで来ていることを感じさせた。音声コマンドでテレビや照明のON/OFFを制御するIoT機能も、多くの人が思い描くスマートライフそのものである。

 先読みエンジンでは、宅配物の配達時間を出先にいるユーザーにPUSHで通知し、配達時間変更を促すデモを紹介。通販利用では配達時間のうっかり忘れが多いものだが、声だけでポンポンと時間変更がやり取りできる様は非常に便利なものに見えた。ここでは運送会社のエキスパートエージェントがサービスを担当。このように数多くの場面でサービス提供者との連携が必須になる。それだけにやはり、AIエージェントにとって各企業とのパートナーシップは重要なものと言える。

IoT制御で家電を音声操作。リモコンやスマホで操作する概念はない

先読みエンジンのレコメンにより、配達時間を変更。音声のやり取りで変更まで完了

お問い合わせ

ドコモ・イノベーションビレッジ事務局
E-mail:village-application@nttdocomo-v.com

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